二本足の學者を目指して

賢を見ては齊しからん事を思ふ

【文學者としての矜持】

2024-10-27 17:54:32 | 文學、精神、そして魂

【文學者としての矜持】

T・S・エリオットは、みづからの政治的な行動と云へば、投票ぐらゐのものだと云ふ風に語つた。彼程の頗る偉大な文學者であれば、可也の影響力をその發言に附す事が出來ただらうに。謙虚だとか賢いとかさう云ふ話ではなく、彼は文學にこそ信を置き、政治を過信しなかつたのだ。

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【若かりし頃】

2024-10-27 15:37:28 | 文學、精神、そして魂

【若かりし頃】

早大生時代の俺が、今の俺を見れば、思切り嗤ふだらう。嘗ての俺は、みづからを含めて、總てに就いて信ずる事がなかつた。それゆゑに苦しむ事や裏切られる事なんざ皆無だつたのだから。

若かりし頃の僕に理想がなかつた訣ではない。決して「無」だつた訣ではない。僕は「罪と罰」のラスコーリニコフや「惡靈」のスタヴローギンに憧れてゐた。中年になつた今としては、最早、大言壯語である。

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【批評は詩情を介したラヴレターである】

2024-10-13 08:13:02 | 文學、精神、そして魂

【批評は詩情を介したラヴレターである】

批評と云ふものも、その誰かに對してのラヴレターでありたい、と僕は思ふ。日本國には、叩く事が批評だと勘違ひしてゐる聯中が、昔も今も餘りにも多いと云ふ印象だが。實際、小林秀雄の文章は、愛や愛をとほり超しての詩情のやうなものに仕上つてゐなかつただらうか。

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【人間と法とそして……】

2024-09-01 19:19:28 | 文學、精神、そして魂

【人間と法とそして……】

法治國家に於て、法とは犯罪の抑止たり得るだらうか。大體に於て、抑止たり得るだらう。

が、萬事、例外がある。譬へば、アイツを殺す事が出來るなら、アイツラを殺す事が出來るなら、俺の命なんざ安いものだし、アイツ(ラ)を殺す事が俺の人生の目標だ、と思ひ定めてゐる意志が強固な人間に對して、法は無力ではないのか。

だからこそ、信仰や魂と云ふ事を、長年、人間は考へて來たのかも知れない。

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【決意】

2024-08-08 10:10:39 | 文學、精神、そして魂

【決意】

「學ぶ」とは「眞似ぶ」から來てゐると云はれる。僕は一册も本を出してゐないけど、批評に關しては松原正さんのそれを眞似してゐる。それは奇を衒ふ事なく、眞正面から人間に向合ふと云ふもの。さう云ふスタイルで人生に於て、一册は本を出したい。

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【人生の目標】

2024-08-03 12:44:14 | 文學、精神、そして魂

【人生の目標】

自分が朝ドラ「あまちゃん」のユイちやんのやうになるのは困る、と思ふ私です。ユイちやんは、そのアイドルとしての能力に疑ひはないものゝ、つひに上京が叶はなかつたキャラクター。私自身もさうなるやうでは困るのです。

では何故、私は東京へ歸る事に拘るのか。私は人生に於て、一册は本を出したいと考へてゐます。と云つて、私は職業作家にならうとは思はない。出來る限り働き乍ら、自分が書くと云ふ「仕事」を續けたい。書く爲に私は暮らしたいし、その書く爲には東京にゐるのが最善と考へられるから、私は東京へ歸りたいのです。

東京にゐて、樣々な事柄を觀る必要があるからです。「見る」ではなくて、「觀る」なのです。そして、私は樣々な事柄に對して、常にリスペクトを忘れずにゐたいのです。

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【かをりと男女】

2024-07-28 09:09:36 | 文學、精神、そして魂

【かをりと男女】

金原ひとみの「ミーツ・ザ・ワールド」を讀み止しにしてゐる。最近、何故か讀書が捗らないのだが、それは扨置き、その金原の同作にせよ、白石一文の幾つかの作品にせよ、人のかをりに就いて言及されてゐる。

また、どちらも「セックス」と云ふ言葉が多用されてゐる。私は以前、餘りかをりに就いて深く考へる事はなかつた。全身用の微香なボディローションは長年、使用してゐるものゝ。

現在放送中の大河ドラマ「光る君へ」もセックスに就いての描寫が多く、今後、和泉式部が登場すれば、その傾向は強まるかも知れない。そして、あの時代は、かをりも重要な要素だつた筈だ。テレヴィドラマでかをりが表現される事は少いとは思ふが……。

歌に就いて、ちやんと調べた事はないが、日本の歌と云ふのは、かをりが扱はれると云ふ印象が強いし、男女に就いて歌ふのは、餘りにも當り前だらう。

日本の歌にせよ、モダンな詩にせよ、それは人間の在り方、男女の在り方を抽象化して、美的な言葉へと昇華させたものだ。今日、何にせよ具體的に、簡單にと云ふ事が日常では求められるが、實はそれこそが、今日の日本人達の多くが、その言葉が貧相になつてゐる證據である。

いはゞ、今日に於ける日本人の多くが具體性とやらに支配されて、ポルノ化してゐるのだ。人の在り方に於て、抽象性に向けて歩み、みづからの言葉を美化する生業を、私達の多くは取戻さないと行けない。

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【明治大正昭和の文豪達】

2024-07-23 09:40:36 | 文學、精神、そして魂

【明治大正昭和の文豪達】

きのふの美波ちゃんのInstagramストーリーズに起因して思ひ浮かべたのは、男には何處か美女にやられて見たいと云ふ氣持があると云ふ事。その度合が強くなると性倒錯に至る訣だが、それを描いたのが谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」。正直、僕だつて「俺のまさみ」に……なんて不圖思ふ事がある。

谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」――Wikipedia

瘋癲老人日記 - Wikipedia

然し、詳述は出來ないけれども、明治大正昭和の文豪達なんて變態許りだよな。俺なんてホントフツーだよ、多分(´・ω・`)

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【賢人との會話】

2024-07-05 09:37:46 | 文學、精神、そして魂

【賢人との會話】

「自分の頭で考へろ」と世間に對してポストしてゐる人は、何であんなに偉さうなのか。僕は何かに就いて考へるとして、漱石ならどう考へるか、ドストエフスキイならどう考へるか、ニーチェならどう考へるか、福田恆存ならどう考へるか、と云ふ風に思考を巡らせます。自分なんてものが偉い筈がない。

まあ、「自分の頭で考へろ」とは、何處かで松原正さんも仰有つてゐたとは記憶しますが、松原さんのばあひ、古今東西の賢人との會話も重視した方だと僕は理解してゐる心算です。

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【漱石の個人主義】

2024-07-03 21:42:59 | 文學、精神、そして魂

【漱石の個人主義】

今日云はれるやうな我儘な在り方ではなく、個人が自律した在り方を、漱石は自分の個人主義だと語りましたが、そのやうな在り方は、その漱石本人が云つてゐるやうに、何處か寂しい在り方であります。

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