吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

解体中のひとこま

2013年06月06日 | オルガン

運び出すために解体中。

極力ひとりでやります。特にこのオルガンは解体搬出時に急ぎだったことで整理が良くないのと、今度の搬入時はより細かく分割しなければならないので部品の管理が普段より難しいのです。大人数だと混乱し易いのでひとりの方が確実ではあるのです。
まあ、しんどいのも事実だけどね。

でも僕はひとりじゃない!フォークリフト君がいるもの。寂しくなんてないわ。


でも、作業をイメージしてあらかじめセットしたフォークによじ登らなきゃいけないのです。
フォークの位置が悪かったら下に降りて、エンジンをかけて、位置を出し直してエンジンを止めてまた登るということになります。
美人フォークリフトオペレーターが居ればッ。無いものねだりはよせッ。

外した部品(というにはデカいか)をフォークを足場にしてゆっくり置きます。
手で触れられるすべてのものはアテにしてはいけません。皆グラグラ動きます。
支えになってはくれません。
何ものにも掴まらずに動かなければなりません。

フォークの上面で3.5m。そんなに高くはないけれど、落ちれば大ダメージ。
部品も壊れるし。
勢いよく動くとさすがにフォークも揺れるので、あくまでエレガントに動くのです。
すり足は日本の芸術よ。

怖くないわけではありません。それなりに恐怖と折り合いを付けているのです。
恐怖の奥にひとかけらの快感が。ふふふ。
足場の幅は最大で20cmほどです。

さすがに緊張します。リラックスだッ。
リラックスゆうたらね、ズボンの……。そらスラックスやがな!
一人ボケ突っ込みだッ。

♪笑ってよ~、君のためーに~
いや、その歌はマズいぞ……。
※解説:この歌はさだまさしの「道化師のソネット」。映画「翔べイカロスの翼」の主題歌だッ。
主人公が綱渡りから落下して死んでしまうんだッ。悲しいぞッ。

緊張すると脳内フル稼働するタイプです。
頭の中が真っ白になるということは経験がありません。

高所作業は早々に終えて、ちまちまと地上で解体分類よ。これが大事!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