○色彩俳句677・艶3・大森三保子03・2024-12-04(水)
○「残り火の艶まだありし牡丹焚」(→大森三保子03)
○季語(牡丹焚・初冬)(「→俳句季語一覧ナビ>艶を使用した俳句」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:たとへ燃え尽きて残り火となっても牡丹はその「艶」を失ってはいない。さてこの「艶」。「えん」と読むか「つや」と読むか。それは句の醸し出す雰囲気で決まるのではないか。「→蛇の艶(えん)見てより堅き乳房もつ」(河野多希女)。「→昃(ひかげ)れば凄じき艶(えん)滝桜」(鈴木貞雄)。「→山国の闇に艶(えん)ある木の芽どき」(松村武雄)。「→巡り終へ遍路の杖の握り艶(つや)」(山口誠)。「→手に受けて象牙の艶(つや)の今年米」(栗田やすし)。「→かんばせに歳月の艶(えん)古雛」(阪田昭風)。「→艶(つや)唄を胡弓のむせぶ風の盆」(船平晩秋)。「残り火の艶(えん)まだありし牡丹焚↑」(大森三保子)。物(もの)にかかる艶は「つや」と読ませるようだが、その場で判断するべきものである。
○色彩俳句674・心象色14夢色・兼久ちわき01・2024-11-12(火)
○「枯れてなほ蟷螂の眼に夢の色」(『甘雨』2017)(兼久ちわき01)
○季語(蟷螂枯る・初冬)(「→ふらんす堂編集日記By YAMAOKA Kimiko」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「蟷螂枯る」とは蟷螂(とうろう・かまきり)が枯色となって死に至る過程。しかしその眼は夢の色を失ってはいない。「夢の色」は「→一炊の夢の色ともねぶの花」(菅原多つを)に次いで2句目。
○兼久ちわき(かねひさちわき)
○好きな一句「英彦山の甘雨余さず稲実る」(『甘雨』2017)02
○季語(稲・三秋)(引用同上)
【Profile】:1944年福岡県出身山口県宇部市在住。1987年「早苗」に初投句。1989年「馬酔木」に投句。1993年「早苗菖」を受賞。「早苗」「馬酔木」同人。