虹のじ ゅもん

当ブログを訪れた人には「夢が叶う」という呪いがかかる。

猫をかわいがったら呪いはさらに強力になるであろう。

心の栄養

2020-06-30 | エッセイ
心の栄養

 欲しい衣類があっても、予算の関係からセールになるのを待つ。けれど、自分が欲しい物がいつまでも売れ残ってて、セール価格になっても売れなくて、投げ売り状態になってるのを見ると、誰もほしくないのか、それを身に着けているとどう思われちゃうんだろう、やだあれ買った人いるんだと思われるのかなと不安になる。それでも底値だと思った時にやっぱり欲しくて買ってしまう。
 欲しかったものが手に入ってうれしい反面、大変に複雑な気分だ。
 タンスの肥やしと言う言い方があるが、持っているだけでうれしいってこともある。買ってすぐに着て鏡を見て、
「うん、いいじゃない」
と自分で自分に酔う。
 好きなものに囲まれているとほっとする。
 だから、身につけないから無駄とは言い切れない。
 買った時、自分の物になった時、見ているだけでうれしい。身に着けるチャンスがあまりないと思えたり、似合わないかもと思えたりしても、いつか着られるかもとか、いつか似合うようになるかも、やせて入るようになるかも、などとワクワクしただけで十分役割は果たしている。
 カラッポのクローゼットは悲しい。

 だから、収集癖はないけどフィギュアや骨董を集める人の気持ちはわかる。限度はあるけど。

  いつか捨てるとわかってても、ストラップや置物など、かわいいものを買っちゃう、見ているだけで楽しい。
 それがささやかな贅沢で心の栄養でもある。


6月30日の産経新聞 朝晴れエッセーに掲載されました。



コメント (4)
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