建築・環境計画研究室 (山田あすか)

東京電機大学未来科学部建築学科

東京都足立区における海外にルーツを持つ住民の地域活動拠点に関する研究 ー 日本語学習拠点と宗教的コミュニティに着目して -

2021-07-15 16:27:46 | 書架(その他)

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地域施設計画研究39 2021年7月 日本建築学会

建築計画委員会 施設計画運営委員会 地域施設計画小委員会

Regional Community Facilities Planning and Design, AIJ, Vol.39, Jul., 2021

 

 

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東京都足立区における海外にルーツを持つ住民の地域活動拠点に関する研究 ー 日本語学習拠点と宗教的コミュニティに着目して - A Study On Community of Residents with roots in foreign countries in Adachi city, Tokyo -Focusing on Japanese Language Learning Centers and Religious Communities- ○米ケ田里奈*, 村川 真紀**, 山田あすか*** In this paper, we report on the actual conditions of location, buildings, management, user attributes and activities of local activity bases supporting the life of foreign residents from the viewpoint of building planning. According to the survey, they have the characteristics that the locational characteristics and activity contents affect them and the local community. Therefore, in terms of regional development, it is effective that such bases are located in the areas close to them, and a wide range of support will be necessary in the future. Key words: Japanese language Learning Center, Religious Institution, Community, Foreign resident, Multicultural society キーワード:日本語教室, 宗教施設, 地域コミュニティ, 外国人居住者,多文化共生社会 * 東京電機大学大学院未来科学研究科建築学専攻 修士課程 ** 東京電機大学未来科学部建築学科 研究員・博士( 工学) *** 東京電機大学未来科学部建築学科 教授・博士(工学) Rina MEKATA, Maki MURAKAWA and Asuka YAMADA * Graduated Student, Dept.of Architecture, School of Science and Technology for Future Life, Tokyo Denki Univ. ** Reseacher, Dept.of Architecture, School of Sience and Technology for Future Life, Tokyo Denki Univ, Dr.Eng. * * * Prof., Dept.of Architecture, School of Science and Technology for Future Life, Tokyo denki Univ., Dr.Eng. 1.研究背景・目的 日本の在留外国人数は,2019 年末には2,933,137 人と過去最高を記録1)した。この数字は,総人口の約 2%にあたり,2012 年末以降は7 年連続で増加2)し ている。国内での外国人居住者の存在感が高まる一方 で,それに伴う社会問題の発生も指摘されている。 建築計画分野では,筧,小松3)が,実際に発生し た外国人居住者と地域住民とのトラブルを対象に調査 を実施し,外国人居住者による都市の中での居場所形 成が,セグリゲーション(属性による居住地域等の分 化・隔離)を引き起こすことなく,日本人住民との相 互理解を深化させていくための要件を考察している。 そして,地域における外国人居住者の居場所の在り様 には,労働者として迎え入れられた彼らを,生活者と して日本人側がいかに受入れていくかの姿勢が反映さ れており,立地や設えに関わる空間的配慮とともに, 地域社会に受入れられるための合意形成プロセスの構 築が必要だと述べている。  同時に,人口減少を伴う急激な少子・高齢化が進行 している我が国の産業と社会の構造の動向に鑑み,在 留外国人を迎えた多文化共生社会への舵取りと,地域 コミュニティでのその受入れや支援のニーズが現実的 な課題となっている。