お盆。
オキナワ人なら、逃げられないし、逃げてはいけない。
遥々遠方からお帰りになっている先祖たちに、現実世界で生きている
私たちが、チェックされるための日なのかもしれない。
3日間、なんとなーく気が引き締まるとまでは言わなくても、
悪いことはできないような独特な雰囲気が漂う。
「お盆の時期に海で泳いだら、海に引っ張られるよぉ~」
この教えは、オキナワ人なら聞いたことがあるだろう。
死者たちの仕業で、海に引っ張られて、帰らぬ人となる・・・的な話だったと思うが、
大人になった今は別の意味で作られた風習では・・・と思ったりもする。
「お盆の時期に海で泳いだら、海に引っ張られるよぉ~」
イコール、
「お盆の時期に海へ遊びに行くような者は、けしからん!」とか、
「お盆の時期は、海なんか行っているヒマはないだろう。さぁー、家の手伝いしなさい!」とか、
「お盆の忙しい時期に、先祖のことも考えないで遊んでいたら、世間から笑われてしまう」などと
いった、昔の人々の生真面目さ、体裁を気にする性質からうまれた言葉ではないかと
思ってしまうオキナワン主婦やよい。
娯楽が多様になった現代、海水浴以外の楽しみがあるが、
祖先を蔑ろにして、自身の娯楽を優先にするオキナワ人が増えると、
また新たな言い聞かせが生まれてきそうだ。
「お盆の時期に、サンエーに遊びに行ったら、エスカレーターに挟まるってよー」とか、
「お盆の時期に、キャンプに行ったら、川に流されるってよー」とか、
「お盆の時期に、映画を観に行ったら、火事にあうってよー」
「お盆の時期に、旅行に行ったら・・・・」などと、
もしオバーたちがあちこちで、この根も葉もない教えを説いたら、
また新たなオキナワの風習が増えるだろう。
でも、個を優先する現代社会、オバーの教えがどこまで
届くかは疑問が残る。
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