義経を書いた作品は沢山あるが、長部日出雄なる著者については知らなかった。長部日出雄は昭和9年、青森県生まれというから存命であれば相当の年齢ということになる。作品は「学研」版で、「書下ろし歴史シリーズ」の1冊として昭和57年に初版が出版されている。
この作品では東北出身者らしく、奥州藤原氏の出自や藤原氏が開いた平泉という町のことなど、東北の視点で書いていることが興味深かった。いずれにしても戦では天才的才能を発揮する義経が、政治では幼児のように後白河法皇などに翻弄され、兄・頼朝の圧力で藤原泰衡に攻め殺されてしまう。その泰衡も、頼朝によって攻め滅ぼされ鎌倉の武家政権が確立していくのだが、本書では義経最後の時、2人の義経がいて1人が北方に逃れたという「北方行」の伝説をにおわせる結末になっている。
大野図書館の蔵書の中から借り出して読んだ。
この作品では東北出身者らしく、奥州藤原氏の出自や藤原氏が開いた平泉という町のことなど、東北の視点で書いていることが興味深かった。いずれにしても戦では天才的才能を発揮する義経が、政治では幼児のように後白河法皇などに翻弄され、兄・頼朝の圧力で藤原泰衡に攻め殺されてしまう。その泰衡も、頼朝によって攻め滅ぼされ鎌倉の武家政権が確立していくのだが、本書では義経最後の時、2人の義経がいて1人が北方に逃れたという「北方行」の伝説をにおわせる結末になっている。
大野図書館の蔵書の中から借り出して読んだ。