その中でも語学学校や地域住民 による日本語教室等の日本語学習拠点,またアイデン ティティや精神性の支柱となる信仰生活を支える宗教 活動拠点での活動は,日本人と外国人居住者の相互理 解や相互扶助に繋がり,多文化共生社会実現への一翼 を担っている。 本稿では,在留外国人数が全国で4番目に多く,区 の部署名に「多文化共生」を有し,従来の国際交流か ら発展した,多文化共生を目指す地域づくりに取り組 む東京都足立区において,在留外国人を始めとする, 海外に血縁,または文化的なルーツを持つ住民を対象 とした地域コミュニティ拠点の実態把握を得ることを 目的とし,区内の外国人居住者を対象とする日本語学 習拠点と宗教活動拠点に着目した事例の収集・整理, − 145 − 地域施設計画研究39 2021年7月 日本建築学会 建築計画委員会 施設計画運営委員会 地域施設計画小委員会 Regional Community Facilities Planning and Design, AIJ, Vol.39, Jul., 2021 ひと くらし まち 行財政 (1) 日本語ボランティア教室 の充実 (2) 外国語・文化交流ボラン ティア登録派遣制度の整備 (3) 児童・生徒や外国にルー ツを持つ日本語学習者への教 育支援体制整備 (4) 交流支援 ①外国にルーツを持つ人に日本語習得を支援 するボランティアの育成 ①教育相談の充実 ②児童・生徒の学習支援や日本語学習の体制 充実 ①国際理解教育・通訳ボランティア登録制度 の充実 ①外国人と日本人の交流・連携する場(機会) の拡大 (1) 庁内推進体制の整備①施策推進体制整備 (1) 案内表示などの多言語化 (2) 多文化共生の地域づくり ①区施設や公園・道路などのサイン多言語表 示・ユニバーサル化を実施 ①多文化共生関連団体とのネットワークづくり ②在住外国人も区政に参加・参画できる機会 の拡大 ③多文化共生意識づくり (1) 在住外国人への子育て や医療環境の充実 (2) 在住外国人の防災 ・危機管理の推進 (3) 在住外国人のための経営 ・労働環境の整備 ①保育・子育て環境の整備 ①在住外国人の参加可能な防災訓練の実施 ②災害時の情報伝達手段の充実 4つの柱施策群 ②事業者間の交流支援・雇用主への雇用促進 に向けた情報提供 ②在住外国人向け配布物や文書の多言語化な ど紙媒体による情報提供 ③公式ホームページやアプリの多言語化によ る情報発信 (4) 生活情報の提供 ①在住外国人の相談体制の充実 ①在住外国人の事業経営の支援 表2 東京都足立区多文化共生推進計画における施策の体系 ②医療環境の充実 施策 東京都新宿区 東京都江戸川区 埼玉県川口市 東京都豊島区 43,784 38,045 37,855 東京都足立区 東京都江東区 33,555 31,212 東京都板橋区 大阪市生野区 東京都大田区 30,316 東京都北区 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 市区町村 在留外国人総数 表1 在留外国人数 上位10 自治体 28,417 25,332 23,339 28,192 フィリピン ベトナム 韓国 中国 タイ その他 米国 台湾 ネパール  インド ミャンマー 図1 足立区の国籍別人口割合 44% 22% 6% 11% 1% 2% 1% 1% 1% 1% 10% 調査方法:インターネット(google) で以下の方法で検索し, 事例データベースを作成 調査期間:2019 年9月~ 2021 年1月 事例数:日本語学習支援拠点20 事例・宗教活動拠点10 事例 【調査方法詳細】 調査対象事例:調査Ⅰで得られた日本語学習支援20 事例の内1事例と 宗教活動拠点10 事例の内2事例の,計3事例 調査期間:2019 年10 月~ 2020 年12 月 【主な調査項目】 概要(理念,開設年,活動日数,広報活動方法),活動内容について(イベント,利用者, スタッフの構成と人数),建物・敷地について,運営について(はじめた動機,課題 と解決策,周辺地域との関わり,コロナ禍での取り組み,今後の課題) 【調査Ⅳ:アンケート調査】 調査方法:google フォームによるオンラインアンケートを配布 調査対象:海外にルーツを持つ教会利用者 調査期間:2020 年11 月~ 2020 年12 月 調査件数:30 件 調査対象事例:調査Ⅰで得られた宗教拠点35 事例の内,2事例 調査対象者:代表者 調査期間:2020 年11 月~ 2020 年12 月 【主な調査項目】 得意とする言語,今まで住んだことのある国,日本に住んでいた/あるいは住んでい る期間,日本に来た目的・理由,普段地域で利用している場所,教会に通い始めたきっ かけと頻度,教会へ来る手段,教会で参加している活動,日本での生活で困っている こと,人づきあいについて,回答者について(性別,年齢,同居人),お住まいの地 域について,アンケートの入手先 ■日本語学習支援拠点 足立区HP より「日本語教室」等のキーワードで検索した17 事例と以下のキーワー ドで検索した3事例の,計20 事例 キーワード:足立区, 語学学校, 日本語 ■宗教活動拠点 「足立区 宗教施設」「足立区 教会」等のキーワードで検索し, 東京都足立区にある上位71 件の宗教関連施設(東京都足立区内全検索結果)の内, 団体のHP 等に「外国語での礼拝を行っている/外国人の信徒が多く集まる」という情 報が記載されている10 事例 表2 調査概要 【調査Ⅰ:検索調査】 【調査Ⅱ:参与観察調査】 【調査Ⅲ:ヒアリング調査】 実態調査を行った。