10月15日~21日は新聞週間で
今年の標語は「きっかけは 小さな記事の一行だった」そうです。
尊敬するコラムニスト山本夏彦氏はかつて、昭和55年前後に以下のコラムを書いてます。(週間新潮 夏彦の写真コラム)
気ずい気ままな知らせる義務
朝鮮を代表する国家は北朝鮮で、韓国ではないとわが社会党はなが年言いつづけている。韓国は軍事独裁政権だから認めないのだそうで、したがって社会党の国会議員は北朝鮮を毎年のように訪ねても韓国は一度も訪ねていない。
すでに日本に追いつき近く追いこそうとしている韓国の存在を認めないとは正気の沙汰ではない。そんなこととは夢にも知らない善男善女が多いのは、何より新聞が社会党をかばって報じないせいである。新聞の組合は総評傘下で、従って自動的に社会党の友であり北朝鮮の友である。どこの国でも記事にしない金大中の動静を特筆大書するのは、韓国に対するいやがらせで北朝鮮に対する屈折したサービスである。
金大中は日本から資金援助を受けたといわれている。韓国ではかりにも日本から金を買った疑いのある政治家ならカムバックする見込みはない。それを知らぬ新聞記者はないのに見込みがあるように書くのは、韓国と日本の仲を割いてそれだけ北朝鮮に接近させる魂胆だたと疑われても仕方がない。
お話変わってわが国のパスポートには、日本国民であるこの旅券の所有者に通路つつがなく旅をさせ、かつ必要な保護を与えられんことを・・・という紋切り型に続いて、この旅券はあらゆる地域に有効である、ただし北朝鮮を除く、と驚くべきことが書いてある。
これはただごとではない。共産圏なら東ドイツがハンガリーがあるが、これらを除くなどとは書いていない。北朝鮮だけである。それなのに北朝鮮が怒って手袋を投げたと聞かないのは、こんなことを書かれても仕方がないわけがあるからだろう。
いずれにせよ旅券にこれが書いてあることは、最近旅した若き友に教えられた。海外に遊ぶ人は夥しいが、これに注目した人は少ない。5年前か10年前か知らないが、はじめてこれを書いた当時は大問題になったはずなのに新聞が騒がなかったところをみると、騒ぐと北朝鮮に不利だったのではないかと察しられる。新聞は知る権利知らせる義務と事ごとにいうが、実態は右の通りだからくれぐれもご用心としかいう。
引用ここまで。
今から25年以上前のコラムであり、当然この時にはまだ拉致問題の存在は浮かび上がってこない時世でした。金大中に関する記述は、流石の山本さんでも韓国に数十年後
左翼の政権ができるとは予測できないようでした。
ここで言いたいことは
、この世で起こっている出来事は、新聞が報じない限りそれはこの世には存在しないということです。現在、尖閣諸島の領有権をめぐり、中国国内で反日デモが複数の都市で発生していると
報じられています。中国の国民は日本に怒っているようです。
しかし、日本でもこのたびの中国の振る舞いに対して、抗議のデモが行われました。
その人数3000人近いというから、大人数です。ただし、これを報道するマスコミは
ほとんど無いか、非常に目立たぬ表現です。
これでは、中国の行動に表立って抗議する日本人はいないということになります。
マスコミの報道というのは、今も昔も変わりません。新聞の標語・・・お笑いです。
下記クリックすると記事が見れます。
<中国大使館前で抗議デモ>