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佐藤雅美の物書同心居眠り紋蔵シリーズの『向井帯刀の発心』を読んだ。居眠りという題がつく小説には『居眠り磐根江戸双紙』シリーズがあるが、こちらは磐根の剣法が年寄猫が炬燵で居眠りをしているようだということで、居眠り磐根と名がついた。『物書同心居眠り紋蔵』の方は、南町奉行所の物書同心である紋蔵に居眠りをする病気があることからついた。これまでも何作か読んでいるが、八戸の古本屋で見つけて購入しておいた。
『向井帯刀の発心』は、本書の中の7作目にあげられている作品である。
『与話情浮き貸横車』、『歩行新宿旅籠宿』、『逃げる文吉』、『黒川静右衛門の報復』、『韓信の脵くぐり』、『どうして九両三分二朱』、『向井帯刀の発心』が掲載されている。
紋蔵は一時常回り方に配属されていたが、再び例繰方に戻され物書きに専念している。すでに長男は養子に出、今度は次男にも用紙の話が出て跡継ぎに紋蔵は頭を悩ませる。貰い子の文吉も不動岩の倅の世話になると家を飛び出し、娘・絹も嫁に行く。こん中で、上役の吟味方与力・黒川静右衛門から子供喧嘩をめぐって無理難題を押し付けられる。このシリーズでは、居眠りばかりしている紋蔵が問題を解決する特殊な才能を発揮するところが読どころだろう。
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