WILD THINK

ラテン楽団「Orquesta de WILD THINK」のバンマスが、日々思うことをダブワイズ

一期一会の紀勢やう子さん

2011年05月18日 | 紀勢やう考
僕の友人であり、我が楽団の作詞担当でもある紀勢やう子さん(33)。
紀勢さんは過去に一度だけ我が楽団のリハーサルに遊びに来たことがある。

手土産にバームクーヘンを持って来たのは、さすが紀勢さんらしい心配り。
しかも、そのバームクーヘンは一口サイズにカットされ、丁寧に和紙で再パッケージされているのだ。


それはさて置き、
リハーサル中ふと、僕はスタジオに置きっぱなしだったピアニカの存在を思いだし、
ぼーっと見てるだけでは、あれなんで、紀勢さんも演奏してみては、、
と、提案した。

例のごとなく「そればっかしは…」と遠慮する紀勢さんだが、僕は構わず、「まあ、テキトーに吹いてみ」と彼女に告げた。
そして我々はAとGの単純なコード進行のあの定番リディム、「リアルロック」を始めたのであった。

すると、だ、紀勢さんのピアニカから吐き出される旋律は、、哀しく、優しく、楽しく、切なく、滋味深い。
それは、ルーツロックレゲエの名ピアニカ奏者「オーガスタスパブロ」そのもののそれであったのだ。

我々は、その旋律とヴァイブスに酔いしれた。

セッションが終わった後、紀勢さんに
「パブロは好きなのか?」と問いかけたところ、「知らない」とのこと。
というか、彼女はボブマーレーと湘南の風くらいしか、レゲエを知らないのであった。
おそるべし。やう子。


そして、僕はその日の晩、
「パブロ吾郎」なる流しの演歌歌手が、場末のスナックで、紀勢さんとデュエットしている様子がユーストリームで配信されている、という不思議な夢を見たのである。


しかし、紀勢さんが、我々のリハーサルに現れたのは、後にも先にもそれっきりなのである。


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