続いて、”切迫早産”についてだ。
先ほど書いたように、私の妊婦時代は”イライラ”の毎日だった。
でも、息子は元気に育ってくれていて、毎回の健診が楽しみであった。
あれは確か19週くらいだったと思うが、帰宅後、家でテレビを見て
くつろいでいると、お腹が痛くなった。お腹が硬くなって、その硬さが
いつもよりおさまりが遅かったのだ。
毎晩腰も痛かったし、お腹まで痛くなってきたから、
さすがに不安になって、翌朝、担当医でない先生にみせに行った。
エコーや内診でチェックしてもらった。
しかし胎児も子宮頸管長に問題なし。とのこと。
そしたら担当医じゃない先生が、
「アンタ、お腹の張りのことを痛いっていってるんじゃない?
妊婦はあまり痛い痛い言わないほうがいいよ。医師によっては変な薬とか
与えてしまう恐れがあるから。本当に痛い人は、眠れないし、夜中でも駆けつける
よ。アンタ眠れたんでしょ。」みたいなことを仰っていた。
確かに・・・。でも、あれはいつもの張りと違っていたと、初産婦の私でも思う
くらいなんですから!。って反論したかったけどやめといた。
念の為、お薬(漢方薬だっけな)ももらって一安心。
診察後、会社へと向かった。
しばらく薬を服用していたのだが、定期的なお腹の張りはあった。
しかし、その時の私は、夫との二人の時間を大切にしようと、
京都&大阪への小旅行を企てていた。
愛読していた妊婦向けの購読誌にも、”旅行前は担当医に相談を”
とあった為、夫との楽しい旅行に胸を膨らませ、旅程表片手に、
病院へ行った。担当医から旅行OKを貰うためだ。
先生からは、飛行機に乗る際は乾燥しがちだから、水分補給はこまめにとか、
出来るだけ人ごみは避けたほうがいいとか、ありがちな注意事項を受けた。
そして、最終的には、旅程表に入れてたなんばグランド花月はチケット取りにくい
らしいよ~っていう話にまで及んだ。これでもう旅行オッケーかと思っていたら、
先生が、親切にも内診をして下さるとのこと。
ここから長い安静生活が始まるとも知らずに、先生お忙しいのに、旅行などというワガママな
妊婦に付き合って頂いて・・・と恐縮になりながら、診察台へ。
すると、先生からは、
「これー、旅行どころじゃないよー。
最近お腹張っていませんでしたか~?
家で安静にしなさい!旅行はダメです!」
ぅえ~~~、楽しみにしていたのに・・・と落ち込む私に、
「旅行はいつでも行ける。今は赤ちゃんを大事にしなさい」とご最もなお言葉を頂いた。
私のお腹の状態を聞くと、「切迫早産」というそうな。
その時は初耳。文字通り、早産しかかっているから、安静にしないといけんと。
じゃー、私、主にデスクワークですから、あまり立ったり座ったりせず、
静かに仕事をすればいいですか?と質問してしまった私。本当に無知であった。
先生が「あなた、”安静”の意味分かっている?家事もせずに、一日中家で
横になることですよ。仕事はもちろんダメです!」と。
信じられない。。。そんな生活がこの世にあるとは・・・。
ご飯作りはいいですか?と質問した私。これもまた無知ゆえの質問。
すると先生が、「トイレ以外は寝ておきなさい!あなた、この子、今生まれたら
助かりませんよ。お腹の中にできるだけ長く居させてあげることが大切!」と。
その日、病院立ち寄りで出勤するはずだったが、そのままお休みに入ったのであった。
家に帰るタクシーの中、先生に最後に言われた言葉が何度も頭の中を過ぎる。
”この子、今生まれても助かりませんよ”
急に涙が出てきた。妊婦だから?
いやいや、今までの自分の行いを反省したからだ。
妊娠した身であることをもっと感謝せなっていう気持ちになったからだ。
お腹の子に窮屈な思いをさせてしまっていること、全ての言動に反省したからだ。
そして、この子は何があっても、守りたい!っていう、ドラマでしか見たことのない
セリフが自然と自分の頭の中に浮かんだのだ。自然に。
切迫早産の診断を受けたのが、22週入ったころのこと。
ここから、仕事をSTOPし、生まれて初めて一日中横になってボーーーッとする生活が始まった。
最初のうちは、膣洗浄の為、毎日通院をしていた。
んで、先生が膣の分泌物をとってなんか検査して下さったのかな。
これが悪かったらしい。性病とかじゃないけど。炎症おこしているとか何とかで。
んで、薬を服用して、膣洗浄などしていたら少しよくなったんだよ。
でもまだ安静は必要ということで、ひたすら安静の日々。
あの時の記憶は、毎日がうっすらである。
寝る、トイレ、食べる、トイレ、寝る、テレビ見る、トイレ、食べる、トイレ、食べる、寝る・・・
こんな生活だった気がする。
今日が何日、何曜日かも分からなくなる。こんな生活だ。
今考えても恐ろしい。戻りたくない。
後で先生にも言われたんだが、この22週あたりの私のお腹は本当に
危なかったそうな。先生が事あるごとに何度も繰り返しておられた。
こんな状態だったから、妊娠しながらも仕事をしたり、ベビーちゃんの服などを買いに行ったり、
ご主人と映画デートに行ったり、外食したり、旅行したりという普通の妊婦生活が
とってーーーも羨ましかった。
普通の妊婦生活、これ、感謝するべきことだと私は思う。
26週の頃には、自宅安静だけでは不十分ということで、入院させられる。
そして24時間点滴生活であった。
トイレに行くのも、点滴のキャスターを押して行ってた。
寝る時も点滴してるから、朝になったら点滴の管が首に巻き付きそうなことだってあった。
2-3日に一回は点滴の針を刺し換えないといけなくて、これが常に恐怖だった。
入院生活については③に続く・・・