おかげさまで講演は無事終了いたしました。
講演の動画録画を含め、関係資料を取りまとめおきましたので
下記 関係資料をクリックしますとアクセスしていただければ思います。
ダウンロードも可能です。
クリック:関係資料
横浜黒船研究会
案内状
皆様、
新型コロナウイルスによる巣ごもり状態からの開放が待ちどうしいのですが、第二波ともいわれる状況が続いておりますのでオンラインによる第5回目の講演会を開催する運びとなりました。
下記ご案内いたします。
どなたでも参加は簡単ですのでカメラ付きのパソコンを準備のうえ、11月8日(日)午後13時30分から受付開始です。
下記指定サイトをダブルクリックして参加していただきますようお願いいたします。
https://yokhamakurohunerschsociety.my.webex.com/meet/nakayama.shouichi
講演資料:
添付資料参照
- 「我が国における温度計の歴史とその発展」 Word File
- 自己紹介 PDF File
- 講演内容 PowerPoint File
****** 記 *******
新型コロナウイルス対策としての
第5回オンライン講演会開催のお知らせ
日 時:令和2年年11月8日(第二日曜日)
14:00~16:00 (13:30 アクセス入場開始)
場 所:各自宅パソコン前
参加費:無料
研究発表会次第
13:30 受付開始
参加者は自宅よりカメラ付きパソコンから下記サイトにアクセスして、どなたでも参加は簡単です、時間になりましたら下記をダブルクリックしてください。
中山昇一氏ほか世話人が応対して誘導いたします。
(下記をダブルクリック):
https://yokhamakurohunerschsociety.my.webex.com/meet/nakayama.shouichi
14:00~14:05 開会のごあいさつ
14:05~15:30
発表者 横浜黒船研究会 会員 酒井 逸朗氏
講演題目: 「我が国における温度計の歴史とその発展」
15:30~16:00 質疑応答
以上
横浜黒船研究会
事務局長 村上 隆
横浜市港北区錦が丘7番18号
電話:045-439-6652
携帯:080-4868-8650
講演の概要
演題: 我が国における温度計の歴史とその発展
講演者 横浜黒船研究会会員 酒井 逸朗
まえがき
現在では天気予報はじめ、温度とは多くの場面で関係が深い。筆者は温度計について、その歴史的な経緯について興味をもって調べてみた。ここに示すものは、温度計の我が国への導入、製作、用途がどのように発展したかの内容を述べ、引続いて今日コロナウイルスの罹患の有無を調べるのに、重宝されている非接触温度計への発展について示すこととする。
内容は下記のとおりである。
- 温度計の必要性
- 温度計の歴史
- 各種の温度計測法
- 各種の温度計使用分野
- 体温計開発の歴史
- 養蚕用の温度計の開発
- 赤外線温度センサー、その他
1.温度計についての歴史的発展
温度計は文明開化ともに、我が国に導入された。その主な必要性は、医療分野、蒸気機関の発達に伴うもの、ならびに植民地の気候風土の把握などで、西洋では温度計は発展した。一方我が国では開国以前の医学の主流派は漢方であり、漢方では体温を知る方法としは、医師の手の触感で発熱の有無を判断していた。
温度の目盛り(カ氏)に名前を残す、ドイツの物理学者ファーレンハイトは世界で初めて水銀封入の温度計を1714年に発明した。それ以前には1592年にガリレオは水の温度変化による熱膨張によって、変わる水密度の変化から複数の浮きの動きから温度を知る方法として発明された。
産業革命をもたらしたジェームス・ワットの改良(1824年)された蒸気機関の熱効率は高々7%であった。これらの動きに触発されて、フランスの物理学者カルノーは1824年に「火の動力について」と題する論文を発表し、蒸気機関の発展に大きな寄与をなした。加えて絶対温度なるスケールに人類は気付いたことで、熱力学は大きな発展の緒に至った。産業革命は熱力学を理解したことで今日の文明社会の創設が始まった。
図2. ジュールの実験装置
絶対温度の呼び方に名を残しているスコットランドの物理学者トムソン(1824~1907)は後にケルビン男爵となり、1848年に絶対0度を0K(ケルビン)=―273.15℃と定められた。
イギリスの有名なジュールの、仕事量と熱量の関係を明らかにした実験装置を図2に示す。その内容は仕事量(1ジュール=Nm)と熱量の単位であるcalの関係を明らかにして、1cal=4.2ジュールと定められた。その結果エネルギー保存則が誕生した。この結果から分かるように、正確な温度計が当時存在したことで可能となった。
2.水銀温度計からの進展
明治維新後我が国の国力の重要な源泉として、生糸の生産があげられる。今回理解したことで強く印象の残っていることは、福島の養蚕家が体調を崩し、2本松の蘭学医に診断を受けた折に体温計を知り、養蚕時の各ステージにおいて、最適な温度に養蚕部屋を保持することが重要と気付いた。その温度を保つために、温度計が必須なものであることを認識して、ガラス製の温度計を「蚕当計」と称して全国に普及を図り、繭の増産に大きな成果を挙げた。
科学技術の発展と共に、温度計則に要求される内容、すなわち、耐久性(再現性)、測定精度、耐熱性、応答性、低価格性などが要求される。それに応えるべく、白金抵抗温度計、熱電対温度計、赤外線温度計などが開発され、各種の要求を満足するように発展してきた。赤外線温度計、またサーモビュアーなどは、半導体技術、ICチップの製造技術などをうまく取り入れて実用化が進んだものと思われる。
参考までに述べると、ガスタービンの熱効率向上のため、現在では燃焼温度は1700℃に迫ろうとしている。それに対応する温度センサーとしては、応答速度が高い赤外線センサーが使用されている。燃焼室から少し距離を置いたところで計測することで安全性が保たれている。
人工衛星が地球の影に位置するとき、または冥王星のような太陽から遠いところでは、太陽電池が利用できない、その対策として、30年前にはアイソトープを熱源とするゼーベック素子による発電で、電力が賄われていた。その延長として、最近は省エネを極めるため自動車の排熱による熱電素子で燃費の向上に寄与するような研究も開始されつつある。
以上
関連講演
講演日: 令和2年2月9日(日)14:00~17:00