【体型別で解決】ハムストリングス付着部痛

【はじめに】
今回は「ハムストリングス付着部痛」のサポート風景になります。「ハムストリングス」とは、腿裏（もも裏）にある筋肉で、骨盤のお尻の部分（坐骨）に付着していて、この部分に痛みを感じる症状です。ランニング障害としてはレアなトラブルです。今回は、一般的に言われていることも踏まえつつ、どのようなメカニズムと考察に基づいてアプローチし、どのように解消していくのかを掲載してみます。


【STEP１】シューズ選び

シューズはクッション性も大事なのですが「ねじれ特性」も意識しておきたいポイントです。今回は「ストレート特性」と「スライス特性」のシューズを履かれていましので「フック特性」のシューズに変更して頂きました。厚めの底がブームになっていて、クッション性も高いことは高いのですが、「ストレス方向」が合っていないと、今回のような「付着部痛」のような原因となってしまいます。
※シューズの特性について詳しく知りたい方は「ランニングシューズの選び方」STUDIO TAC CREATIVEにて


【STEP２】骨格リセットストレッチ

次に、身体のコンディショニングにも取り掛かります。ハムストリングス付着部痛というと、一般的に「ハムストリングス（腿裏の筋肉群）」のストレッチが知られています。しかし、こちらの筋肉が牽引（引っ張られる）されることにより痛みが発生しています。直接的なストレッチは当然禁忌プログラムです。

それよりも拮抗筋である「大腿四頭筋」であったり「内転筋」の拘縮により、股関節の動きが制限され、一部分での動作によるランニングがトラブルの原因でした。これらの筋肉のストレッチを行うために「立ち膝座り（ストレッチ名称）」や「中段蹴り（ストレッチ名称）」を毎日丁寧に続けて頂きました。
※骨格リセットストレッチについては「骨格リセットストレッチ」青春出版社にて


【STEP３】体型別の走り方

ハムストリングス付着部痛は「着地時の衝撃」を前ももの筋肉や内転筋が固まることで、股関節の動きが制限され、悪いストレスが蓄積していくためと考えられます。これが「シューズ」だけの問題なのか、「大腿四頭筋の硬さ」だけの問題なのかというと、本当の原因は「着地の仕方」さらには「走り方」の問題にまで追求していく必要があります。
今回のケースも御多分に洩れず「走り方を間違えていた」ことに起因していました。ただ、それだけに留まらず、お仕事が「立ち仕事」という生活習慣ということ、さらに引き起こしやすい「体型」だったということが判明しました。
お仕事は変えられないのですが、「走り方」は変えることができます。
今回の方の体型（骨格）が非常に複雑で、走り方も複雑になっていました。要素として「ピストン」「ツイスト」「スイング」「ツイスト」という、少なくとも複合的な動き（走り方）をしなければならない身体だったのです。
※詳細は「トップアスリートのランニングフォームで自己記録がぐんぐん伸びる本」STUDIO TAC CREATIVEにて



【STEP３】Kinetic Chain Control

人間の身体は機械（メカ）とは異なり、取り替えるというような「直し方」ではありません。毎日の、毎秒の「治癒」を如何に活用するか、ここがポイントとなることが分かりました。つまり治療に通うというよりも「日々、どうやって変えていくか」が一番重要なのです。また、損傷の程度とのバランスをとりながら「同じ悪いストレス」を受けないようにしていくことが本当の解消と再受傷予防になります。これ以外に道はありません。
そのときに非常に有効と考えられるのが「運動連鎖（Kintic Chain：キネティックチェーン）」を利用したメソッドでした。現状の癖のある筋バランスから、スムースな動きのできる筋バランスへと変えていくための方法です。アスリートであれば、練習中に。また本番中にも。一般の方でも、日頃の動きから変えていくことができます。
※詳細は「ランニング障害改善BOOK」STUDIO TAC CREATIVEにて



＊トレーナーから＊

今までも多くの情報が知られていますが、実際のランニング障害は非常に複雑で、一筋縄ではいきませんでした。しかし、手を拱いているだけでは、いずれ走れなくなってしまいます。ぜひ手順良く、一つずつ問題をクリアして、再び全力で走れるようにと願っています。ちなみに、蛇足かもしれませんが、「ランジ」「レッグエクステンション」「カーフレイズ」「腹筋」「腕立て伏せ」などはハムストリングスの因子となっているかもしれません。






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