昨日(令和4年6月5日、日曜日)、廣島縣廿日市市宮島町にあります「宮島 レ・クロ」さんにて、御晝を頂きました。此方は、安藝の #宮島 にくらゐする #イタリア料理 の御店です。
「安藝の宮島」と云ひますと、日本國内に於ても、世界的にも、有名な觀光地と云ふ扱ひですが、子供の頃の私にとつては、家族と少し遠出する際に於ける目的地の一つと云ふ扱ひです。コロナ禍以前、日本全國に於て、海外からの御客樣が多かつたのは事實ですが、廣島都市圈に就いては、アジア系の方々よりも欧米系の方々が多くたづねてゐたやうです。
それは扠措き、御店は町家通りにありますが、この通りは、少し奧にある爲、たづねる人は比較的少い筈です。多くの人達は、嘗てはテントが張られてゐた土産店が數多く軒を竝べる表通りをとほるのみでせうから……。
斯く云ふ私も、何年か振りに町家通りをとほりましたが、落著いた感じのセンスが良さゝうな御店が新たに何軒か出來てゐて、驚きました。「宮島 レ・クロ」さんに就いては、御店の公式サイトにアクセスして、ウェブにて豫約を行ひました。ウェブ豫約をした後日、御店より電話がかゝつて來、豫約の詳細に就いて、御店の方(恐らくはシェフ)に傳へたのが、5月中旬の事でした。
本日は「コースC」(5,500圓)を豫約して、二名で伺ひました。その本日は、ランチでも豫約の方のみの利用との事で、人氣の程が窺へます。豫約の際は、御店のInstagramや公式サイトにアクセスして見て下さい。
御店は、嘗ての古民家を改裝したものと思はれますが、宮島に於ける昔ながらの建物と云へば、細長い面積の家を思ひ浮かべて了ひ勝ちですが、此方は可也廣い、御庭附きの邸宅です。私達は窗際の席に坐る事が出來ましたから、その御庭の紫陽花なども樂しむ事が出來ました。
御料理ですが――
アミューズ
前菜
玉蜀黍の冷製スープと大盛りフォカッチャ
本日のPasta(あなごのペペロンチーノ、たこと夏野菜のトマトソース、海老とマッシュルームのクリームソースから一皿)
本日のお魚(鱸)
本日のお肉(牛のランプ)
デザート(私は「苺のパンナ・コッタ」を選擇)とコーヒー(もしくは紅茶)+サーヴィスの自家製クッキー
――と云ふ構成です。途中で、「白」と「赤」(グラスワイン。それぞれ600圓)を一杯づつ頂きました。左記、上述しましたメニューに就いて、詳しくは何時ものとほり、畫像を御覽下さい。「百聞は一見に如かず」と申しますから。
全體的な印象としましては、御料理に就いては、Classicalな、奇を衒ふ事がない、正統派のイタリア料理です。その邊、五十年以上のキャリアを有してをられるシェフの在り方が顯はれてゐると云へるのかも知れません。また、上述しましたやうに、御店の雰圍氣も、頗るモダンで好印象です。
少し殘念だつたのがホールの方々による接客です。コロナの爲、マスクを著用しての接客は仕方ないのかも知れませんが、それならば、マスクを著用してゐる事を考慮して、接客をして欲しいです。要は、マスクを著用したうへで、小さな聲による説明であると、その【聲が殆ど聽こえません】。そのうへ、【やゝ早口】であるから、尚更、聲が聽き難いのです。加へて、昨今、NHKのアナウンサーにも見受けられる「なります病」が氣になりました。「なります病」とは私の造語ですが、「あなごのペペロンチーノです(で御座います)」と云ふべき言葉を、「あなごのペペロンチーノになります」と云つて了ふ言葉遣ひです。後は、一人に説明したら、もう一人には説明しないのも不親切ですね。それではなくとも、左記しました理由で、聲が聽こえ難いのですから、對面にゐる人間は、それ以上に聽こえ難いのです。
