僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢家では、10年前に他界した彼女の祖母が、おはぎとか三社札とか数珠とかへそくりとか入れてた戸棚、
通称「おばあちゃんの戸棚」から、最近、遺言状が発見され、一族郎党が騒然としたそうな。
その内容はというと、、
「遺言状はこう書くべし。」と言った遺言状の書き方作法を家族に宛て、遺言状としてしたためたもので、内容らしい内容ははっき . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢さんは料理が好きだ。
なので、よく自分で弁当をつくる。大抵は弁当を持ち歩いている。
しかし、異常にシャイな性格の紀勢さんは弁当を食べるところを見せるのを恥ずかしがり、中身がどうなっているのか、ずっと謎だった。
僕はよっぽど特殊な調理が施してあると勘ぐり、好奇心を抱き、モラルハラスメントを承知で彼女のカバンを漁り、一度だけその . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢家では、10年前に他界した彼女の祖母が、おはぎとか三社札とか数珠とかへそくりとか入れてた戸棚、
通称「おばあちゃんの戸棚」から、最近、家系図が発見されたそうな。
古くは清和源氏の流れを組み、
鎌倉時代は明智光秀と親類にあたる土岐姓を名乗り、
室町時代は伊勢地方の地頭であり、
また、紀伊徳川家と縁故があり、
江戸時代は徳川将 . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
普段なに考えてるかよく分からない紀勢さんだが、
実は震災直後、福島原発事故に伴う避難、レゲエ風に言えばエクソダス、を真剣に考えたことがあったそうな。
それを家族会議の議題として挙げたところ、普段は温厚寡黙で、親類縁者からは、「昼行灯」とも呼ばれる父が、
突如かっと眼を見開き、やう子を睨みつけたかと思うと、
歌舞伎役者が見栄を切る . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢さんは過去に一度だけ我が楽団のリハーサルに遊びに来たことがある。
手土産にバームクーヘンを持って来たのは、さすが紀勢さんらしい心配り。
しかも、そのバームクーヘンは一口サイズにカットされ、丁寧に和紙で再パッケージされているのだ。
それはさて置き、
リハーサル中ふと、僕はスタジオに置きっぱなしだったピアニカの存在を思いだし . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
最近紀勢さんの様子がおかしい。
会話の中に「バイヤー(やばい)」「ズイマー(まずい)」「シーメ(めし)」「チーラン(ランチ)」等の耳と品性を疑う業界用語が混じるのだ。
それはおそらく、最近彼女が受けた「テレビ関係の仕事」(某海外ドラマの翻訳)が影響していると思われる。
本人は意図せず無意識に発しているようで、下手につっこむと . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。代々江戸っ子の紀勢さんは異常にシャイだ。
その異常ぶりを挙げると、
・自販機でジュースを買う様子を見られると恥ずかしがる
・靴下の柄を見られるのを恥ずかしがる
・写真を撮られるのを恥ずかしがるし、撮るのも恥ずかしがる
・走っているのを見られるのを恥ずかしがる
・語学堪能なのだか、外人と話しているとこを見られるのを恥ずかしがる
・ス . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢さんいつも、ボーダーのシャツを着ている。
それについて問うたところ、
本人は全く意図してなかったようで、暫く熟考した後、顔を赤らめた。
愚問だったようだ。
それと紀勢さんは、シャツはボーダー縛りだが、その他アウター、パンツなどは、独特の柄、形で、
なんか、ギャルソンやイッセイミヤケで売ってそうな、でも、近所の商店街のおば . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢さんはよく海外旅行に出かける。欧州、米国、中南米、アジア、アフリカ、ポリネシアなど、節操なくどこへでも行く。
ひとり旅がほとんどだが不思議と今まで一度も危険な目にはあったことはない。
ところで紀勢さんの旅行お土産。そのお土産はどこへ行こうとも必ずひとつの共通項がある。
それは醗酵食品であることだ。
なかには臭いがかなりキ . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
彼女はしばしばUFOに遭遇するそうな。
彼女の持論ではUFOは宇宙から飛来した訳でもなく、はたまた未来からやってきたわけでもない。あれは一種の妖怪のようなものであるそうな。
小豆を研いで、とぎ音を鳴らす妖怪"あずきとぎ"。豆腐にカビを生やす"とうふ小僧"。人の家に上がり込みお茶なぞを飲み、家人のように振る舞い、去って行く"ぬらり . . . 本文を読む
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢さんはへこんだときの気分転換法として、ホームセンターへ行き、そこに陳列されたネジやら木材やドライバーやら電動工具やらをひとつずつ入念に物色するそうな。
今ここには理想の世界はない。が、確かにここにある理想の世界の小さなエレメント達へ思いを馳せ、気分は晴れていくそうな。 . . . 本文を読む