足立区の位置付けを次章で示す。 2.調査対象地概要 2.1.外国人人口の概要 東京都足立区の在留外国人総数4)は,2019 年6月 時点で33,555 人である(表1)。 図1に足立区の在留外国人国籍別人口割合5)を示 す。この内訳は,中国 14,865 人,韓国 7,402 人,ベ トナム1,868 人,フィリピン 3,690 人 ネパール 474 人,台湾 693 人,米国 309 人,インド 187 人,ミャ ンマー 200 人,タイ 465 人, その他 3,278 人である。 また,図2に,町別可住面積あたりの在留外国人居 住登録数(居住密度)注1)を示す。外国人の居住密度 が最も高い町は新田で,1.969 人/㎡である。新田に は都市再生機構( 以下UR) の大規模な賃貸住宅団地が 複数ある。UR 賃貸は入居時の保証人が不要なため外 国人が入居しやすく,居住地として選ばれていると考 えられる。同様に, 東綾瀬1.458 人/㎡, 竹の塚1.431 人/㎡, 西新井本町1.139 人/㎡,大谷田1.058 人/㎡, 表3 調査概要 弘道1.079 人/㎡,関原1.072 人/㎡,といった外国 人居住密度が区内で比較的高い町には,公営・公的住 宅の団地がある。 2.2.区内施策の概要 足立区は,2006 年3月に「足立区多文化共生推 進計画」を策定し,国籍や民族等の異なる人々が互い の文化的な差異を認め合いながら,共に生活する地域 社会づくり,共に活躍する多文化共生社会を目指して いる。その後,様々な社会・経済状況が変化する中, 2018 年に再構築された多文化共生施策6)を表2に整 理した。 3.調査概要 日本語学習拠点及び宗教活動拠点の実態調査とア ンケート調査の概要を表3にまとめた。 3.1.日本語学習拠点の調査方法 日本語学習拠点の現状を把握するため,自治体の ホームページや「足立区 語学 日本語」等のキーワー ドでのインターネット検索により,事例を収集・整理 した。そのうち,詳細調査の協力を得られた1事例で, 活動実態を把握するための参与観察調査を行った。 3.2.宗教活動拠点の調査方法 宗教活動拠点の現状を把握するため,「足立区 宗 教施設」,「足立区 教会」等のキーワードによるイン ターネット検索で得られた上位71 件の宗教活動拠点 表2 足立区多文化共生推進計画における施策の体系 図1 足立区の国籍別人口割合 表1 在留外国人数 上位10 自治体 − 146 −  竹の塚、綾瀬、日ノ出町、千住、栗原、 西竹の塚 ・町内もしくは近接する町に主要な 鉄道駅がある ・町内に商店街やデパートなどの大型 店舗がある  舎人、保塚町、東和、梅田、西新井栄町、 新田、平野、伊興本町、東綾瀬、鹿浜、 西加平、西新井本町、千住河原町 住商混合地域 住地域 特徴町名 ・町内の大部分を住宅が占めている ・町内に商店街やデパートなどの大型店舗 がない 表3 足立区内における拠点が位置する町の分類 0.00~0.49 0.50~0.99 1.00~1.49 1.50~ 不可住地域 外国人の居住密度 (人/㎡) 図2 足立区町別の外国人人口密度と拠点のプロット 凡 例 日本語学習拠点 宗教活動拠点 :拠点a a :拠点b b :拠点c c :拠点d d :拠点e e :拠点f f 1 : 事例1 : 事例2 3 : 事例3 4 : 事例4 5 : 事例5 : 事例6 : 事例7 : 事例8 : 事例9 : 事例10 2 6 7 8 9 10 :拠点g g :拠点h :拠点i i :拠点j j :拠点k :拠点l l :拠点m :拠点n :拠点o :拠点p h k m n o p 北千住駅 竹ノ塚駅 4 荒川 舎人公園 f a b c d e g h i j k l m n o p 10 9 8 6 7 5 3 2 1 東武スカイツリー ライン 2 2 16 7 5 最寄り駅からの時間距離 外国人の居住密度(人/㎡) ~ 0.49 15 分 以内 10 分 以内 それ 以上 5分 以内0 2 2 14 1 0 3 0 0 3 1 1.5 ~ 1.00 ~ 1.49 0.5 ~ 0.99 日本語学習拠点 1 2 9 0 0 1 0 計 計 2 2 10 3 3 最寄り駅からの時間距離 外国人の居住密度(人/㎡) ~ 0.49 15 分 以内 10 分 以内 それ 以上 5分 以内1 1 1 2 0 0 0 2 2 0 4 0 1.5 ~ 1.00 ~ 1.49 0.5 ~ 0.99 宗教活動拠点 1 1 0 4 1 0 0 0 計 計 2 のうち,団体が提供する情報の中に「外国語での礼拝 を行っている」「外国人の信徒が多く集まる」等の内容 が記載されている10 事例を整理した。これら宗教活 動拠点の利用者実態や活動内容を把握するため,その うち2事例で参与観察調査及び運営者へのヒアリング を行った。 3.3.アンケート調査の概要 海外にルーツを持つ住民が地域で生活する中での 困り事を明らかにするため,参与観察調査及びヒアリ ングを行った2事例の利用者と筆者の所属する大学の 留学生会会員のうち,教会利用経験があり,自身が「海 外に血縁または文化的なルーツを持つ」と答えた人を 対象に,アンケート調査を行った。 3.4.拠点が位置する町の分類 表4に拠点周辺の立地特徴を整理した。竹の塚, 綾瀬,日ノ出町,千住,栗原,西竹の塚等は,町内ま たは近隣に主要な鉄道の駅がある。これら商店街やデ パート等の大型店舗がある町を[住商混合地域]とし た。