○挿絵俳句671b・輪一つ・透次685b・2024-10-26(土)
○「輪一つ二つ三つと澄みわたる」(『遠景』2024)(→鎌田透次685b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(音澄む・三秋)
the clear fall air
the sound of the Rin is clear
hit one, two, three / Touji
【作句メモ】:澄んだ大気。澄んだ空。そして澄み渡る輪(りん)の音。ふと見渡せば。亡き人たちが集う田園の只中の深夜映画館。
○方法俳句671・多行形式4・中里夏彦01・2024-10-24(木)
○「蒼穹の/末裔にして/仰ぐ/蒼穹」(『流寓のソナタ』2008)(中里夏彦01)
○季語(無季)(「→俳句空間―豈weekly」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:短詩型の中に二度も出て来る「蒼穹」という言葉。そんな青空の下にいて空を仰ぐ自分もまた空の末裔であるのか。
○中里夏彦(なかざとなつひこ)
○好きな一句「流寓の/ソナタか/われの/破綻調」(『流寓のソナタ』2008)02
○季語(無季)(引用同上)
【Profile】:1957年生まれ。大学在学中に「俳句研究」第6回50句競作に応募したことから→高柳重信に傾倒。同人誌「未定」に参加しながら多行形式による作品を書き継いでいる。
○挿絵俳句671a・冬隣・透次685a・2024-10-22(火)
○「冬隣いつも身近にゐる不在」(『遠景』2024)(→鎌田透次685a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(冬隣・晩秋)
late autumn-
your absence is
always close to me / Touji
【作句メモ】:冬はもう間近だね いつも間近にいる君の不在との会話 冬はもう間近だよね いつも身近にいる君の不在との交信
○五感俳句671・振動覚9・齊藤久美子01・2024-10-21(月)
○「蔓引けば遠くの烏瓜揺るる」(『星月夜』2023)(齊藤久美子01)
○季語(烏瓜・晩秋)(「→ふらんす堂」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:手前の烏瓜が目当てであったのだが。その蔦(つた)は遠くの烏瓜につながっていたのだ。ぜひとも「次元俳句・空間」の「連結」のカテゴリーに欲しい俳句である。
○齊藤久美子(さいとうくみこ)
○好きな一句「ひと風の止みて穂絮の舞ひ上がる」(『星月夜』2023)02
○季語(穂絮・三秋)(引用同上)
【Profile】:1948年福岡県福岡市出身。2002年「円」入会、→岡部六弥太に師事。2003年「山火」入会、→岡田日郎に師事。2011年第21回「山火」新人賞受賞、「山火」同人。2017年第62回山火賞受賞。
○色彩俳句671・緋10・田島竹四01・2024-10-20(日)
○「緋連雀青畝師のこと語るべし」(『生きてゐて良かつた』2023)(田島竹四01)
○季語(緋連雀・晩秋)(「→朔出版」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「かつらぎ」の師である→阿波野青畝俳句のパロディー句。「緋連雀一斉に立つてもれもなし」(『萬兩』1931)(阿波野青畝06)。緋連雀たちよ。師のことを語るように鳴いておくれ。
○田島竹四(たじまちくし)
○好きな一句「もう立てぬ歩けぬ座る仏の座」(『生きてゐて良かつた』2023)02
○季語(仏の座・新年)(引用同上)
【Profile】:1925年京城府生まれ。1963年「かつらぎ」入門。阿波野青畝に師事。1975年「かつらぎ」同人。
○挿絵俳句670b・雁の夜の・透次684b・2024-10-19(土)
○「雁の夜の黒電話へと繋がりぬ」(『遠景』2024)(→鎌田透次684b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(無季)
yellow, green, black phone
from afterlife to this world
I'll answer your red phone call / Touji
【作句メモ】:都会から故郷へ黄色電話 四角い透明箱の中の緑電話 彼岸から此岸へ赤電話 今此岸から彼岸への黒電話が鳴る 雁の夜に
○特集俳句670・食事俳句1-4昼の飯・嶋田麻紀04・2024-10-18(金)
○「青空や目刺によごれ昼の飯」(→嶋田麻紀04)
○季語(目刺・三春)【→特集俳句-索引1・索引2・検索3・検索4・検索5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「青空」「目刺」「昼の飯」と普段使いの名詞が並ぶ。出来上った句も古風な味を持つ。今までの「目刺」を扱った句のいずれも俳人の人生を詠み込んだ境涯句が多い。
「風花のかかりてあをき目刺買ふ」(石原舟月)・「木がらしや目刺にのこる海のいろ」(『澄江堂句集』1927)(芥川龍之介)・「霞む日や洞然とある目刺の目」(『門』1955)(京極杜藻)・「人の死へ藁の匂ひの目刺食ふ」(新谷ひろし)・「独り焼く目刺や切に打返し」(篠原温亭)。