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山本兼一著の『花鳥の夢』を読んだ。本は、文藝春秋社の上製本で2013年4月に第一刷が発行されたものである。『花鳥の夢』そのものは、『別冊文藝春秋』の2009年11月号から2012年9月号まで連載れたもので、単行本刊行にあたって加筆・修正が行われた。この本の主人公は、狩野派を率いた加納永徳の物語である。山本兼一は長谷川等伯を書いた『等伯』もものにしている。この他に『利休にたずねよ』安土桃山時代の芸術にかかわった人物を書いている。私は、一応中学生時代は美術部の部長などをしていたこともあるので、加納永徳の絵もいくつか鑑賞した。山本兼一は、時の権威ある絵師でありながら、なお創作に苦しむ永徳の姿を余すとこなく書き出していると思う。
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