○方法俳句690・材料発見4・高野清風01・2025-03-06(木)
○「深吉野の竹の皮なる流し雛」(高野清風01)
○季語(流し雛・仲春)(「→春耕>主要同人俳句作品」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「深吉野(みよしの)(奈良県東吉野村)」といううるわしい言葉。流し雛を竹の皮の小舟に乗せる。
○高野清風(たかのせいふう)
○好きな一句「恋猫がごろりと島の銀座街」02
○季語(恋猫・仲春)(引用同上)
【Profile】:1932年生まれ。兵庫県川西市在住。1997年「春耕」入会。2000年同人。「雲の峰」同人会長。
○挿絵俳句690a・助手席に・鎌田透次704a・2025-03-05(水)
○「助手席に凹みを載せて辛夷街道」(『遠景』2025)(鎌田透次704a)【→Haiku and Illustrationへ →第15句集50句へ】
○季語(辛夷・仲春)
magnolia tree road-
carrying your dent
in the passenger seat / Touji
【鑑賞】:どこへ向かっているのかはわからないが二人で向っていることはわかる。道路の両側の並木に咲いているのは辛夷だね。
○色彩俳句690・うす紅2・中島和昭01・2025-03-04(火)
○「うす紅は美しき色雛あられ」(中島和昭01)
○季語(雛あられ・仲春)(「→菜花亭日乗」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「和の色」の「→薄紅(うすべに)#f0908d」。雛あられの色彩としては最も似つかわしき色なのではないか。
○中島和昭(なかじまかずあき)
○好きな一句「蓋すればピアノも眠りほととぎす」02
○季語(ほととぎす・三夏)(「新版俳句歳時記夏の部(角川書店編)」より引用)
【Profile】:1927年新潟県出身。愛知県豊中市在住。「春燈」同人。
○五感俳句690・触覚30冷・利普苑るな01・2025-03-03(月)
○「雛の日やはじめ冷たきイヤリング」(『舵』2014)(利普苑るな01)
○季語(雛・仲春)(「→閑中俳句日記(別館)-関悦史-」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:冷たさを感じる触覚は5句目であるが耳の冷たさは初出。雛祭の日。はじめは耳に冷たいイヤリングも春の日の中でしだいに冷たさがなくなってくるのだ。
○利普苑るな(りーふぇんるな)(1959-2016)
○好きな一句「円錐に頂点ひとつ油蝉」(『舵』2014)02
○季語(油蝉・晩夏)(引用同上)
【Profile】:広島県福山市出身。大阪府豊中市に居住した。「河」を経て「鷹」同人。
○次元俳句690・元号(時間)1・水沼三郎01・2025-03-02(日)
○「天平の日差しに翁芹洗ふ」(水沼三郎01)
○季語(芹・三春)【→次元俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5・忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:天平年間(729-749)の光景を詠んだ句か。この芹を洗っている翁(おきな)とは誰が具体的な人物を想定しているのかも知れない。
○水沼三郎(みずぬまさぶろう)
○好きな一句「大鯉の恋の尾力夏立てり」02
○季語(夏立つ・初夏)
【Profile】:1925年栃木県出身。2000年宇都宮で「けごん」創刊主宰。
↓
水沼三郎掲載句
03春場所の勝者の背なの色白な(春場所・仲春)〈五体691・背な1〉2025/3/9
○挿絵俳句689b・燈届かぬ・鎌田透次703b・2025-03-01(土)
○「燈届かぬところより梅の闇」(『遠景』2025)(鎌田透次703b)【→Haiku and Illustrationへ →第15句集50句へ】
○季語(梅・初春)
from a place where the light can't reach
the darkness of plum blossoms begins / Touji
【作句メモ】:梅の闇は春の闇。春の闇は黒色が厚く濃い。「あかりとどかぬところよりうめのやみ」
○五感俳句689・味覚48苦み6・齊藤泥雪01・2025-02-28(金)
○「日出於忌や苦みの抜けぬ塩蕨」(齊藤泥雪01)
○季語(日出於忌・初春)(「→現代俳句データベース」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:今日は弘前出身の俳人・→斎藤日出於(1923-1979)(「澁柿園」創刊者)の忌日。掲句の作者も同郷で「澁柿園」代表だった。塩漬けの蕨であるがなかなか苦みが抜けない。
○齊藤泥雪(さいとうでいせつ)(1937-2021)
○好きな一句「卒業の列が過ぎゆく大鏡」02
○季語(卒業・仲春)(「→現代俳句データベース」より引用)
【Profile】:青森県出身。「草樹」同人。「澁柿園(じゅうしえん)」前代表。弘前高校の職場句会「鏡陵句会」を指導した。
○挿絵俳句689a・疾く過ぐる・鎌田透次703a・2025-02-27(木)
○「疾く過ぐる月命日の無き二月」(『遠景』2025)(鎌田透次703a)【→Haiku and Illustrationへ →第15句集50句へ】
○季語(二月・初春)
february passes quickly
there is no monthly anniversary
in that month / Touji
【鑑賞】:30日の月命日。2月には無い。閏年(次は2028年)であっても2月には無い。過ぎ去るのが速い2月を「逃げる2月」などと言うようだ。
○特集俳句689・抱腹絶倒俳句3「絶」・鍵和田秞子05・2025-02-26(水)
○「晩学や絶へず沖より春の波」(『未来図』1976)(→鍵和田秞子05)
○季語(春の波・三春)(「二十世紀名句手帖⑦海と山のラビリンス(齋藤愼爾編)(河出書房)」より引用)【→特集俳句-索引1・索引2・検索3・検索4・検索5・検索6】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:年齢を経てからの学びはなかなかはかどらないね。ゆっくり行きましょう。激しくはなくともゆったりと、そして絶間ないあの春の波のように学んで行こう。