また,舎人,保塚町,東和,梅田,西新井栄町, 新田, 平野,伊興本町,東綾瀬,鹿浜,西加平,西新 井本町,千住河原町等の町内の大部分を住宅が占め, 商店街や大型店舗のない町を[住地域]とした。 4.拠点の立地特徴  図2に,収集した日本語学習拠点と宗教活動拠点の 所在地を足立区の地図上にプロットして示し,また図 3に,拠点が位置する町の外国人の居住密度と最寄り 駅からの時間距離のクロス集計を示す。日本語学習拠 点の半数(16 拠点中8拠点)は,東武スカイツリーラ イン沿線上に拠点があり,交通利便性が高い。また日 本語学習拠点の75%(16 拠点中12 拠点)が,最寄 駅から徒歩10 分以内に位置している。一般的に語学 学習は,長期的かつ継続的に行うことが効果的である とされ注2),利用者が学習を続けていくためには,拠点 が最寄り駅から徒歩圏内にあるなど,交通利便性が高 いことは有利であると考えられる。また,宗教活動拠 点のうち,60% (10 事例中6事例) は,外国人居住密 度が区内でも比較的高い,0.5 人/㎡以上の町に位置 する。 このように,収集した事例は在留外国人にとって継 続的な利用がしやすい位置にある傾向が見られた。こ のことには,こうした在留外国人等のコミュニティ拠 点の近くに居住地を定める居住地選択行動の影響も推 察できる。 5.日本語学習拠点の実態調査 5.1.収集した事例の活動実態と拠点の特徴 インターネットで収集した事例の活動実態と拠点 の特徴を表5に整理した。活動実態に係る項目は「活 動内容/運営主体」また,拠点の特徴に係る項目は「立 地/建物種類/設置形態」とした。 1)活動実態 ■活動内容   日本語学習の他,民間組織では住居 提供や,進学支援,就学支援等のキャリア支援,学習 者同士での遠足といった交流会を行っている。 ■運営主体   運営主体は,ボランティア団体が20 事例中16 事例(80%),民間企業は20 事例中4事例 (20%)である。 表4 足立区内における拠点が位置する町の分類 図2 足立区町別の外国人の居住密度と拠点のプロット  図3 拠点が位置する町の外国人の居住密度と    最寄り駅からの時間距離のクロス集計  − 147 − 調査対象 運営主体 スタッフ数 所在地 会費 活動内容 活動の様子 学習日 利用者 表6 現地調査結果 事例KH ボランティア団体 5~ 10 人 千住, 拠点g 毎週木曜日午後6:30 ~8:30 日本語の上達を目指す人が利用 し、日本語を母語とするボラン ティアスタッフに日本語を教わ る。スタッフ1人につき、日本語 習得レベルが同程度の1人~3人 の学習者が一緒に勉強をする。休 憩時間には軽食が配られ, 学習者 同士またはスタッフと学習者の交 流を深めている。 200 円/ 月 様々な年代、国籍、職業の学習者 が集まる。大学生・高校生・中学 生は無料で、小学生は原則として 入会不可。1 回の教室で約20 人 ~ 30 人,年末に開催される忘年 会では約20 人が集まる。 KK TD SD NS 梅田 綾瀬 新田 ① ② ③ AA MM 綾瀬 舎人 KR NY AT TJ GL 梅田 WB 千住 TS GD 竹の塚 ITJLA JK 栗原 GA 千住 HW 日ノ出町 KH 保塚町 DM 千住 事例の提供サービス 運営主体 事例 生活基盤 立地 民間企業 ボランティア 団体 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 文教施設 常設 所在地 調査方法 事例名  事例とそれらが活動を行う拠点に焦点 を当て, データベースを作成した。  “日本語教室”“日本語語学学校”等の キーワードで調べた20 事例を並べた。 交流支援 語学学習 進学支援 就労支援 キャリア支援 住商混合 地域 住居地域 拠点 団地内 施設 民間施設 民間ビル 小学校 建物 種類 設置形態 非常設 梅田 西新井栄町 拠点名 東和 千住 竹の塚 西竹の塚 東和 a b c d e e f g g h i i i j k m n o p l 住居提供 表5 足立区における日本語学習拠点事例のデータベース 2)教室時間外での活動や交流 年末には,拠点近くの飲食店にて,学習者は参加費 無料の食事会が行われ,スタッフと学習者合わせて約 20 名が参加した。通常の教室では,日本語学習を通 した交流が主である一方で,食事会では,学習者の母 国や母語, 職業, 家族,来日したきっかけ,食の趣味, といった私生活に関する話題を通しての交流が行われ ていた。 このように,事例KHでは,拠点へのアクセスが良 く,周辺に飲食店が多い[住商混合地域]にあることで, 事例の主な提供サービスである日本語学習の機能に加 えて,交流の機能も生まれ,活動が拠点にとどまらず 地域に拡がり,住民の文化的背景に依らない,包摂的 な地域コミュニティの醸成に繋がっていると考えられ る。こうした,周辺地域への活動の展開可能性を拠点 が有することは地域コミュニティの形成や拡大に有効 と考えられる。 6.宗教活動拠点の実態調査 6.1.収集した事例の活動実態と拠点の特徴 インターネットを用いて収集した10 事例の活動実 態と拠点の特徴を表7に整理した注4)。活動実態に係る 項目は「運営者/信仰/礼拝言語/活動内容区分/活 動内容一部詳細/情報発信媒体」とし,拠点の特徴に 係る項目は「所在地/施設の特徴/立地」とした。 1)活動実態 ■運営主体 設定した条件により収集された事例 2)拠点の特徴 ■建物種類   20 事例中11 事例(55%)と約半数 が文教施設であり,外国人居住者の重要な生活基盤の ひとつである語学学習を,教育関連施設が担っている 実態が分かる。 ■設置形態 提供サービスの設置状況は,運営主 体がボランティア団体では非常設,民間企業では常設 と,運営主体によって異なる。これは,ボランティア 団体は非営利であり,限られた予算と補助金で教室を 運営する一方で,民間企業は営利目的であり,予算配 分の自由度が高く,資金面等から定常的な拠点の確保 がしやすいためと考えられる。 5.2.事例KHでの活動・利用実態 [住商混合地域]に位置し,最寄り駅からのアクセ スが良く,周辺には飲食店が充実している拠点で活動 を行う事例KHにて日本語ボランティア研修生として 活動に参加し,具体的な活動内容や利用者実態を参与 観察調査によって把握した。主な結果を表6に示す注3)。 1)日本語教室の活動実態と特徴 教室には, 様々な国籍,年齢,来日目的,日本語習 得レベルの学習者が集まり,教室に通う頻度も学習者 によって異なる。スタッフは学習者の習熟度や進捗に 合わせて教材を用意し,内容を工夫していた。 2時間の学習時間のうち,1時間が経過したタイミ ングで軽食が配られ,ボランティアスタッフを交えて 参加者同士,日本語や英語で雑談をしながら休憩を取 り,交流を深めていた。 表5 日本語学習拠点のデータベース表6 参与観察調査 − 148 − 食堂AT( クラスター②) 運営主体 開設年 建物の特徴 調査対象 施設種別 利用者数 利用者層 スタッフ数 運営理念 活動内容 今後の展望 立地の特徴 宗教法人宗教法人 1997 年2020 年 宗教施設 宗教施設 100 名程度10 名程度 多世代多世代 5~ 10 名6 名 小中学校や幼稚園が200m 以内に ある住宅街内。 病院や公園が200m以内にある住宅 街内。 開放日 広報活動方法 毎日水曜・日曜・ その他アポイントメントのある日 HP・トラクト配布・電信柱に 有料広告 facebook・トラクト配布 ①神の栄光、②信徒の信仰の成長 、③福音を伝える、に加えて、教 会に来る人々に本当の心の安らぎ ・平安を与える「地域のオアシス 」となることを願っている。 イエスキリストを人々に伝え、人 々の魂を救い、イエスキリストの 愛の中でお互いに支え合っていく 場を作っていくこと。 地域にこの教会をより広めたいと考 えている。また地域活動に礼拝室を 使ってもらいたい。 次世代育成のために公的な学校で 教えていかないことを学ぶ様なイ ンターナショナルスクールを建て たい。また高齢の信徒らが共同生 活を営むための小規模施設をつく り、普段の生活も共に支え合って 行ける場所をつくりたい。 活動の様子 礼拝堂が3階にあることで、礼拝 後2階へ降りた際に食堂で行われ ている食事会や交流の輪に自然と 参加しやすくなる動線計画 もともと1階は居酒屋であり、改修 し礼拝堂とした。天井を壊して、左 の壁に防音材を張る工程までは信徒 自らの手で行った 事例PA 事例PS 表4 参与観察調査とヒアリング 日本語と韓国語での礼拝・食事会 ・祈祷会・聖書勉強会・奉仕活動 ・韓国語教室の他、不定期で韓国 料理教室や韓国の伝統衣装体験会 等。年間行事では、春の中高生キ ャンプ・5月のバーベキュー・夏 の連合修養会・秋の体育大会・冬 のクリスマス賛美大会・国内聖地 巡礼等 主日礼拝・聖書教室が毎週ある。 主日は「礼拝→昼食→讃美歌を歌う →分かち合い」を欠かさず続けてい る。また信徒の一人が先生となり、 韓国料理教室を実施した。今後も不 定期で開催予定である。 運営主体 立地 住商混合 住 ホームページ facebook twitter instagram ブログ 情報発信 信仰 YouTube 施設の特徴 礼拝言語 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 キリスト教 キリスト教 TC SC CU CK KJ PA PS HR KK ZN 平野 梅田 東和 伊興本町 東綾瀬 鹿浜 西加平 千住 西新井本町 千住河原町 事例名 所在地 日・韓 キリスト教 日 キリスト教 日・英 日 ボーイスカウト拠点 日・中 日・英・タ 中 韓 日・韓 日・英 キリスト教 キリスト教 キリスト教 キリスト教 キリスト教 キリスト教 地域への施設開放 子ども食堂拠点 地域清掃美化活動・プログラミング学習支援 教会学校・バザー・女性支援・難民支援 年齢別の礼拝・食事会 ヨガ教室・こども会・盆踊り大会・バザー 教会学校・老人ホームへ奉仕活動 韓国語教室・韓国料理教室 日曜フィリピン集会・サンデースクール 祈りの会・こどもの日曜学校 活動内容一部詳細 子ども 進学 食事提供 国際交流 健康 海外貢献 信仰生活 語学 地域貢献 生活支援交流奉仕 活動内容区分 1階礼拝室・上層は住宅 礼拝・集会 非常設型 プロテスタント プロテスタント プロテスタント カトリック カトリック プロテスタント プロテスタント プロテスタント プロテスタント プロテスタント の,信仰する宗教は,全事例ともキリスト教であった。 ■活動内容   拠点の活動内容は,礼拝,聖書勉強 会,賛美歌を歌う,聖書や牧師の説教内容を深く理解 するために信徒同士で語り合う「分かち合いの会」と いった利用者の信仰生活を支える活動を中心に,多岐 にわたる。外国人居住者へ日本語を教える日本語教室 や,韓国語を学びたい地域住民向け韓国語教室,といっ た語学学習,また10 事例中6事例で,子ども向けプ ログラミング教室,教会学校,子ども会,といった活 動を信者ら他の協力を得て行っている。