前の記事で、森林地帯をつないだヤマネコの路線図のことを書きました。
森林や川、岩地などいろいろつないだネットワークでした。
ドイツでは自然の形態としてあるものは、さまざまに使っているようです。
その上、つなげる部分も半分生息地として考えたり、重要エリアの補足的な生息地としても見ています。
こうしたコリドーも動物による移動距離を考えて広さや長さを考察されています。
今回は大型のものではなく、ほんのちょっとした縁(ふち)や余白のコリドーのことです。
下の写真はドイツの考えられたものではありませんが、例として、参考のためにドイツのwikiから引用します。
ヴィルハルム、2020 年 8 月 27 日: カンプスタールとクレムスタールのヨーロッパ保護区のストリップ回廊@アイルーラCC BY-SA 3.0
畑の余白 現在、農家は耕作されずに放置することで報酬を得ることができます。菜の花畑の隣。ルーシー・ウッドが背景にいます。
@ヒュー・ヴェナブルズ CC BY-SA
マルテンの南の畑の縁@ブライアン・ロバート・マーシャルCC BY-SA 2.0
このような余白、フィールドマージンで、コアエリアをつなぐことも出来ます。
以下、私が日本版、日本語で、こうしたフリンジ、縁、余白となり得る場を出してみました。
以下のHPを参考に、日本ではどのような部分が、小道(パス)となるのか並べてみました。
ドイツ ウィキ ビオトープネットワーク
畑の縁、畑の外縁、周辺。日本でいう畔、岸、護岸、縁(へり)縁(ふち)、畑の端、畑と畑の移動部分
この余白は、ドイツでは、参加農家に保証金を払うことで、フィールドマージン計画での推進をしているとのこと。
道端・・・堤防、路肩。エッジゾーン。
(この部分の草刈りの回数は年、2,3回が生物多様性には良い、私調べ)
小径沿い、小道沿い。
前回書きましたが、表土をひっぺ替えし道路工事や法面工事の整地工事をしたら、畔は終わると書きました。
その表土が、旧来続いた表土であるべき時の話ですね。
こうした場にも農薬や除草剤が撒かれて、枯れていたりします。
最近、それでミツバチのほか、昆虫も減っていると言います。
これは海外では禁止されているネオニコチノイド系の農薬によるとも言われています。
EUでは禁止されて長いのに、日本ではむしろ緩和したのだとか。(何なのか・・・)
こうした場は用意しても、農薬や除草剤の使用も考えてないといけませんね。
道路わきの緑地・・・一般道、車道の道沿い。
岸壁・・日本の石積み、石垣と同じようなもの、ドイツでも棚田もあって、石垣もあります。ここにも在来種の生物や植物が住みつきます。
堤防・・川や池などの自然の堤防、斜面。
小道や道端・・・農道、林道、登山道、谷道、川道の道沿い。・・・厳しい条件下のほうが草地になる。
敷石、未舗装の土の道、砂地・・こうした荒地みたいなところもあり得る
生垣・・・防風林のようなもの。ドイツでは田んぼの間とかに生垣とか、防風林とか、垣根みたいなものが多く田舎に残されており、鳥の生息地にもなっています。(前回記事、モズのところでもちょっと出ました。)
ご参考に
写真だけでも、見てみるのも良いと思います。
ドイツ NABU
Blühende Vielfalt am WegesrandWegraine erhalten und wieder entwickeln
どの箇所でもどのような形態でも、どの植生でも活用は出来るということです。
本来自然があるところ、自然再生するところは、自然を生き残らせる、本来あるべき自然回復をさせるほうがいいでしょう。
ただ、それ以外、農村の端っことか、田んぼの端、道の端、小道など、在来種を生やしたりする場所に活かせるのでないかということです。
特に日本では、この余白がないと思います。
隙間ゾーンがあってもセメントで固め、川岸もセメント張り、森の中の小道もセメントを張ってます。
もしくは、そこをセイダカアワダチソウでいっぱいにして放置しておくとか、除草剤を撒いておくだけとか。
最近の外国からの観光客は、本物の自然があるところしか行かないと言います。
確かに、自然の考えは、西欧などのほうが進んでいますので、道を通れば外来種だらけ、除草剤を撒いて枯らしておくだけ、森はつなげてない、コアエリアもバッファゾーンもない。
という西欧ならあるものがないってのが、外国人からどう見られているのかとそれは、思います。
こういう空間が多くあることで、人にとっても癒しゾーンや休憩所や景観になってくるのでないでしょうか。