梓林太郎の『奥能登 幻の女』を読んだ。探偵役は道原伝吉刑事である。道原としばしばコンビを組んできた伏見日出男が長野県警山岳救助隊に採用され、代わりに岡島が道原とコンビを組む。事件の発端は、歓送迎会のさなかに穂高町の碌山美術館の裏の農道に男が倒れていると通報があったことからはじまる。男の住まいを捜索すると能登半島のある町から、男のところに手紙が来ていた。その手紙の発信者を追って、道原と岡島は能登へ飛ぶ。能登には民宿経営者の殺人事件があり、その民宿の娘が手紙の発信人であることがわかる。しかも、その娘の父親が和倉温泉の老舗旅館の息子であったことなどを道原たちが次々に解明していく。そしてついに、殺人事件の犯人がわかるというストーリーだ。相変わらず道原の人情刑事ぶりと、しかし事件にひたむきに切り込んでいく姿勢と、描き出される山の風景はもとより、奥能登の風景まで目に浮かぶようである。能登半島から、雪の立山連峰をいつの日か眺めて見たいという気持ちにさせられた。
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