○挿絵俳句687b・春一番・鎌田透次701b・2025-02-15(土)
○「春一番別れて同じ番台へ」(『遠景』2025)(鎌田透次701b)【→Haiku and Illustrationへ →第15句集50句へ】
○季語(春一番・仲春)
the first wind of spring-
we part ways and head to
each public bath counter / Touji
【鑑賞】:今日は「春一番名付けの日」。線路に沿った商店街。西武池袋線練馬駅と桜台駅の中ほどにある銭湯へ。
○特集俳句687・抱腹絶倒俳句1抱・星野立子06・2025-02-14(金)
○「囀をこぼさじと抱く大樹かな」(『続立子句集第一』1947)(→星野立子06)
○季語(囀・三春)【→特集俳句-索引1・索引2・検索3・検索4・検索5・検索6】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:新特集は四字熟語の「抱腹絶倒」のそれぞれの1文字を含む俳句の模索。初回は「抱」。鳥の囀りを零さないように大樹は四方に枝葉を拡げている。大樹はその視線の高さからよく擬人化されるようだ。「落葉より立ち上りたる大樹かな」(『稲畑汀子俳句集成』2022)(稲畑汀子04)、「稲妻に立ち上りたる大樹かな」(『佐介』1950)(上野泰05)。
○方法俳句687・音の物質化19・秋光泉児01・2025-02-13(木)
○「沖へ出て霞むほかなき島の鐘」(秋光泉児01)
○季語(霞・三春)(「→ちわきの俳句の部屋」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:海上の霞へ拡がる島の鐘の音。霞の成分に染まる音。霞へ突っ込む音はもはや物質といってもいいのではないか。
○秋光泉児(あきみつせんじ)(1909-1992)
○好きな一句「廃船の深座りして十二月」02
○季語(十二月・仲冬)(「俳句小歳時記(水原秋櫻子編)」より引用)
【Profile】:広島県豊田郡出身。故郷・大崎上島豊町にて医院を開業。→水原秋櫻子に師事。1951年「早苗」創刊主宰。たびたび秋櫻子を島に迎えた。
○色彩俳句687・~色41・山口遼也01・2025-02-12(水)
○「白魚や和紙にうつすら月の色」(山口遼也01)
○季語(白魚・初春)(「→東京新聞・石田波郷俳句大会」より引用)(「→575筆まか勢」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「月の色」は何色であろうか。今夜は満月。アメリカ先住民の間では「スノームーン」と呼ばれていたとか。「雪の月」と「白魚」との取り合わせである。
○山口遼也(やまぐちりょうや)
○好きな一句「遠足が鯨の墓に触れてゆく」02
○季語(遠足・三春)(「→東京新聞・石田波郷俳句大会」より引用)
【Profile】:1998年生まれ。京都府在住。「秋草」所属。第14回→石田波郷新人賞、第1回秋草よしきり賞受賞。
○挿絵俳句687a・建国日・鎌田透次701a・2025-02-11(火)
○「建国日一人のためのカート押す」(『遠景』2025)(鎌田透次701a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(建国日・初春)
national foundation day-
push a shopping cart
for myself alone / Touji
【作句メモ】:今日は「建国記念の日」。生きる為になすべきことは数多い。その一つである「食べる」ために一人のカートを押す。
○五感俳句687・聴覚146・中村汀女04・2025-02-10(月)
○「蕗の薹おもひおもひの夕汽笛」(『汀女句集』1944)(→中村汀女04)
○季語(蕗の薹・初春)「二十世紀名句手帖③花と樹木の饗宴(齋藤愼爾編)(河出書房)」より引用【→五感俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「おもひおもひ」という言葉。思っている人が複数いるということである。その思いは違っていても同じでもよい。蕗の薹と夕汽笛に対するそれぞれの思いである。
○次元俳句687・近(空間)4・漠夢道01・2025-02-09(日)
○「白梅のもっとも近きところまで」(『くちびる』2002)(漠夢道01)
○季語(白梅・初春)(「→現代俳句名句選・季節別作品選/春」より引用)【→次元俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5・忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:掲句の「白梅」という季語以外の要素は「近い」ということだけである。「白梅」という言葉に対して「近い」という言葉は最も美しい願望のひとつである。
○漠夢道(ばくむどう)
○好きな一句「独活小屋へゆくなら渡る橋がある」(『棒になる話』2017)02
○季語(独活・晩春)(「→俳諧師 前北かおる」より引用)
【Profile】:1946年北海道出身。1967-1970年東洋大学文学部国文学科在学中より、光栄堯夫氏と詩誌「L’ETRANGER」編集発行。1976年「朔日会」入選。1990年「桜狩短歌会」に入会し俳句作品を発表。
○挿絵俳句686b・地の風に・鎌田透次700b・2025-02-08(土)
○「地の風に抗ふかたち片栗咲く」(『遠景』2025)(鎌田透次700b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(片栗の花・初春)
dogtooth violet flowers bloom
to resist wind
from the ground / Touji
【作句メモ】:片栗の花のを山で見たことがある。すべての花弁(はなびら)を空に跳ね上げて。