俳句の箱庭 top

お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

■挿絵俳句671b「輪一つ二つ三つと澄みわたる」(『遠景』2024)(鎌田透次)

2024-10-26 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句671b・輪一つ・透次685b・2024-10-26(土)
○「輪一つ二つ三つと澄みわたる」(『遠景』2024)(→鎌田透次685b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(音澄む・三秋)

the clear fall air
the sound of the Rin is clear
hit one, two, three / Touji

【作句メモ】:澄んだ大気。澄んだ空。そして澄み渡る輪(りん)の音。ふと見渡せば。亡き人たちが集う田園の只中の深夜映画館。

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■特集俳句671「旅人のひとりの昼餉萩の花」(『萬里』1997)(上野一孝)

2024-10-25 04:56:00 | 挿絵俳句

○特集俳句671・食事俳句1-5昼餉・上野一孝03・2024-10-25(金)
○「旅人のひとりの昼餉萩の花」(『萬里』1997)(→上野一孝03)
○季語(萩の花・初秋)(「俳句201705」より引用)【→特集俳句-索引1索引2検索3検索4検索5【→俳人一覧(いいいたせそちつてぬねふへむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:一人旅。どこか観光地の食事処で萩の花を愛でながら昼食をとっている。こんな心の余裕があればなあ。

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■方法俳句671「蒼穹の/末裔にして/仰ぐ/蒼穹」(『流寓のソナタ』2008)(中里夏彦01)

2024-10-24 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句671・多行形式4・中里夏彦01・2024-10-24(木)
○「蒼穹の/末裔にして/仰ぐ/蒼穹」(『流寓のソナタ』2008)(中里夏彦01)
○季語(無季)(「→俳句空間―豈weekly」より引用)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけせそにぬねのめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:短詩型の中に二度も出て来る「蒼穹」という言葉。そんな青空の下にいて空を仰ぐ自分もまた空の末裔であるのか。


中里夏彦(なかざとなつひこ)
○好きな一句「流寓の/ソナタか/われの/破綻調」(『流寓のソナタ』2008)02
○季語(無季)(引用同上)

【Profile】:1957年生まれ。大学在学中に「俳句研究」第6回50句競作に応募したことから→高柳重信に傾倒。同人誌「未定」に参加しながら多行形式による作品を書き継いでいる。

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■次元俳句671「霜降や人肌の席ゆづられし」(「沖」201101)(北川英子)

2024-10-23 04:56:00 | 次元俳句

○次元俳句671・二十四節気23霜降1・北川英子03・2024-10-23(水)
○「霜降や人肌の席ゆづられし」(「沖」201101)(→北川英子03)
○季語(霜降・晩秋)(「→俳誌のサロン>歳時記>霜降」より引用)【→次元俳句-索引1索引2索引3索引4索引5忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(いたうえぬねふへほむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:二十四節気の「霜降」。朝晩の冷え込みも厳しくなってきた。そんな時候にお尻に感じる温かさと優しさ。素直にありがたいと思う。

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■挿絵俳句671a「冬隣いつも身近にゐる不在」(『遠景』2024)(鎌田透次)

2024-10-22 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句671a・冬隣・透次685a・2024-10-22(火)
○「冬隣いつも身近にゐる不在」(『遠景』2024)(→鎌田透次685a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(冬隣・晩秋)

late autumn-
your absence is
always close to me / Touji

【作句メモ】:冬はもう間近だね いつも間近にいる君の不在との会話 冬はもう間近だよね いつも身近にいる君の不在との交信

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■五感俳句671「蔓引けば遠くの烏瓜揺るる」(『星月夜』2023)(齊藤久美子)

2024-10-21 04:56:00 | 五感俳句

○五感俳句671・振動覚9・齊藤久美子01・2024-10-21(月)
○「蔓引けば遠くの烏瓜揺るる」(『星月夜』2023)(齊藤久美子01)
○季語(烏瓜・晩秋)(「→ふらんす堂」より引用)【→五感俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけすせそつてとにぬねのはひふへほゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:手前の烏瓜が目当てであったのだが。その蔦(つた)は遠くの烏瓜につながっていたのだ。ぜひとも「次元俳句・空間」の「連結」のカテゴリーに欲しい俳句である。


