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お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

■色彩俳句678「硝子戸の息にくもりて漱石忌」(宇佐美魚目)

2024-12-09 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句678・曇り3・宇佐美魚目06・2024-12-09(月)
○「硝子戸の息にくもりて漱石忌」(→宇佐美魚目06)
○季語(漱石忌・仲冬)(「今はじめる人のための俳句歳時記新版(角川学芸出版)」より引用)→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5】【→俳人一覧(いいいたうえくけこすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもゆ~)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:色彩の「曇り」第3弾。光沢のある物の曇りは「→塗下駄の曇り」に次いで2句目。今日は→夏目漱石の忌日(1916)。

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■色彩俳句677「残り火の艶まだありし牡丹焚」(大森三保子)

2024-12-04 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句677・艶3・大森三保子03・2024-12-04(水)
○「残り火の艶まだありし牡丹焚」(→大森三保子03)
○季語(牡丹焚・初冬)(「→俳句季語一覧ナビ>艶を使用した俳句」より引用)→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5】【→俳人一覧(いいいたうえくけこすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもゆ~)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:たとへ燃え尽きて残り火となっても牡丹はその「艶」を失ってはいない。さてこの「艶」。「えん」と読むか「つや」と読むか。それは句の醸し出す雰囲気で決まるのではないか。「→蛇の艶(えん)見てより堅き乳房もつ」(河野多希女)。「→昃(ひかげ)れば凄じき艶(えん)滝桜」(鈴木貞雄)。「→山国の闇に艶(えん)ある木の芽どき」(松村武雄)。「→巡り終へ遍路の杖の握り艶(つや)」(山口誠)。「→手に受けて象牙の艶(つや)の今年米」(栗田やすし)。「→かんばせに歳月の艶(えん)古雛」(阪田昭風)。「→艶(つや)唄を胡弓のむせぶ風の盆」(船平晩秋)。「残り火の艶(えん)まだありし牡丹焚↑」(大森三保子)。物(もの)にかかる艶は「つや」と読ませるようだが、その場で判断するべきものである。

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■色彩俳句676「しぐるるや滅紫の嵐山」(『中今』2020)(髙橋健文)

2024-11-27 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句676・滅紫1・髙橋健文03・2024-11-27(水)
○「しぐるるや滅紫の嵐山」(『中今』2020)(→髙橋健文03)
○季語(しぐるる・初冬)(「→俳諧師 前北かおる」より引用)→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけこすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもゆ~)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:色彩の「滅紫(けしむらさき)」は初出。灰みのある暗い紫色。→日本の伝統色滅紫」#594255。時雨て煙る嵐山の色彩の発見である。

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■色彩俳句675「白銀に又銀鼠に八つ手咲く」(『負暄』1986)(相生垣瓜人)

2024-11-19 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句675・銀鼠2・相生垣瓜人04・2024-11-19(火)
○「白銀に又銀鼠に八つ手咲く」(『負暄』1986)(→相生垣瓜人04)
○季語(八つ手の花・初冬)(「→575筆まか勢>色の俳句」より引用)【→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえけこすせそちつてとぬねのふへほむめゆ~)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:掲句の読みは「しろがねにまたぎんねずにやつでさく」と解釈する。八手の花の白銀と銀鼠。単なる白とは捉えない色彩の発見である。「→日本の伝統色=銀鼠(#afafb0)

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■色彩俳句674「枯れてなほ蟷螂の眼に夢の色」(『甘雨』2017)(兼久ちわき)

2024-11-12 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句674・心象色14夢色・兼久ちわき01・2024-11-12(火)
○「枯れてなほ蟷螂の眼に夢の色」(『甘雨』2017)(兼久ちわき01)
○季語(蟷螂枯る・初冬)(「→ふらんす堂編集日記By YAMAOKA Kimiko」より引用)【→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえけこすせそちつてとぬねのふへほむめゆ~)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:「蟷螂枯る」とは蟷螂(とうろう・かまきり)が枯色となって死に至る過程。しかしその眼は夢の色を失ってはいない。「夢の色」は「→一炊の夢の色ともねぶの花」(菅原多つを)に次いで2句目。


○兼久ちわき(かねひさちわき)
○好きな一句「英彦山の甘雨余さず稲実る」(『甘雨』2017)02
○季語(稲・三秋)(引用同上)

【Profile】:1944年福岡県出身山口県宇部市在住。1987年「早苗」に初投句。1989年「馬酔木」に投句。1993年「早苗菖」を受賞。「早苗」「馬酔木」同人。

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