また大学進学 希望者のためのボランティア学生によるオンラインで の進路・キャリア相談会,海外留学の資金補助,といっ た進学支援を行う事例もある。食事提供は10 事例中 4事例で実施され,主に日曜の礼拝参加者が礼拝後に 昼食を共にし,交流を深めている。  また,事例SCでは信徒が立ち上げたボランティア グループが,区内の清掃美化活動,ゴスペルチームに よる近隣老人ホームへの訪問演奏といった地域貢献活 動を行っている。事例CUは,礼拝後のコーヒー販売 の売上げをヨルダンに流入しているイラク・シリア難 民に献金する,教会近隣に住むクルド人難民の子ども たちと一緒に教会学校がバクラバ( 中近東のお菓子) 等を製菓するといった活動をしている。 クリスチャンにとって「皆に仕えること」がイエス キリストの教えであることも関係して,信徒らの熱心 な奉仕活動が結果的に地域との連携を生み,住民の民 族的・文化的・社会的背景に依拠することの無い相互 扶助に繋がっている。こうした活動は,包摂的な地域 社会の実現に資すると考えられる。 ■情報発信媒体 10 事例中8事例がホームペー ジを持つ。また半数の事例がfacebook ページを持つ。 これは,facebook では長文のテキスト投稿や非公開の コミュニティグループの作成が可能である等の特徴に より,牧師の説教や教会の活動状況の投稿やオンライ ンで教会のコミュニティグループを作りやすいためと 考えられる。  また10 事例中4事例はYouTube で独自のチャンネ ルを持ち,礼拝動画や讃美歌の投稿が行われている。 これは,病気や新型コロナウイルス感染拡大の影響等, 何らかの理由で礼拝に来られない信徒のための発信 や,「キリスト教をより多くの人に広め,伝える」とい う目的の情報発信であると考えられる。 2)拠点の特徴 ■立地   10 事例中9事例が[住地域]にある。[住 商混合地域]にある事例KKは,活動拠点を保有せず, 区内で最も乗降者数の多い北千住駅7)から徒歩1分に ある商業施設内の足立区文化芸術劇場の一室で礼拝を 行う,非常設型の教会である。 表8 参与観察調査とヒアリング調査 表7 宗教活動拠点のうち,団体が提供する情報の中 に「外国語での礼拝を行っている」「外国人の信徒が多 く集まる」等の内容が記載されている10 事例を抜粋 − 149 − 4.LINE で就 職を考えてい る園の情報が 送られてくる 2.Instagram で名札製作の投稿 <0.05 <0.01 * ** 実測値 合計 合計 1~4 5 13 10 8 15 23 各評価項目の興味度において,LINE,Instagram 間における独立性検定をカイ二乗検定で行っ 独立性検定(カイ二乗検定)計算例 1~4 5 7 1 6 9 期待値 P 値 0.0286222 <0.05 合計 1~4 合計 1~4 5 5 4.521739 3.478261 8.478261 6.521739 13 10 8 15 23 5 5 ** 5 ** 現在一緒に住んでいる人 困り事クラスター P 値=0.0069 <0.01** 付き合うことが多い人 P 値=0.0286 <0.05* 困り事クラスター Ⅰ Ⅱ Ⅲ 日本人 同じ国の人 同じ国でない 外国人 人付き合いは あまりない Ⅰ Ⅱ Ⅲ 子どもと 兄弟・姉妹と 友人・知人と ひとりで 暮らしている 配偶者と 自分の親と3 2 8 1 1 4 1 0 3 1 0 5 0 2 0 2 3 4 8 8 24 13 6 4 6 2 9 40 5 6 18 4 5 7 1 1 5 0 1 0 10 13 30 29 16 7 1 53 Ⅰ:人間関係型Ⅱ: 生活型Ⅲ: 順応型 凡例 図4 クロス集計 0 20 40 60 80 100 インド ネシア 中国 英語 韓国 日本 20 年以上 10 年以上 20 年未満 5年以上10 年未満 1年以上 5年未満 0 10 20 30 40 50 その他 政治的 自由 結婚 仕事 技術 習得 勉強 親の 都合 日本 生まれ C 日本に来た理由 A 得意な言語 B 日本に住んでいる期間 83.3% 66.7% 26.7% 23.3% 3.3% 60% 50% 25% 17.9% 21.4% 17.9% 7.1% 3.6% 3.6% 13.3% 13.3% 13.3% 日本人とのトラブル 友人が少ない 仕事のこと 近所付き合い 年金 情報が少ない 偏見・差別 物価が高い 住まいのこと 人間関係 日常生活 病院・医療 ことば 特にない その他 クラスター 1 2 15 14 13 7 12 11 6 5 8 4 10 9 3 29 28 27 16 30 Ⅰ:人間関係型Ⅱ:生活型Ⅲ:順応型 回答者番号 ■施設特徴   事例CKでは,敷地内に幼稚園が併 設され,園庭がボーイスカウトの活動拠点に使用され ている。また,事例KJは,建物内にあるカフェテリ アが外部団体主催の非常設型コミュニティカフェに毎 月利用されている。事例PAは,建物内の食堂を足立 区子ども食堂の拠点として開放している。宗教活動拠 点が公営のコミュニティセンターのように,住民への 活動場所の提供という公共的な機能を有している実態 が分かる。 6.2.参与観察調査の概要と考察  [住地域]に位置し,最寄り駅からのアクセスが良 く,近接する町に商業施設が充実する拠点で活動する 事例PAと,最寄り駅までのアクセス手段がバスで約 20 分の[住地域]に建てられた事例PSにて,礼拝や クリスマス会といった活動に参加し,具体的な活動内 容や利用者実態を,参与観察調査と運営者へのヒアリ ングによって把握し,主な結果を表8にまとめた注5,6)。 