僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢さんは過去に一度だけ我が楽団のリハーサルに遊びに来たことがある。
手土産にバームクーヘンを持って来たのは、さすが紀勢さんらしい心配り。
しかも、そのバームクーヘンは一口サイズにカットされ、丁寧に和紙で再パッケージされているのだ。
それはさて置き、
リハーサル中ふと、僕はスタジオに置きっぱなしだったピアニカの存在を思いだし、
ぼーっと見てるだけでは、あれなんで、紀勢さんも演奏してみては、、
と、提案した。
例のごとなく「そればっかしは…」と遠慮する紀勢さんだが、僕は構わず、「まあ、テキトーに吹いてみ」と彼女に告げた。
そして我々はAとGの単純なコード進行のあの定番リディム、「リアルロック」を始めたのであった。
すると、だ、紀勢さんのピアニカから吐き出される旋律は、、哀しく、優しく、楽しく、切なく、滋味深い。
それは、ルーツロックレゲエの名ピアニカ奏者「オーガスタスパブロ」そのもののそれであったのだ。
我々は、その旋律とヴァイブスに酔いしれた。
セッションが終わった後、紀勢さんに
「パブロは好きなのか?」と問いかけたところ、「知らない」とのこと。
というか、彼女はボブマーレーと湘南の風くらいしか、レゲエを知らないのであった。
おそるべし。やう子。
そして、僕はその日の晩、
「パブロ吾郎」なる流しの演歌歌手が、場末のスナックで、紀勢さんとデュエットしている様子がユーストリームで配信されている、という不思議な夢を見たのである。
しかし、紀勢さんが、我々のリハーサルに現れたのは、後にも先にもそれっきりなのである。
紀勢さんは過去に一度だけ我が楽団のリハーサルに遊びに来たことがある。
手土産にバームクーヘンを持って来たのは、さすが紀勢さんらしい心配り。
しかも、そのバームクーヘンは一口サイズにカットされ、丁寧に和紙で再パッケージされているのだ。
それはさて置き、
リハーサル中ふと、僕はスタジオに置きっぱなしだったピアニカの存在を思いだし、
ぼーっと見てるだけでは、あれなんで、紀勢さんも演奏してみては、、
と、提案した。
例のごとなく「そればっかしは…」と遠慮する紀勢さんだが、僕は構わず、「まあ、テキトーに吹いてみ」と彼女に告げた。
そして我々はAとGの単純なコード進行のあの定番リディム、「リアルロック」を始めたのであった。
すると、だ、紀勢さんのピアニカから吐き出される旋律は、、哀しく、優しく、楽しく、切なく、滋味深い。
それは、ルーツロックレゲエの名ピアニカ奏者「オーガスタスパブロ」そのもののそれであったのだ。
我々は、その旋律とヴァイブスに酔いしれた。
セッションが終わった後、紀勢さんに
「パブロは好きなのか?」と問いかけたところ、「知らない」とのこと。
というか、彼女はボブマーレーと湘南の風くらいしか、レゲエを知らないのであった。
おそるべし。やう子。
そして、僕はその日の晩、
「パブロ吾郎」なる流しの演歌歌手が、場末のスナックで、紀勢さんとデュエットしている様子がユーストリームで配信されている、という不思議な夢を見たのである。
しかし、紀勢さんが、我々のリハーサルに現れたのは、後にも先にもそれっきりなのである。