以上、接客に關して擧げた點は、何もこの御店のみにて見受けられる事柄ではなく、東京都の御店に於ても見受けられる事柄です。加へて、之は私の持論ですが、接客と云ふのは、演戲だと思ひます。それもドラマや映畫に於ける演戲ではなく、舞臺に於ける演戲が理想だと私は思ひます。はつきりと分り易くが大前提であり、客のまへで耻づかしがらない事です。
【アミューズ】
「カラフルトマトのテリーヌ」と「生ハムメロン」です。矢張り、この時期、トマトとメロンとは美味しいですね。二種類とも、スッキリとした風味ながらも、素材特有の甘みも適度に感ぜられます。
【前菜】
前菜は四種類です。「野菜のマリネ(酢の物)」、「キッシュ」、「何らかのポークのパテ(?)」、今が旬である「シマアヂのカルパッチョ」です。月竝な云ひ方ではありますが、いづれも美味しいです。殊にキッシュは、パサつく感じもなく、温かみも感ぜられて、ちやうどいゝ鹽梅である甘みが特徴的です。後は、矢張り、シマアヂは、臭みもなく、適度にコリ/\としてゐて、濃厚な味はひです。
上述しましたアミューズと前菜は、「白」を飮みながら頂きました。
【玉蜀黍の冷製スープと大盛りフォカッチャ】
フォカッチャは燒立てでほか/\してゐますし、詳しい味は忘れましたが、それ自體、味が濃厚です。朝食として、このフォカッチャとホットコーヒーだけ頂いても、滿足出來さうなぐらゐです。前菜の皿に殘つてゐたオリーヴオイルを、フォカッチャに附けて食べると、之また旨いです。「玉蜀黍の冷製スープ」も、當り前のやうに美味しいです。生意氣な事を申し上げるやうですが、この御店の方は、料理の際、足し算だけではなく、適度に引き算が出來ると云ふ感じです。
【本日のPasta「あなごのペペロンチーノ」】
本日のPastaは「あなごのペペロンチーノ」を選擇しました。矢張り、宮島と云へば、まづはあなごと云ふ單純な理由です。後は、 #朝ドラ 「 #ちむどんどん 」でも描かれてゐましたが、「ペペロンチーノ」は誤魔化しやうがないメニューの爲、料理人の力量が分るとか……。とは云へ、私は、トマトソースパスタを擇ぶばあひが多く、ペペロンチーノを澤山食べてゐる訣ではありませんが、之ほど迄に重層的な風味を有してゐるペペロンチーノを食べたのは初めてです。あなごも矢張り美味しいですね。他の御客には、パスタに就いて、かたいと云つてゐるらしき人がゐたやうに記憶しますが、アルデンテの状態で茹でられたうへで、私達に運ばれて來たものと推察されて、ちやうど良かつたと思ひます。
パスタの後ぐらゐに、「赤」のグラスワインを追加しました。
【本日のお魚(鱸)】
メインとして定番である「鱸のポワレ」です。「皮目はカリッと香ばしく、中はふつくらとやはらかく仕上げる」と云ふ風に解説される調理方法ですが、「宮島 レ・クロ」さんのポワレは、正にポワレの御手本と云ふべき仕上がりです。ソースも付合せの野菜も、主役である鱸を引立てる名脇役に徹してゐます。
【本日のお肉(牛のランプ)】
柔らかく、頗るアッサリとした赤身が特徴であるランプのステーキです。ソースも上品ですし、矢張り、「赤」との相性は拔群です。加へて、付け合せの馬鈴薯が美味しくて驚きました。矢張り、メインとしてステーキはお決まりですし、その付け合せとしての馬鈴薯もお決まりですね。
【デザート(私は「苺のパンナ・コッタ」を選擇)とコーヒー(もしくは紅茶)+サーヴィスの自家製クッキー】
パンナ・コッタ、ホットコーヒー共に美味しく頂けました。
【總評】
久し振りに安藝の宮島をたづねて、素敵な雰圍氣のもと、美味しいイタリア料理の #コース を頂けて、頗る滿足です。御馳走樣でした。
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