事例PAと事例PSは,キリスト教プロテスタントの 福音派に属している。両事例とも,運営者は,食事会 等を通じた信徒同士の交流深化や,近隣地域への奉仕 活動及び施設貸出による地域貢献に意欲的であった。 参与観察調査により,信徒同士の交流深化や奉仕活動, またノンクリスチャンへの伝道は,信徒の信仰生活の 一部であり,それらが地域との連携につながっている ことが分かった。 7.困り事の調査 7.1.アンケート調査  事例PAと事例PSの利用者と,筆者の所属する大 学の留学生会会員のなかで教会利用経験のある学生の うち,自身が「海外に血縁や文化的なルーツを持つ」 と回答した人を対象にアンケート調査を行い,30 件の 回答を得た。  図4に回答者の属性を示す。回答者の得意な言語は, 「日本語」と「韓国語」が過半数を占め,日本や韓国に 血縁や文化的なルーツを持つ回答者が多い傾向があっ た。「日本に住んでいる期間は20 年以上」と答えた回 答者は全体の6割であり,日本に来た理由は「日本で 生まれたから」と答えた回答者が全体の5割である。 7. 2.クラスター分析による課題の類型化 住民の困り事の傾向を把握するため,アンケート中 の「回答者や回答者の家族が日本での生活で困ってい ること」の回答項目についてクラスター分析から以下 3つの類型を得た(表9)。 ■『クラスターⅠ:人間関係型』:「偏見・差別/日本人 とのトラブル/近所付き合い」といった人間関係に 悩みを抱える回答者 ■『クラスターⅡ:生活型』:「物価が高い/情報が少ない」 といった日常生活に関する悩みを抱える回答者 ■『クラスターⅢ:順応型』:「悩みが特にない」と回答 した回答者 特に『Ⅰ:人間関係型』は「偏見・差別(100%) / 日本人とのトラブル(50 %) / 近所付き合い (66.7%)」を選択した回答者が多い傾向がある。また 『Ⅱ:生活型』は「友人が少ない」を選択した回答者が 多く(83.3%),「偏見・差別(16.7%)/日本人との トラブル(16.7%)/近所付き合い(0%)」である。 このように,『Ⅰ:人間関係型』は日常生活項目で の困り事がある回答者は少ない傾向がある。これは, 『Ⅰ:人間関係型』の回答者は,周囲の日本人を含む人々 との日常的な関係があり,困り事が人間関係項目で発 図5 困りごとクラスターと同居者・付き合いが多い人の クロス集計 図4 回答者の属性 表9 困り事による分類分け − 150 − 生しやすい一方で,日常生活項目での困り事が少ない と考えられる。また,『Ⅱ:生活型』は周囲との人間関 係が構築できておらず,このことが情報収集の難しさ や頼り先がない等に繋がり,生活項目の困り事に影響 している可能性が考えられる。 7. 3.クロス集計による分析と考察 困り事の3類型と「回答者が現在一緒に住んでいる 人」,「回答者が普段どのような人と付き合うことが多 いか」のクロス集計を図5に示す。  まず,自身の親と同居している回答者(13 人中8人 / 61.5%)と,兄弟姉妹と同居している回答者(6人 中4人/ 66.6%)が『Ⅲ:順応型』に属する傾向があ る。一方,ひとりで暮らしている回答者(9人中5人 / 55.6%)が『Ⅰ:人間関係型』もしくは『Ⅱ:生活型』 に属している。回答者が日常的に頼れる人がいること と困り事の有無には関係があるといえる。  また,日常的に日本人と付き合う機会が多い回答 者,(29 人中18 人/ 62.1%)が『Ⅲ:順応型』であ る。日本語での交友関係を持てる相手の存在の有無と, 日常生活での困り事の有無には関係があると考えられ る。これは住民同士の交流拡大が困り事の解消に有効 な手段である可能性を強化する結果であり,交わりを 生む様な活動を支える拠点が身近な地域にあることの 有効性が示唆された。 8.まとめ  本研究では,多文化共生社会実現に向けた,地域コ ミュニティとその拠点の実態把握を目的とし,東京都 足立区において,在留外国人を始めとする,海外に血 縁,または文化的なルーツを持つ住民を対象とした活 動を行う事例のうち,主に日本語学習拠点と宗教活動 拠点の実態調査,拠点の利用者や留学生を対象とした アンケート調査を行った。 ■実態調査   日本語学習拠点では,外国人居住者 の重要な生活基盤のひとつである語学学習を,教育関 連施設が担っている実態が明らかになった。また,実 態調査を行った事例は拠点の周辺に駅や飲食店が充実 している[住商混合地域]に立地していた。駅に近く, 飲食店等を利用して主な活動以外で交流機会を設けら れるため,多様な交流・活動の場を比較的広域の対象 者に提供できると考えられる。このような多様な交流 や活動の場を提供する拠点の存在が,包摂的な地域コ ミュニティの醸成に繋がっていると推察する。  宗教活動拠点では,信徒らの信仰生活を支える活動 が結果的に地域との連携を生み,住民の民族的・文化 的・社会的背景に依拠することの無い相互扶助を支援 している実態が明らかになった。 ■アンケート調査   宗教活動拠点の利用者や,大 学の教会利用経験のある留学生のうち,「海外に血縁, または文化的なルーツがある」と答えた住民を対象と したアンケート調査では,困り事の類型化を行い,拠 点の利用者同士の交流拡大が困り事の解消に有効であ る可能性を指摘した。これにより,海外にルーツを持 つ住民の身近な地域に,住民同士の交流起点となる活 動を支える拠点があることの有効性が示唆された。  