【朝ドラ「ちむどんどん」に關する記事を讀んで】
「『ちむどん』最終週でまさかの主役交代を画策!11月には歌子のスピンオフドラマも予定」と云ふタイトルの記事(※一)を、「Yahoo!ニュース」が取上げてゐるやうです。「女性自身」の記事を「Yahoo!ニュース」が扱つてゐるもので、そのニューズにコメントをする「ヤフコメ民」のコメントは頗る獨善的で、みづからを疑はない在り方は、「5ちゃんねる」の聯中と「雙璧」を成してゐると私は考へてゐます。
また、「女性自身」を始め、女性週刊誌の多くに就いて、その見出しのみを今迄、長年、目にして來た限りですと、反皇室的な文言が多いと云ふ印象を私は抱いてゐます。また、最近の記事に就いて、とある「女性自身」の記事(※二)を「赤旗」の記事であると紹介しても、誰も疑ひはしないだらう、と云ふやうな事を、白川司さんは發言されてゐます。(※二)の記事に關しては私も讀みましたが、之は反共に對する批判的な記事と化してをり、皇室に就いては、一見、敬ふやうな内容に見えるものゝ、その實、皇室に關して、ネガティヴなイメイジを植ゑ附ける事を意圖してゐるのではないか、と疑ふ事が出來る内容、乃至は書き方、言葉の竝べ方であると云へます。
とまれ、この記事では、政治や皇室に就いて語る事が目的ではありません。上述しましたやうな嫌惡感を私は、「女性自身」に就いては抱いてゐますが、朝ドラ「ちむどんどん」に就いての記事に關して、私は色々な事を考へました。
まづ何より、最初に引用したやうなタイトルの記事を書かれて、同作のヒロイン・比嘉暢子を演じた黒島結菜さんが氣の毒ではないか、と私は思ひました。また、同記事には、このやうな記載があります――(以下、略字新假名は引用文)。
「智は“姉の暢子がダメなら妹の歌子”という感じですし、歌子も体が弱い設定であるのはわかりますが、脚本のせいで“サボリ”にも見えてしまいます。歌子は暢子の店で働くことになりましたが、人手不足のところに都合よく上京するなんて『ありえん!』『まさかや~!』なことばかりです」
――テレヴィウォッチャーとか云ふこの女性が、このやうに同作を批判してゐますが、「姉の暢子がダメなら妹の歌子」なんて云ふ在り方は、このテレヴィウォッチャーの感想であり、(子供篇の際)智は、歌子に手作りのメダルを上げて、「歌子が一番」と云つてゐる處から、將來に亙つて、この二人には何らかの關係が生じて行く事が豫見されてゐますから、決して、智は消去法のみで歌子へ……と云ふ訣ではないのです。また、このドラマの登場人物達は、Typicalな存在であるのが特徴です。優しいけれども、それが行き過ぎて子供達に悉く甘い母親・優子、「賢秀」と云ふ名前とは正反對の存在で、何時まで經つても家族に迷惑をかける長男・賢秀、眞面目だけれども、柔軟性に缺ける長女・良子、伸び伸びした存在であるのはいゝけれども、猪突猛進な處がある次女・暢子、歌の才能はあるけれども、病弱な爲、消極的な性格である三女・歌子、と云ふやうにです。比嘉家の面々は、例外なく缺點を有してをり、その缺點の爲、視聽者の一定數は、嬉々として、彼等彼女等を笑ふのですが、さう云ふ「貴方達」にしても(勿論、この私も)、人間である限り、例外なく、缺點を有してゐるのです。その自覺があるのかないのかで、「ちむどんどん」を觀る見方が變ります。
「都合よく上京する」なんて云ひますが、かう云ふ人達にとつては、何やら自然な感じの御話を求めてゐるのでせうか……? ドラマや映畫に就いて、その内容が氣に入らないばあひ、多くの人々は、それを「ご都合主義」だと批判する傾向がありますが、ならば、「ご都合主義」だと云はれる事を完全に免れてゐる御話は、この世に存在するでせうか……? 實在する人物に據る實話だとしても、それが實話だと隱して置いて、その御話を小説にするなり、ドラマや映畫にするなりすれば、「こんな事はあり得ない」、「ご都合主義だ」と批判する聯中は必ず出て來るでせう。結局、何がご都合主義で、何がさうではないか、なんて云ふ明確な定義などなく、視聽者なり讀者なりの主觀によつて、氣に食はない御話に對しては、人は氣樂に「ご都合主義」だと云つて了ふだけの話です。
