俳句の箱庭 top

お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

■挿絵俳句687b「春一番別れて同じ番台へ」(『遠景』2025)(鎌田透次)

2025-02-15 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句687b・春一番・鎌田透次701b・2025-02-15(土)
○「春一番別れて同じ番台へ」(『遠景』2025)(鎌田透次701b)【→Haiku and Illustrationへ →第15句集50句へ】
○季語(春一番・仲春)

the first wind of spring-
we part ways and head to
each public bath counter / Touji

【鑑賞】:今日は「春一番名付けの日」。線路に沿った商店街。西武池袋線練馬駅と桜台駅の中ほどにある銭湯へ。

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■特集俳句687「囀をこぼさじと抱く大樹かな」(『続立子句集第一』1947)(星野立子)

2025-02-14 04:56:00 | 特集俳句

○特集俳句687・抱腹絶倒俳句1抱・星野立子06・2025-02-14(金)
○「囀をこぼさじと抱く大樹かな」(『続立子句集第一』1947)(→星野立子06)
○季語(囀・三春)【→特集俳句-索引1索引2検索3検索4検索5検索6【→俳人一覧(いいいたせそちつてぬねむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:新特集は四字熟語の「抱腹絶倒」のそれぞれの1文字を含む俳句の模索。初回は「抱」。鳥の囀りを零さないように大樹は四方に枝葉を拡げている。大樹はその視線の高さからよく擬人化されるようだ。「落葉より立ち上りたる大樹かな」(『稲畑汀子俳句集成』2022)(稲畑汀子04)、「稲妻に立ち上りたる大樹かな」(『佐介』1950)(上野泰05)。

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■方法俳句687「沖へ出て霞むほかなき島の鐘」(秋光泉児)

2025-02-13 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句687・音の物質化19・秋光泉児01・2025-02-13(木)
○「沖へ出て霞むほかなき島の鐘」(秋光泉児01)
○季語(霞・三春)(「→ちわきの俳句の部屋」より引用)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえせそにぬねのはひめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:海上の霞へ拡がる島の鐘の音。霞の成分に染まる音。霞へ突っ込む音はもはや物質といってもいいのではないか。


○秋光泉児(あきみつせんじ)(1909-1992)
○好きな一句「廃船の深座りして十二月」02
○季語(十二月・仲冬)(「俳句小歳時記(水原秋櫻子編)」より引用)

【Profile】:広島県豊田郡出身。故郷・大崎上島豊町にて医院を開業。→水原秋櫻子に師事。1951年「早苗」創刊主宰。たびたび秋櫻子を島に迎えた。

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■色彩俳句687「白魚や和紙にうつすら月の色」(山口遼也)

2025-02-12 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句687・~色41・山口遼也01・2025-02-12(水)
○「白魚や和紙にうつすら月の色」(山口遼也01)
○季語(白魚・初春)(「→東京新聞・石田波郷俳句大会」より引用)(「→575筆まか勢」より引用)→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5】【→俳人一覧(いいいたうえくけこすせそちつてとにぬねのはひふへほむめも)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:「月の色」は何色であろうか。今夜は満月。アメリカ先住民の間では「スノームーン」と呼ばれていたとか。「雪の月」と「白魚」との取り合わせである。


山口遼也(やまぐちりょうや)
○好きな一句「遠足が鯨の墓に触れてゆく」02
○季語(遠足・三春)(「→東京新聞・石田波郷俳句大会」より引用)

【Profile】:1998年生まれ。京都府在住。「秋草」所属。第14回→石田波郷新人賞、第1回秋草よしきり賞受賞。

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■挿絵俳句687a「建国日一人のためのカート押す」(『遠景』2025)(鎌田透次)

2025-02-11 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句687a・建国日・鎌田透次701a・2025-02-11(火)
○「建国日一人のためのカート押す」(『遠景』2025)(鎌田透次701a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(建国日・初春)

national foundation day-
push a shopping cart
for myself alone / Touji

【作句メモ】:今日は「建国記念の日」。生きる為になすべきことは数多い。その一つである「食べる」ために一人のカートを押す。

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■五感俳句687「蕗の薹おもひおもひの夕汽笛」(『汀女句集』1944)(中村汀女)

