見出し画像

先祖を探して

Vol.257 世之主神社のこと (2) 見張台と石垣とくねくね曲がった参道

先日の島の古老との会話の中で、世之主神社の境内の昔の様子についての話がありました。
社殿の左右(東西)に、石垣を積んだ見張り台があり、その見張り台に上る階段があったそうです。
現在は西側に一部だけ見張り台跡が残っておりますが、東側には見当たりません。

これは西側の見張り台の案内板です。

かなり崩れていますが、石積の見張り台が残っています。もしかしたら昔は高さがもっとあったのかもしれませんね。以前はこの見張り台に上る階段があったそうです。



西側は見張り台らしきものは何も見当たりません。




和泊町誌には、昔の神社の様子がこう書かれています。

和泊町誌歴史編
正門数十段の階段を上りつめると、丈余のコンクリート作りの鳥居があり、その奥に石垣に囲まれた社殿がある。石垣の外側は高台になっており、左側は広場で昔はここで本シニグ祭りが行われていたといわれるが、そのシニグ祭りも明治三年を最後に絶えている。それでも例祭には島民が参けいし、曲がりくねった参道をぞろぞろ通ったものである。そして広場では踊りや酒宴が催されにぎやかであった。戦後は初詣に近い人たちが参拝する程度で、祭典は宗一族によって続けられているという。


下の鳥居をくぐり、石階段の参道を上りつめると、丈余の高さのコンクリート作りの鳥居があると書いてありますが、これは現在の様子と同じですね。そしてその奥に石垣に囲まれた社殿があると。


石垣とは、この社殿の周りを囲っている石積みのことでしょうかね。いま気が付きましたが、周りの地面より一段低くしてありますので、もしかしたらこれがVol.248で書いた「敷地引き下げ社殿を建築す」という意味なのかもしれませ。
しかも「石垣の外側は高台になっており、、、」とありますから、この石垣は昔は今より高かったと思われます。実際に鳥居から入ってすぐの左右の石垣は、昔は1メートルはあったといいますから、その高さで社殿全体を囲んでいたのかもしれませんね。鳥居付近の石垣は、第二次世界大戦中に日本軍がこの神社の地を基地にしており、見晴らしを良くするために石垣を削って今の高さにしたと叔母から聞きました。その時に神社全体を取り囲むこの石垣も高さを削ってしまったのかもしれません。


「曲がりくねった参道をぞろぞろ通ったものである。」この曲がりくねった参道とは、どこを指すのでしょうか気になります。
通常参道といえば鳥居や門をくぐって社殿までの道だと思われます。そう考えると、上の鳥居から社殿はもう数メートルの近さで一直線ですので、そこは違います。そうなれば、下の入口の木製の鳥居から上の鳥居までの参道ということになりますが、、、
実はちょっと気になっていたことがあります。
下の写真の黄色いマーカのところです。




神社階段参道の右側に、何やら道らしきものがいくつか見えますよね。神社への参道はまっすぐに伸びた階段参道だけであったと思っておりましたが、もしかしたら神社になって参道が出来る以前は、右側にある道をくねくね折り返しながら上っていたのかもしれません。

参道らしき道が描かれている地図を発見しました。ピンクのラインのところに点線の道があります。ここが階段参道が出来る前のくねくね曲がった道だったのではないでしょうか。



この「曲がりくねった参道をぞろぞろ、、、」というのは、明治3年まで行われていたシニグ祭りの話のことです。明治3年は寺から神社に変わる前の年ですし、神社としてこの地に社殿が戻ったのは明治25年ですから、この参道ができたのもやはりその頃の可能性が大ですね。

町史に書かれていた内容が何となくしっくりこなかったのですが、あくまで私の推測ですが参道についてはこれで整理が出来ました。

祭典についてですが、戦後のある時期までは神社の境内で11月17日に大祭があり、内城の住民や島内の住民が集まり、相撲大会が催されたり、当家のお爺さまが神主としてご馳走を作って大皿に盛りふるまわれていたそうです。これは義母や叔母たちもしっかり覚えております。お馳走を食べた楽しい思い出は永遠に記憶に残るようです。
また古老の話では、参道階段脇に出店があり、飴や田芋の餅などが売られていて賑やかだったそうです。
しかしその後は生活様式の変化などに伴い、従来の祭りは廃止され、宗家一族による祈りの儀式だけが現在も続けられています。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「世之主神社」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事