大體、「テレヴィウォッチャー」なんて云ふ肩書は、社會性を有した存在なのでせうか。私にして見れば、テレヴィを觀てゐる大衆の一人ぐらゐにしか思へません。この方のコメントを讀む限りではです。尤もドラマを觀るのは、大衆でせうし、「女性自身」の讀者には、そのやうな人々が澤山ゐるのでせうから、さう云ふ人達の代表ではなく一人としてコメントをするのが、「テレヴィウォッチャー」と云ふ人なのでせうし、隨分と氣樂な存在なのでせう。そして、今はさう云ふ一人一人が發言出來る時代です。
然し、それは素人の單なる感想であり、批評ではないのです。ドラマに限らず、政治に就いても、文學に就いても、宗教に就いても、世の中の全てに就いて云へる事でせうが、今の世の中には、プロがゐません。專門家として、論理に基いて、批評出來る人がゐない、子供許りの國、それが今日の日本國です。
たゞし、「矢張りな」と私が思ふ事も書いてありました。私は、「ちむどんどん」の比嘉家に就いて知つた時から、この朝ドラは「若草物語」がモデルでは、と書いて來ましたが、以下に引用する文章から、それは慥かなやうです――。
「作者の羽原大介さんは、今回の『ちむどんどん』創作にあたり、4姉妹を描いたアメリカ文学『若草物語』を参考にしたそうです。内気で音楽好きな歌子は、この物語に登場する三女のベスにそっくり。個性の強い良子(川口春奈)や賢秀、暢子に囲まれるなか、場を和ませるような癒しの存在です。ドラマ内では数少ない感情移入しやすいキャラクターでしょう。
また、前作の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』では、萌歌さんの姉・萌音さん(24)がヒロインを演じたこともあり、萌歌さんも視聴者から好まれるヒロインの素質を持ち合わせていると思います」(前出・テレビ誌ライター)
――私は、歌子こそが、「ちむどんどん」に於ける個人的なヒロインだと書いて來ましたが、以下のやうな文章を讀むと、その内容を素直に喜んでいゝのかどうか惱みます――。
視聴者からの耳の痛い指摘が続くなか、実は最終回に向けて“大きな方向転換”があるという。
「クライマックスに向け、視聴者からの好感度が比較的高い歌子を事実上の主人公として描き、智との結婚の行方を軸に撮影を行ったといいます」(NHK関係者)
ここにきての“歌子推し”は最終週だけにとどまらない。前出のNHK関係者は言う。
「歌子を主演とした“特別編”が放送される予定です。比嘉家の4きょうだいによるトークも収録したスペシャルドラマだといいます。朝ドラのスピンオフは過去にも制作されてきましたが、制作サイドとしては“汚名返上”したい気持ちが強いようです。放送は11月ごろになるでしょう」
――「歌子推し」の一人である私にとつては樂しみな話である一方、何だか、先述しましたやうにヒロインである暢子を演じられた黒島結菜さんが氣の毒だと思ひます。藝能界に限らず、何にせよ、仕事をするのであれば、プロであらねばならず、時には嚴しい評價が下されて了ふのが、人の世ではありませう……。然し、黒島さんとて、まだ/\將來がある女優さんです。もう少し優しい記事を書けないものか、いや/\、嚴しい事でも理に適つてゐれば、それを受容れる必要があります。が、安全地帶に立つてゐる無責任な素人達に據る、感想に過ぎない「酷評」を受けて、一人の人物に關するキャリアが影響を受けて了ふならば、それは健全な在り方とは云へないでせう。本來、その邊、何は書いても良くて、何は書いてはならないか、その峻別を行ふのが、文章に携るプロの仕事です。が、所詮は女性週刊誌、素人の集まりなのか、大衆のルサンチマンに訴へる商賣をしてゐるのか……。いづれにせよ、かう云ふ記事を書く雜誌は、社會に於て、有用だとは云へないです。まあ、無駄なものも社會には必要だと云はれゝば、それ迄ですが。
#ちむどんどん #若草物語
(※一)
『ちむどん』最終週でまさかの主役交代を画策!11月には歌子のスピンオフドラマも予定(女性自身) - Yahoo!ニュース
《暢子という役を1年間やりきれたことはすごく幸せでした。大変な時期もありましたが、撮影現場に行きたくないと思う朝は一度も無くて、毎日ここに来て作品を作ることがとて...
Yahoo!ニュース
(※二)
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