2025-02-10 04:56:00 | 五感俳句

○五感俳句687・聴覚146・中村汀女04・2025-02-10(月)
○「蕗の薹おもひおもひの夕汽笛」(『汀女句集』1944)(→中村汀女04)
○季語(蕗の薹・初春)「二十世紀名句手帖③花と樹木の饗宴(齋藤愼爾編)(河出書房)」より引用【→五感俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけこすせそちつてとにぬねのはひふへほゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:「おもひおもひ」という言葉。思っている人が複数いるということである。その思いは違っていても同じでもよい。蕗の薹と夕汽笛に対するそれぞれの思いである。

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■次元俳句687「白梅のもっとも近きところまで」(『くちびる』2002)(漠夢道)

2025-02-09 04:56:00 | 次元俳句

○次元俳句687・近(空間)4・漠夢道01・2025-02-09(日)
○「白梅のもっとも近きところまで」(『くちびる』2002)(漠夢道01)
○季語(白梅・初春)(「→現代俳句名句選・季節別作品選/春」より引用)【→次元俳句-索引1索引2索引3索引4索引5忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(いたうえすせぬねへほみむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:掲句の「白梅」という季語以外の要素は「近い」ということだけである。「白梅」という言葉に対して「近い」という言葉は最も美しい願望のひとつである。


漠夢道(ばくむどう)
○好きな一句「独活小屋へゆくなら渡る橋がある」(『棒になる話』2017)02
○季語(独活・晩春)(「→俳諧師 前北かおる」より引用)

【Profile】:1946年北海道出身。1967-1970年東洋大学文学部国文学科在学中より、光栄堯夫氏と詩誌「L’ETRANGER」編集発行。1976年「朔日会」入選。1990年「桜狩短歌会」に入会し俳句作品を発表。

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■挿絵俳句686b「地の風に抗ふかたち片栗咲く」(『遠景』2025)(鎌田透次)

2025-02-08 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句686b・地の風に・鎌田透次700b・2025-02-08(土)
○「地の風に抗ふかたち片栗咲く」(『遠景』2025)(鎌田透次700b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(片栗の花・初春)

dogtooth violet flowers bloom
to resist wind
from the ground / Touji

【作句メモ】:片栗の花のを山で見たことがある。すべての花弁(はなびら)を空に跳ね上げて。

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■特集俳句686「春昼や魔法の利かぬ魔法瓶」(『暦日抄』1965)(安住敦)

2025-02-07 04:56:00 | 特集俳句

○特集俳句686・びんびん俳句1ー10瓶5・安住敦06・2025-02-07(金)
○「春昼や魔法の利かぬ魔法瓶」(『暦日抄』1965)(→安住敦06)
○季語(春昼・三春)(「角川俳句(201903)」より引用)【→特集俳句-索引1索引2検索3検索4検索5【→俳人一覧(いいいたせそちつてぬねむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:春昼の野良仕事ははかどっているか。お昼までもう一仕事。魔法は利かないがお湯が冷めないように魔法をかける魔法瓶である。

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■色彩俳句686「早春の地階の蔬菜鴇色まじゆ」(『朱卓』1956)(宮武寒々)

2025-02-06 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句686・鴇色2・宮武寒々03・2025-02-06(木)
○「早春の地階の蔬菜鴇色まじゆ」(『朱卓』1956)(→宮武寒々03)
○季語(早春・初春)(「→575筆まか勢」より引用)→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5】【→俳人一覧(いいいたうえくけこすせそちつてとにぬねのはひふへほむめも)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:まだ水の冷たい早春。半地下のような場所で蔬菜(そさい=野菜)を洗う。その中には鴇(とき)色の野菜も混じっている。蕪かラディッシュか。→和の色>鴇色(ときいろ)#f4b3c2

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