齊藤久美子(さいとうくみこ)
○好きな一句「ひと風の止みて穂絮の舞ひ上がる」(『星月夜』2023)02
○季語(穂絮・三秋)(引用同上)

【Profile】:1948年福岡県福岡市出身。2002年「」入会、→岡部六弥太に師事。2003年「山火」入会、→岡田日郎に師事。2011年第21回「山火」新人賞受賞、「山火」同人。2017年第62回山火賞受賞。

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■色彩俳句671「緋連雀青畝師のこと語るべし」(『生きてゐて良かつた』2023)(田島竹四)

2024-10-20 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句671・緋10・田島竹四01・2024-10-20(日)
○「緋連雀青畝師のこと語るべし」(『生きてゐて良かつた』2023)(田島竹四01)
○季語(緋連雀・晩秋)(「→朔出版」より引用)【→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえけこすせそちつてとぬねのふへほむめゆ~)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:「かつらぎ」の師である→阿波野青畝俳句のパロディー句。「緋連雀一斉に立つてもれもなし」(『萬兩』1931)(阿波野青畝06)。緋連雀たちよ。師のことを語るように鳴いておくれ。


田島竹四(たじまちくし)
○好きな一句「もう立てぬ歩けぬ座る仏の座」(『生きてゐて良かつた』2023)02
○季語(仏の座・新年)(引用同上)

【Profile】:1925年京城府生まれ。1963年「かつらぎ」入門。阿波野青畝に師事。1975年「かつらぎ」同人。

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■挿絵俳句670b「雁の夜の黒電話へと繋がりぬ」(『遠景』2024)(鎌田透次)

2024-10-19 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句670b・雁の夜の・透次684b・2024-10-19(土)
○「雁の夜の黒電話へと繋がりぬ」(『遠景』2024)(→鎌田透次684b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(無季)

yellow, green, black phone
from afterlife to this world
I'll answer your red phone call / Touji

【作句メモ】:都会から故郷へ黄色電話 四角い透明箱の中の緑電話 彼岸から此岸へ赤電話 今此岸から彼岸への黒電話が鳴る 雁の夜に

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■特集俳句670「青空や目刺によごれ昼の飯」(嶋田麻紀)

2024-10-18 04:56:00 | 特集俳句

○特集俳句670・食事俳句1-4昼の飯・嶋田麻紀04・2024-10-18(金)
○「青空や目刺によごれ昼の飯」(→嶋田麻紀04)
○季語(目刺・三春)【→特集俳句-索引1索引2検索3検索4検索5【→俳人一覧(いいいたうえせそちつてぬねふへむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:「青空」「目刺」「昼の飯」と普段使いの名詞が並ぶ。出来上った句も古風な味を持つ。今までの「目刺」を扱った句のいずれも俳人の人生を詠み込んだ境涯句が多い。

風花のかかりてあをき目刺買ふ」(石原舟月)・「木がらしや目刺にのこる海のいろ」(『澄江堂句集』1927)(芥川龍之介)・「霞む日や洞然とある目刺の目」(『門』1955)(京極杜藻)・「人の死へ藁の匂ひの目刺食ふ」(新谷ひろし)・「独り焼く目刺や切に打返し」(篠原温亭)。

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■方法俳句670「鰯雲叩き売るもの地に拡げ」(『小山祐司集』1998)(小山祐司)

2024-10-17 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句670・不明37・小山祐司03・2024-10-17(木)
○「鰯雲叩き売るもの地に拡げ」(『小山祐司集』1998)(→小山祐司03)
○季語(鰯雲・三秋)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけせそにぬねのめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:地に拡げられた叩き売るものとは何か。寅さんをイメージした場合はバリエーションが多すぎる。とりえず季語の鰯雲からの関連で考えると「バナナ(三夏)」は除外されるか。

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