日本には原生林というのは、今ある森林の4%しかないそうです。
原生林というのは、長い間かかって、自然の森として安定した森のことです。
今ある自然の森はある程度、人の活動で伐採されたり、火災などがあったと言われています。
そのため自然遷移が一から始まり、まだ最終の極相まで落ち着いてない段階の森が多いのです。
日本は戦国時代で信長や秀吉、家康が群雄割拠、下剋上の時代がありましたからね。
また、第二次の戦禍も日本中が経験しました。その時、資材のために、木材もこれも山のてっぺんまで伐採して使用したそうです。
そういう戦火を何度も越えているので、人の手がある部分はある程度、仕方ないのでしょう。
しかし、戦後約80年、信長の時代、関ヶ原の戦いからは420年・・・
ようやく落ち着いたところで、かなり自然は回復し、今から自然豊かな世界で平和に暮らせるはずが、自然は現代の人間がじわじわと開発しております。(弱ったことです)
原生林の森になってくると、木の幹回りが違うので、だいたい原生林の森と分かるそうです。
それから枝ぶりや根っこなども、にょきにょきしています。古木らしい姿があります。
この原生林には、普通の森とは違う生物多様性があると言います。
海外の環境ニュースでは、古森林には特有の生態系があること、多くの数の昆虫などがいたことが調査されました。
つながるひろがる環境情報メディア
環境展望台
海外ニュースで、
「フランス生物多様性庁、古森林の重要性を伝える冊子を公表」
フランスの国立公園の調査では、古森林の森では、虫目の昆虫はフランス本土全体の半分にあたる約5000種、キノコ類は75%に当たる1万5000種が存在するということが分かったそうです。
古森林には、多くの動植物が存在するのは、長い間、経過した結果、生息地、生態系のあちこちに、いろいろな生物や植物が中に入り込むのでしょう。
私のイモムシの話になりますが、青いイモムシの他に、いろいろな虫がいたり、飛んで来たりしますが、一つとして同じものはないです。
小さな庭ですが、その枠の中でも空き場所にはいろいろな生物が入って来て、さまざまな生物が暮らすのです。
それが原生林となったら、どれほどの生き物が暮らしているでしょう。
またその中の様子は、とても安定していると思いますね。
キアゲハはセリ科の草につくのですが、そこには同じくセリ科につく昆虫がやって来ます。
それをじっと観察していると(野放し)卵がつき、その昆虫がどんどん増えていくのです。草を枯らすほどではありませんし、どっちゃりいるわけでもない、ほんの少し、数十匹程度。
食物連鎖があって、大量に生まれても数は落ち着くのです。そしてそのまま、セリ科の植物(パセリ)も長いこと生えており、長いこと、虫も暮らしています。
草一つとっても、そこにいる昆虫は弱肉強食で生まれては消えながらもある一定数は継続しながら、ずっとそこにいるのだなと思います。(私の目論見としては、生態系ボトムアップで、ツバメのエサ用)
これが里山や、畔や田んぼでは、一年に何度も伐採があるから、あまり増えないだろうと。
これが原生林の森だったら・・・毎年、同じ虫が増えたり、それを食べる鳥たちもエサに不足することはないので、消える心配がない。自然の世界が出来上がっているので、毎年、秩序だったことが起こって、ゆっくりとしか変化がない。
そこにある種、それぞれに、かなり安定した種、それぞれの安定した暮らしがあるのでなかろうかと、私も思います。
いろいろと他にも多くの機能や仕組みがあると思われます。
原生林や原生林に近い森というのは、私も見たことがあります。
私もインドアで登山などしないのですが、なぜか、とある山に登ったのでした。
アカガシやスダジイの森でしたが、例によって、同定が苦手な私には難しかったですが、高木と低木が生えており、高木の伸び広がりが大きかったです。
その山頂付近はやはり、厳かなパワーを感じたものです。
古い森の例です。
兵庫県の大カツラ
羽尻の大カツラ © rikky_photography クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
上はカツラですが、私が見たアラカシの森に近いのがこの写真、高木もこんな感じで、厳格な感じで静かに立ってました。
青森県 白神大地の森
青森 白神山地 ブナの原生林 © T-KIMURA クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
有名なのは、屋久島の縄文杉の森も有名ですね。
他にも日本には原生林という場所はけっこうあります。
さまざまな動植物がいる昔から(と言っていいのか分からないぐらい昔から)、続く自然の営みを残す森というのは、木からして違うのですから、そこに入り込む動物たちの生態体系などはもちろんのこと、昆虫やキノコや地衣類なども、違うものがあるのは間違いないでしょうね。
こうした原生林にはずっと積み上げられて来た表土や種もあるでしょうから、大事にしたいですね。
そこらへんのまだ若い森だっていつかは古森林です。これも未来の原生林です。