吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

スッキリだとかシャーデンフロイデとか(後)

2021年06月09日 | 思うこと

続きである。

前回はYou Tubeでの「スッキリ系」「スカット系」となろう小説における「追放系」の流行についての基礎に触れたのであった。
まあ、勧善懲悪(逆のダークヒーローもある)水戸黄門みたいなもんです。

脳科学者の本などでちょっと前に話題になったのが「シャーデンフロイデ」。
いちいちリンクしないけど。
日本語だったら「ザマアミロ」「因果応報」「他人の不幸は蜜の味」だとか。

You Tubeで見たなろう小説の分析で断言していて面白かったのだが、最近の「追放系」の流行の最大の理由は新型コロナだとしていたこと。

田舎住まいの僕はあまり感じていない(それでもレベル5)自然の中で遊んだり、山のてっぺんにバイクで行ったりということを誰にも会うことなく出来るし。
人口密度の高いところでは外出の自粛だとか相互監視的な雰囲気だとかがあって結構なストレスらしい。

そこで、スッキリ出来るものに対する欲求が高まっているらしいというのだ。
それは創作物の世界にも及び「スッキリ系」の人気が高まっているのだと。
これは面白い考察だな。

少し前に流行った「異世界チート系」の基本形は、異世界に転生または転移した主人公が、その際に神様にすごい能力を与えられたり現代日本の知識を活用したりして異世界でガンガン成功して行くというものだ。
チートは「いかさま」ゲーム関係では反則級に強いことで、この手の物語では主人公が大した苦労もなく(時には全く苦労せずに)女の子にモテて、人々の称賛を浴びて、悪を倒して、いやあ参ったなあ的な感じ。
とにかく主人公は苦労しないで大成功!
というのが大いに流行ったのですよ。

そんな話を「なにそれバカじゃね?」と言いながらも結構楽しんでいた時代があったのだ。ちょっと前。

新型コロナ以降、ストレスを抱えた人々はよりスッキリ要素を求めて、主人公に落差が与えられてしまうことになったということですね。
それなりに成功を収めていた主人公が理不尽に追放されるという転落からスタートするとかね。
もちろん以前からあった展開だけどね。

それにしてもYou Tubeのオススメのプログラムはちょっと極端。完全に同じ系統で埋め尽くされるのよ!
広くなりすぎたネット世界がどんどん狭くなっていくのだ。
関心のあること、興味のあることで視界が満たされてしまう。
ネトウヨなんかは世の中の大半が同類だと錯覚しているのだろう。
陰謀論者もそうだろう。
みんな自分が世の中の多数派だと思っているんじゃないか?

ちなみにオレの趣味(クルマやバイク)仕事関係(パイプオルガン)なんかはそれでもマイナーだ。

そして「スッキリ系」「漫画系」(ラブコメ多し)等をずっと流していたワタシは家の外に出るとボロボロの女性が居るのではないかと気になってしまうのである。
で、どうなるかというと、保護してキレイにしてやると上品巨乳美女で、実は大企業の令嬢が専務の陰謀で逃げて来たというわけで、失地回復して大勝利でオレちやほやとかね。
ダメダメである……。ダメダメである。

あとひとつ。
「すっきり系」では慰謝料、損害賠償をしっかり受け取っているわけですが、アレは相手が詐欺師的会社社長(名目上株式会社でも実質個人事業)だったりするとバックレるからね、確定判決があっても。
ここ数年、法改正も進んでいるんだけどね。経験者談。


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