吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

ビール

2006年07月15日 | 思うこと
先日、古い友達の大工の手伝いをした。
夜は「ビール風飲料」の在庫処分をすることとなった。
そいつは飲まないので、頂き物が貯まってしまうそうだ。

この「ビール風飲料」は、税のいたちごっこの最前線といえますね。そもそもビールの税率が異常に高いのに対して、メーカーが税対策として「違った原料から同じようなものをつくる」技術を開発していったわけです。

これは言い換えれば、ニセモノをつくる研究といえます。
しかし、僕はこのこと自体を必ずしもネガティブには捉えてません。
ニセモノを極めることはより本物を知ることが必要だからです。
日本のビールメーカーの研究熱心さは世界一かも知れません。

ただねえ、本物のビール好きからするとやっぱり物足りないんですよねえ。

ヨーロッパでビールを飲み歩いた僕(いや、別にそれが目的で行ってたわけじゃないですよ)としては、イギリスのぬるいエールも、ベルギーのこってりしたのも、言うまでもなくドイツのビールもホントに良かった。なにより安かったし!

どこのビールが一番かなんてことをいうと、凄まじい戦いになるので、ここに値段と歴史という限定条件を入れます。
そうすると、チェコのビールが上がってきますね。ここに話を持って行きたかったのです。

ドイツ語で、ピルスナー・ウルケル、チェコ語ではプルゼニュスキー・プラズドロイ。
ピルスナータイプと呼ばれるもっともポピュラーなビールの元祖です。

かつて、学生の頃、当時は麦芽100%の国産ビールはエビスしかなかった。
今はもう遠くなってしまった友人と輸入ビールなどを飲みながら、いつかロンドンでパブ・クローリング(飲み歩き)をしようとか、チェコのピルゼンに行こうなどと、とりとめもなく語り合ったものです。
その後、僕はロンドンでパブ・クローリングも出来たし、ドイツで飲み歩くことも出来た。
いつか、彼のことも、その日々も忘れていた。

5年前のことです、全くの偶然から、チェコに単身赴任となった。
しかも、ピルゼン(チェコ語ではプルゼニュ)!
ビール好きにとってはまさに聖地!
そのビール工場の門の前に立ったとき、忘れていた日々がよみがえってきました。
心の奥から熱いものがこみ上げてきて、目からは涙があふれ、思わず五体投地(チベット人が巡礼の時などにする礼法)しそうになりましたよ!
まあ、そこまではしなかったけれども、門に額をあて、湧き上がってくる思い出を噛み締めていました。

君は今どこでどうしているのだろう、僕はひとりでここに来てしまったよ…。

門番の人が来てしまいました、悪酔いしたようにみえたらしいです。ネタじゃありませんよ。

今は国産でも良いビールが結構出ていますが、気楽にたくさん飲むにはやはり税率をなんとかしないとですね。

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2 コメント

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お久しぶり (ねこじじ)
2006-07-23 10:47:59
 たしか、ドイツでは、ビールはミネラル・ウォーターより安かった。

 ドイツの「ビア・ガルテン」のこと少々書いてみましたので、よろしければ、トラバをご覧ください。
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やっぱり税金 (ひろなん@風琴屋)
2006-07-23 22:15:42
ねこじじさん、お久しぶり、ようこそ!



ビールの値段は日本の場合、やっぱり税金が大きすぎますよね。

税率を下げて消費を伸ばすという方向に行かないものですかね。



またどうぞ!
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