森の議会の話 3です。
白いうさぎは「気持ちをつなげたか」と聞きました。
意見が違うのは悪いことではないのに、それをグループごとの足し算で結論を出そうとしてしまいました。議論の質は声の大きさでも数でもないのに、それを量に置き換える繊細な場面を乱暴に扱ってしまったことになります。
ここを大事にしないと、こういう案の方が良かったのではないかと後で聞かれた時に説明がつかないことが多くなります。
例えば、10が良いというグループと6が良いというグループが、お互い妥協しないで多数決してしまえば、本当は8が一番良くても、6や10で決着してしまいます。住民投票でも10と6を選べと言われてしまい、9や8や7を選べない理由を説明出来ませんでした。気持ちをつなげようと思えば、少なくとも9か7を選べということになったかもしれません。
続けて、白いうさぎはみんなに聞きます。
「子供うさぎはどんな机が欲しいのか?」ここのポイントは、大人のうさぎがどんな机をプレゼントしたいかではなく、子供うさぎが何を欲しいかが大事ということですよね。
先の話で言うと、子供うさぎがもし8の机が欲しかったのであっても、間接代表に委ねればもう8の机は手に入らなくなります。
住民の福祉の増進は、必ずしも議員各々が持つ正義を力で示すことでなく、あくまで住民が何を求めているかを見つめて示されるもの。議員は議会の構成員として、個別的事案の解決だけでなく、市民全体の福祉の向上を目指すことが求められます。
もう一つ、白いうさぎは聞きます。
「同じ気持ちになろうとはしなかったのか?」この意味は、もちろん意見を言った後の“討議”というプロセスのこと。
私は、意見を言った後になぜすぐに多数決を取らずに討論があるのか、無駄な儀式が残っていると感じていました。多くの議会で本会議の委員長報告の後に、討論・採決へと日程が移りますが、その間に賛否が覆るようなことはほとんどありません。
議長を決める選挙などの議会内人事案件では誠に器用に最終日まで妥協案を交渉したりするのですが、議案に関する決定にはそのような努力が頻繁に起こりません。議員は、議会の機能を発揮するため、積極的に議員相互間の自由討議に努め、議論を尽くしていかなければなりません。
議会は住民投票にならないように、最小経費で最大効果をあげなければなりません。白黒うさぎたちは、そこを怒っていたのですね。
以上、長々と綴らせて頂きましたが、まとめると以下が住民投票で私の学ばせて頂いたこと。。
直接民主制と間接民主制の限界を知識として携え、そして討議の重要性を文化として培っている議会こそ目指すべき議会でありました。
そして議会改革では、ルールを変えることより、文化を変えることの方がもっと重要だということに気付きました。12年間の議員生活でよく理解出来ていなかった点をいまさらながら反省しています。
それと最後に、物語に出てくるキツネとタヌキは、マスコミとキャスターたちです。グルになって他人事を飯の糧にしているように感じたからです。
それでは。長い間、お付き合いありがとうございました。
白いうさぎは「気持ちをつなげたか」と聞きました。
意見が違うのは悪いことではないのに、それをグループごとの足し算で結論を出そうとしてしまいました。議論の質は声の大きさでも数でもないのに、それを量に置き換える繊細な場面を乱暴に扱ってしまったことになります。
ここを大事にしないと、こういう案の方が良かったのではないかと後で聞かれた時に説明がつかないことが多くなります。
例えば、10が良いというグループと6が良いというグループが、お互い妥協しないで多数決してしまえば、本当は8が一番良くても、6や10で決着してしまいます。住民投票でも10と6を選べと言われてしまい、9や8や7を選べない理由を説明出来ませんでした。気持ちをつなげようと思えば、少なくとも9か7を選べということになったかもしれません。
続けて、白いうさぎはみんなに聞きます。
「子供うさぎはどんな机が欲しいのか?」ここのポイントは、大人のうさぎがどんな机をプレゼントしたいかではなく、子供うさぎが何を欲しいかが大事ということですよね。
先の話で言うと、子供うさぎがもし8の机が欲しかったのであっても、間接代表に委ねればもう8の机は手に入らなくなります。
住民の福祉の増進は、必ずしも議員各々が持つ正義を力で示すことでなく、あくまで住民が何を求めているかを見つめて示されるもの。議員は議会の構成員として、個別的事案の解決だけでなく、市民全体の福祉の向上を目指すことが求められます。
もう一つ、白いうさぎは聞きます。
「同じ気持ちになろうとはしなかったのか?」この意味は、もちろん意見を言った後の“討議”というプロセスのこと。
私は、意見を言った後になぜすぐに多数決を取らずに討論があるのか、無駄な儀式が残っていると感じていました。多くの議会で本会議の委員長報告の後に、討論・採決へと日程が移りますが、その間に賛否が覆るようなことはほとんどありません。
議長を決める選挙などの議会内人事案件では誠に器用に最終日まで妥協案を交渉したりするのですが、議案に関する決定にはそのような努力が頻繁に起こりません。議員は、議会の機能を発揮するため、積極的に議員相互間の自由討議に努め、議論を尽くしていかなければなりません。
議会は住民投票にならないように、最小経費で最大効果をあげなければなりません。白黒うさぎたちは、そこを怒っていたのですね。
以上、長々と綴らせて頂きましたが、まとめると以下が住民投票で私の学ばせて頂いたこと。。
直接民主制と間接民主制の限界を知識として携え、そして討議の重要性を文化として培っている議会こそ目指すべき議会でありました。
そして議会改革では、ルールを変えることより、文化を変えることの方がもっと重要だということに気付きました。12年間の議員生活でよく理解出来ていなかった点をいまさらながら反省しています。
それと最後に、物語に出てくるキツネとタヌキは、マスコミとキャスターたちです。グルになって他人事を飯の糧にしているように感じたからです。
それでは。長い間、お付き合いありがとうございました。
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