俳句の箱庭 top

お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

■方法俳句689「雨あしに鈴あるごとし春しぐれ」(日原正彦)

2025-02-25 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句689・直喩150ごとし8・日原正彦01・2025-02-25(火)
○「雨あしに鈴あるごとし春しぐれ」(日原正彦01)
○季語(春しぐれ・三春)(「朝日俳壇(2002・4・1)」より引用)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえせそにぬねのめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:「春時雨」であるからこそ雨脚が鈴の音に聞こえる。今まで扱った「春時雨」の2句。「→春時雨関東ローム層の上」(『眼光』2011)(鎌田透次)、「→竹籠に眠る絹糸春時雨」(祐森彌香)。


日原正彦(ひばらまさひこ)
○好きな一句「天高し洗濯機の海荒れてゐる」02
○季語(天高し・三秋)「朝日俳壇(2010.10.25)」(「→増殖する俳句歳時記」より引用)

【Profile】:1947年岐阜県出身。高校時代より詩作を始め、「詩学」研究会に投稿。第一詩集『輝き術』に により、第6回東海現代詩人賞受賞。第五詩集『それぞれの雲』『ゆれる葉』 により第24回中日詩賞受賞。1997年の詩小説『かほこ』まで 10冊の詩集がある。

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■五体俳句689「白梅や胸奥にある切通し」(「沖」200204)(千田百里)

2025-02-24 04:56:00 | 五体俳句

○五体俳句689・胸奥1・千田百里01・2025-02-24(月)
○「白梅や胸奥にある切通し」(「沖」200204)(千田百里01)
○季語(白梅・初春)(「→俳誌のサロン>歳時記>白梅」より引用)【→五体俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたくけせそぬねのへほみむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:「胸奥(きょうおう)」とは心の中。歩いてきた切通しの記憶が甦る。白梅を眼前にして。


千田百里(ちだももり)
○好きな一句「封蝋の紅の陰影パリー祭」02
○季語(パリー祭・晩夏)(「『俳句年鑑』2017年版(角川書店)」より引用)

【Profile】:1938年埼玉県出身千葉県市川市在住。「」(1970年→能村登四郎が市川で創刊。→能村研三主宰。)同人会長。

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■次元俳句689「工房や挿して雛の首いくつ」(『杉森与志生集』2006)(杉森与志生)

2025-02-23 04:56:00 | 次元俳句

○次元俳句689・挿す(空間)3・杉森与志生01・2025-02-23(日)
○「工房や挿して雛の首いくつ」(『杉森与志生集』2006)(杉森与志生01)
○季語(雛・仲春)(「→俳人協会・俳句文学館>今日の一句」より引用)【→次元俳句-索引1索引2索引3索引4索引5忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(いたうえぬねはひへほみむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:雛人形の工房である。人形の体に首を据える作業。完成された雛人形のいくつもの首がと並べられる。


杉森与志生(すぎもとよしお)
○好きな一句「一人碁を並べて父の日なりけり」02
○季語(父の日・仲夏)(「→俳人協会>俳句検索」より引用)

【Profile】:1932年大分県出身東京都世田谷区在住。「青山」(→山崎ひさを主宰)同人。

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■挿絵俳句688b「雨粒を弾くかに初蝶の翅」(『遠景』2025)(鎌田透次)

2025-02-22 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句688b・雨粒を・鎌田透次702b・2025-02-22(土)
○「雨粒を弾くかに初蝶の翅」(『遠景』2025)(鎌田透次702b)【→Haiku and Illustrationへ →第15句集50句へ】
○季語(初蝶・初春)

the first butterfly
I saw that spring
with feathers that repel rain / Touji

【作句メモ】:生まれたての蝶の翅の鱗粉は見事に雨粒を弾くであろう。どこへ飛ぶともわからないぎこちない初蝶の軌道である。

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■特集俳句688「春闘や電車の腹の文字太し」(田川江道)

2025-02-21 04:56:00 | 特集俳句

○特集俳句688・抱腹絶倒俳句2腹・田川江道03・2025-02-21(金)
○「春闘や電車の腹の文字太し」(→田川江道03)
○季語(春闘・三春)【→特集俳句-索引1索引2検索3検索4検索5検索6【→俳人一覧(いいいたせそちつてぬねへほむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:「抱腹絶倒俳句」第2弾は「腹」。「五体俳句」の「腹」である。掲句は特別に飾られた電車の文字であろうか。「春闘」の時期ではあるが今やその光景は一部地域になってしまった。

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■方法俳句688「成田着A滑走路草萌ゆる」(『滑走路』2013)(坂本茉莉)