地域コミュニティにおいて,住民による共生社会実 現へ有効な活動は幅広く,今後もコミュニティ拠点で の相互扶助に寄与する活動の発展やその整備を行う必 要があるといえる。 謝辞 本研究にご協力いただきました皆様に,篤く御礼 申し上げます。なお,本研究は,科学研究費補助金(基 盤B)「「利用縁」がつなぐ福祉起点型共生コミュニティ の拠点のあり方に関する包括的研究(研究代表者:山田 あすか)」の一環として行われました。 注釈 注1)参考文献8)9)より,足立区の町別可住面積あたりの在留外 国人居住登録数(居住密度)を計算した。 注2)参考文献10)より,『日本語能力を見ると、「聞く」「話す」 「読む」「書く」ともに、日本語学習の期間が長いほど、能力 が高い傾向にある。日本語学習を継続する効果は大きいもの と想定される。』とある。 注3)表中の教室内写真の撮影者はKHの運営者であり,許可を 取り掲載している。 注4)表7中の「運営主体」「信仰」の項目(各事例が信仰する 宗教のデータ)は、まず各事例のWebサイト上から“ プロ テスタント○〇○教会“ や、” カトリック△△△教会“ といっ た名称の情報から信仰を判断し、データを提示した。また一 般に、「神父」はカトリック教会の司祭に対する敬称で、「牧師」 はプロテスタント教会で、教区・教会の管理や信者の指導を する職の人を指すため、Webサイト上での代表者の敬称か ら信仰を判断し、データを提示した。 注5)2021 年現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で,昼 食の提供は中止している。 注6)表中の写真は各施設の許可を得て撮影・掲載している。 参考文献 1)法務省出入国在留管理庁:「令和元年6月末現在におけ る在留外国人数について( 速報値)」, 法務省( オンラ イン)<http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/ − 151 − nyuukokukanri04_00083.html>  参照2020-07-05. 2)法務省出入国在留管理庁:「【令和元年6月末現在】公 開資料」, 法務省( オンライン)<http://www.moj.go.jp/ nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00083.html> 参照2020-07-05 3)筧政德,小松尚:外国人居住者の居場所形成における空間的 課題- A団地において自主建設されたものの,撤去された店 舗群の分析. 日本建築学会計画系論文集, 第79 巻, 第704 号, 2014 年, 2165-2172 4)法務省:「在留外国人統計(旧登録外国人統計) / 在留外国 人統計」, e-Stat 政府統計の総合窓口(オンライン)<https:// www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&t oukei=00250012&tstat=000001018034&cycle=1&year=20 190&month=12040606&tclass1=000001060399> 参照2020-07-05 5) 東京都総務局統計部:「10 月 第1表 区市町村別国籍・ 地域別外国人人口( 上位10 か国・地域) 」, 東京都の統 計( オンライン),<https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/ gaikoku/2019/ga19010000.htm> 参照2020-07-10 6)足立区:「足立区多文化共生推進計画」,足立区(オンライ ン)<https://www.city.adachi.tokyo.jp/chiiki/ku/kuse/k-h-ctabunka2018. html> 参照2020-07-05 7) 東京メトロ:「各駅の乗降人員ランキング」,<https:// www.tokyometro.jp/corporate/enterprise/passenger_rail/ transportation/passengers/index.html> 参照 2021-02-27 8)足立区:「足立区の町丁別の世帯と人口令和元年11 月1 日 現在」, 足立区( オンライン),<https://www.city.adachi. tokyo.jp/koseki/ku/aramashi/toke-machi-r011101.html> 参照2019-11-27 9)東京都総務局統計部:「平成27 年国勢調査 東京都区市町村 町丁別報告」,東京都の統計(オンライン),<https://www. toukei.metro.tokyo.lg.jp/kokusei/2015/kd15-01data.htm> 参照2019-11-27 10)イノベーション・デザイン&テクノロジーズ株式会社: 「平成28 年度日本語教育総合調査」,文化庁(オンライ ン),<https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/ tokeichosa/nihongokyoiku_sogo/pdf/r1403497_01.pdf>   参照2021-05-05 − 152 −

 

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