山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『源 義経』=長部日出雄著

2012-07-31 14:44:22 | 読書
 義経を書いた作品は沢山あるが、長部日出雄なる著者については知らなかった。長部日出雄は昭和9年、青森県生まれというから存命であれば相当の年齢ということになる。作品は「学研」版で、「書下ろし歴史シリーズ」の1冊として昭和57年に初版が出版されている。
 この作品では東北出身者らしく、奥州藤原氏の出自や藤原氏が開いた平泉という町のことなど、東北の視点で書いていることが興味深かった。いずれにしても戦では天才的才能を発揮する義経が、政治では幼児のように後白河法皇などに翻弄され、兄・頼朝の圧力で藤原泰衡に攻め殺されてしまう。その泰衡も、頼朝によって攻め滅ぼされ鎌倉の武家政権が確立していくのだが、本書では義経最後の時、2人の義経がいて1人が北方に逃れたという「北方行」の伝説をにおわせる結末になっている。
 大野図書館の蔵書の中から借り出して読んだ。

ユウガオの炒め煮

2012-07-30 18:30:36 | グルメ
 毎日暑いですね~!今日も田んぼの草取りをやって、午前中で汗が長袖のTシャツをびしょ濡れにしパンツまでおもらししたみたいにびしょ濡れになった。弁当を食って午後の作業にかかったが、1行終わったところでギブアップ。熱中症寸前の状態に思われたので切り上げ、家に帰りとりあえず風呂で水をかぶり着換えをした。それでもしばらくは動く気が起きず、扇風機の風を浴びながら体を冷やす(わが家にはエアコンなどというものはない)。少し落ち着いたので、週2回は届けることにしている種市地区の日刊紙を届けがてら、久々にアグリパーク大沢で風呂に入る。その後新聞を届け、種市の「ユニバース」(スーパーの名前)で買い物をした後、種市の産直に行く。午後4時を過ぎれば産直ではめぼしいものは売れてしまっている。そこで同じ敷地内の八百屋に行って長ネギを買った。その店に「ユウガオ」があったので買ってきた。わが家は現在大人4人の世帯なので、丸ごと買ってくれば食べきる前に腐ってしまうので、カットされたものを200円で購入。家に帰って「ユウガオの炒め煮」をつくった。ユウガオとピーマンを油で炒め、酒、みりん、出汁醤油で味付けし、最後の一味唐辛子を振って出来上がりである。ピーマンのところが青唐辛子(鷹の爪)であれば、一味唐辛子を振る必要はない。
 ところで「ユウガオ」は、私の故郷(群馬)の方では、丸いもので細く剥いて干して「カンピョウ」になると思っていたら、岩手では細長い物が主流で、料理は「炒め煮」と決まっているらしい。縁あって妻と結婚し、この家に入って義母がつくった「炒め煮」を散々食べさせられた。今は私がつくっている。わが家では夏の定番料理で、しばしば食卓に登場する。

まちなかフェズタin大野開催

2012-07-29 17:22:24 | 地域
 今日(29日)、「第3回洋野町まちなかフエスタinおおの」が、おおの物産館前の広場で開催された。まちなかフェズタは「がんばる大野研究会」が主催して開いているもの。「がんばる大野研究会」は、町商工会青年部の大野地域のメンバーが中心になり役場の企画課もかかわっているとのことだ。
 午後3時30分から開会行事が行われ、町内の太鼓グループの演奏や大野高校、大野中学校のブラスバンドの演奏などが展開された。まったく暑い中の行事で、なかなか大変だったと思う。
 実行委員会の企画なのだろうか、かつての「駄菓子屋」が臨時に開店していて、子供たちが物色していた。駄菓子屋が現役で、我々も小銭を握りしめて足を運んだことを思い出す。

猛烈な暑さの中の作業で音を上げる

2012-07-28 17:04:29 | 農作業
 「梅雨明け」と同時に猛烈な暑さがやってきた。今日も朝から田んぼに出てまず田に水を入れる。今日は先日残した残りの2枚に殺菌剤(イモチ病対策)を散布するのだが、散布後3~4日は水を入れず自然に減っていくのを待つだけなので、最低でも3㌢は水が入ったいないと困る。1番上は別の水源なのだが、2枚目から4枚目は同じ水源で2枚目、3枚目、4枚目と順に水がおりてくる。朝5時前に水源を開いておいたが、朝食を済ませて行ってみると4枚目の田にはまったく水が来ていない。そこで、先日やり残した土手の草を刈っておいたのを焼き払いにかかる。昨年はほとんどこの作業はできず「めぐさい」=みっともない=状態だった。作業をしていると、わが家の田んぼの内「転作」になっている分の牧草を刈りに委託しているOさんがトラクターでやってきた。都会の方にはわからないと思うが、転作で一番面倒が少ないのが「永年牧草」にしておくことだ。ところがわが家には牛もいなければ馬もいない。畜産農家で刈りはらってくれなければ、自分で刈り払い機で刈り、乾燥させたうえで意味もなく焼き払うことになる。何年か前まで川をはさんだ向こう側の田がそういう状態になっていて、しかもカヤ、ヨシなどは密生しなんともならない状況だったのを真夏のクソ暑い時期に刈り払い、夏の終わり頃ひたすら焼却処分をしたものであった。
 写真は、作業中のOさんのトラクターを写したもの。
 それでも水が溜まらず、午前中はオモダカなどの雑草を手で引く抜く作業をした。昼食時に見てみると何とか水が行き渡ったので、肩にかける散布機で散布を始めた。除草の方は、自分のペースでやればいいのだが、薬剤散布は一定の速度で歩きながら、これも一定の速度でハンドルを回さないとならない。田んぼの中を一定の速度で歩くというのは、大変疲れる仕事である。12時30分から3時30分まで約3時間、猛烈な暑さの中の作業で、熱中症になりかけたような感じだった。

『テンペスト』(上下)=池上永一著

2012-07-27 07:36:34 | 読書
 『テンペスト』は以前NHKでドラマ化されたのを再放送でしかも部分的に視たので記憶にはあったが、原作を読む機会はなかった。大野図書館で本を物色していると、今年2月の購入図書として本棚にあったので借り出して読んだ。
 作者の池上永一は1970年沖縄那覇市の生まれで、石垣島在住らしい。小説の題名の「テンペスト」=Tempesuto=は、あらし、暴風のことだ。すなわち、江戸時代末期、清朝と薩摩との間に難しい関係にあった琉球王朝が、列強の東洋進出と日本の維新開国などによって、王朝崩壊し沖縄県として日本の一部に併合されていく過程を、王朝に仕えた孫寧温(宦官)と真鶴の1人2役の心の葛藤を通じて描く物語だ。もちろん、すべてが史実でないことははっきりしているが、沖縄が過去どんな歴史をたどってきたかうかがい知ることのできる小説になっている。
 『テンペスト』に先立って読んだ『琉球の風』では、徳川初期に薩摩が琉球に攻め入り、王朝を支配を及ぼす過程が描かれたが、この2作を関連付けて読むと、沖縄というものが少しは理解できると思う。
 現代の沖縄は第2次世界大戦終戦以後、アメリカ軍の膨大な基地を押し付けられ、今またオスプレイという欠陥機を持ち込まれようとしているが、沖縄の人々が「非暴力」で様々な問題に立ち向かい、自らの尊厳を守ってきた歴史に立って、今また全県民的たたかいをおこうそうとしていることに強い共感を覚える。