2025-02-20 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句688・英字使用3・坂本茉莉01・2025-02-20(木)
○「成田着A滑走路草萌ゆる」(『滑走路』2013)(坂本茉莉01)
○季語(草萌ゆ・初春)(「→ふらんす堂」より引用)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえせそにぬねのはひめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:成田空港にはAとBの二本の滑走路があるらしい。離陸か着陸かは不明であるが作者はたまたまA滑走路を視界に入れた。草萌えの滑走路を。


坂本茉莉(さかもとまり)
○好きな一句「空港の夜長の足を組みなほす」(『滑走路』2013)02
○季語(夜長・三秋)(引用同上)

【Profile】:1964年生まれ。1996年「夏日」入会、→望月百代に師事。2001年「夏日」退会。2002年「」入会、→小澤實に師事。2005年「澤」退会。2005年「いには」入会、→村上喜代子に師事。2010年「いには」賞受賞。「いには」同人。

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■色彩俳句688「春はももいろ裏山に鳥のこゑ」(『喜悦』2020)(竹内悦子)

2025-02-19 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句688・ももいろ2・竹内悦子01・2025-02-19(水)
○「春はももいろ裏山に鳥のこゑ」(『喜悦』2020)(竹内悦子01)
○季語(春・三春)(「→大井恒行の日日彼是」より引用)→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5】【→俳人一覧(いいいたうえくけこすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめも)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:春の色はやわらかいひらがなの「ももいろ」。ところどころ、ももいろをあしらった裏山に春の鳥が啼く。


竹内悦子(たけうちえつこ)
○好きな一句「天竺へ毛毬ころがす七変化」(『喜悦』2020)02
○季語(七変化・仲夏)(引用同上)

【Profile】:1933年大阪市出身。→岡井省二に師事。「槐(かい)」同人。

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■挿絵俳句688a「錠剤をビールで流す雨水かな」(『遠景』2025)(鎌田透次)

2025-02-18 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句688a・錠剤を・鎌田透次702a・2025-02-18(火)
○「錠剤をビールで流す雨水かな」(『遠景』2025)(鎌田透次702a)【→Haiku and Illustrationへ →第15句集50句へ】
○季語(雨水・初春)

when the snow
starts to thaw
drink pills with beer / Touji

【鑑賞】:今回の季語は「雨水(あまみず)」ではない。「雨水(うすい)」である。体内へ流し込むのは「雨水(あまみず)」ではない。

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■五感俳句688「隕石の道のり淋し春の夜」(『音』2019)(吉野秀彦)

2025-02-17 04:56:00 | 五感俳句

○五感俳句688・感情62寂寥8・吉野秀彦01・2025-02-17(月)
○「隕石の道のり淋し春の夜」(『音』2019)(吉野秀彦01)
○季語(春の夜・三春)(「→朔出版」より引用)【→五感俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけこすせそちつてとにぬねのはひふへほゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:隕石が地球に近づくまでの遠い道のり。春夜に独り思いを寄せる。隕石にも孤独はあるのだろうか。「二十億光年の孤独(谷川俊太郎1931.12.15-2024.11.13)」。上京直後に下落合の図書館で読んだ記憶がある。詩の巨星が夜空に瞬いた。


吉野秀彦(よしのひでひこ)
○好きな一句「地に触れてみな魂魄や春の雪」(『音』2019)02
○季語(春の雪・三春)(引用同上)

【Profile】:1959年生まれ。少年時代「野の会」主宰・→楠本憲吉に私淑。2008年より「小熊座」主宰・→高野ムツオに師事。炎天寺一茶まつり全国小中学生俳句大会主宰。真言宗豊山派布教研究所指導教授。炎天寺住職。「小熊座」同人。

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■次元俳句688「魚は氷に上がりきのふといふむかし」(鈴木渥志)

2025-02-16 04:56:00 | 次元俳句

○次元俳句688・昔(むかし)(時間)5・鈴木渥志01・2025-02-16(日)
○「魚は氷に上がりきのふといふむかし」(鈴木渥志01)
○季語(魚氷に上る・初春)(「『俳人年鑑』2004年版(北溟社)」より引用)【→次元俳句-索引1索引2索引3索引4索引5忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(いたうえぬねはひへほみむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:「魚は氷に上がり」は七十二候で、立春の節の第三番目の候で2月14日~18日。いわばこの句の時制である。春を迎えて昨日は次々に昔となっていく。


鈴木渥志(すずきあつし)
○好きな一句「鯉は身にうろこの鎧初ざくら」02
○季語(初ざくら・仲春)(引用同上)

【Profile】:1935年静岡県出身。「海原(うなばら)」(1995年神奈川県厚木市にて→木内彰志創刊。師系:→秋元不死男・→鷹羽狩行。→木内怜子継承。2013年終刊。)同人。神奈川県横浜市在住。

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