青空ーすべてはバランス

アトピー性皮膚炎の重症化の理由

2024年5月29日(水)昨日は大雨警報が出て大分雨が降った。県内でも24時間の雨量が100㎜を超えた地域もある。各地でも大雨が降ったようです。今日は雨も上がり、青空が広がりましたが、山の方は黒い分厚い雲で覆われてます。

アトピー性皮膚炎ではステロイドの塗り薬が悪魔のように思われて大変な社会現象になった時期があるが、今もそれを引きずって、塗り薬でも怖いと思っている人がいる。

正しい塗り方

正しい塗り方を続けて、その間に食生活だとか生活態度を改めて腸内環境を改善していくことがベストなのだが、なかなかこれができない。
アトピーの場合、炎症を起こしている皮膚はでこぼこしている。
 ←青が皮膚 赤が薬
薬が足りないと、でこぼこの皮膚のてっぺんに薬が塗れていない。これじゃ塗った意味がないし、治らない。そして重症化する。
怖いから薬の量を少なくして塗っている人は、塗り方が正しくないので治らない。本当は先生が塗り方や塗る量を指導するはずだが、しない医師がいる。その場合でも薬に必ずついている注意書きを読んでそのとおり使用することが大切だ。
 ←青が皮膚 赤が薬
塗り薬が炎症を起こしている皮膚全体を覆うように塗ることで炎症が和らぐ。
しかし、アトピー性皮膚炎の場合は普通のかゆみではないため、かゆみを抑えている間に、腸内環境の改善に真剣に取り組む必要がある。

一部の人は「効きにくい」という場合がある。

インターロイキン-33(IL-33)と呼ばれるサイトカインが関与して活性化された2型自然リンパ球(ILC2)によりアレルギー疾患が発症しているときに、TSLP(アレルギー性炎症のマスタースイッチとされている。) と呼ばれるサイトカインが存在すると、何とILC2はアポトーシス(細胞死)を起こしにくい細胞へと変化してしまうという。
つまり、ステロイドに対する抵抗性を持ってしまう。

アトピー性皮膚炎がしつこい厄介なかゆみをもつのは、こんな仕組みがあるようだ。
ステロイドを正しく塗らない場合はもちろん、ステロイドを塗り続けても2型自然リンパ球(ILC2)が減少せず、炎症性サイトカインを出し続けてしまうことでアレルギーが重症化、慢性化する場合があることが明らかになっている。

2型自然リンパ球を抑制するサイトカインのことはこちらの記事。

最近免疫に関する新しいアトピー性皮膚炎の薬がでてきているが、さらにこの研究により、極めて有効な薬が出てくるのを期待している。
自分の免疫が原因なのだと深く認識して、自分の体を自分で改善することを考え実行することが大切だと思う。それは日常生活にある。

全く新しい時代・環境(食物・化学物質)に免疫がとまどい、どう対処すればいいのか分からず、動きがおかしくなっているように思えてくる。


引用論文
Kazuyo Moro, Hiroki Kabata, Masanobu Tanabe, Satoshi Koga, Natsuki Takeno, Miho Mochizuki, Koichi Fukunaga, Koichiro Asano, Tomoko Betsuyaku, and Shigeo Koyasu, "Interferon and IL-27 antagonize ILC2 function and type 2 innate immune responses", Nature Immunology, doi: 10.1038/ni.3309
理化学研究所 統合生命医科学研究センター自然免疫システム研究チーム(茂呂チームリーダー)



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