神無月の巫女公式小説シリーズご案内も、いよいよ最後となりました。
今回は姫千歌を扱ったものではありませんが、重要作について。
「神無月の巫女~卒業雪~」(2007年12月31日発行)
2007年の冬コミでの介錯先生の同人誌(本体は他のアニメの二次創作だったはず。たぶん恒例でもれなく十八禁と思われる(笑))に無料でついてきたというおまけのコピー小冊子(ふたたびの春の謝辞─届いた神無月小冊子─参照)。しかもその後、送料負担のみで希望者に無料配布されました。なんという太っ腹! なんという聖恩! 製作者のこの物語を多くの人に届けたいという想いがひたすら伝わってきます。大感謝。
当然ながらイラストは介錯先生、そして文章は植竹先生の黄金コンビ。
そしてここで語られる番外編の主人公は乙羽さん。アニメからすれば三年前、乙羽さん十五歳、千歌音ちゃん御年十三歳のみぎり。千歌音ちゃんが可愛い、ひたすら可愛いッ(惚)。アニメとは乙橘学園中等部の制服が異なっていますね。中学生時代にわずか一年限りの学園生活をともにした乙羽さんの、千歌音お嬢様とのめくるめくうるわしき昔日。乙羽さん、かなりの努力家で才女だったようなのですが、それもこれも、あれもどれも、すべてはお嬢様のため。自分磨きはすべて、千歌音お嬢様のお側に侍る者として恥ずかしくないため。人生のすべてをお嬢さまのために捧げる、このメイド魂。泣けますね。
第八話でほのめかされていた、あの樹登りのエピソードの詳細も語られているわけです。しかし、これ、じつは惜しいことに未完なんですよね。
卒業する乙羽先輩、そのはなむけに千歌音ちゃんは何を言おうとしたの? 気になる、気になるッ!…で、もうひたすら四年も待っておりますが…。通称パラさし止めよりもお預け感が半端ないです。千歌音ちゃんのことなので、乙羽さんの学園生活最後となる想い出づくりをしてあげたのでしょうか。やはり、気になります。いずれにせよ、これを読みますと、姫子に対する抜きさしならぬ敵愾心もわかるような。姫子、やはり罪なオンナだなぁ(苦笑)
ちなみにそのあとがきで、自費出版で小説を出したい意向が語られていました。
他のオロチメンバーの話や、アニメ本編の別視点の描写をして、とありまして、私、大いに期待していたのですが、ですが…この企画はやはりいろいろな事情で終わってしまったのですかね。すこし残念なところ。もう待っても無駄なのでしょうかね。それだけを楽しみにしてきたんですが。繰り返して言いますが、もうひたすら四年も待っておりますが…。
私が知り得ている小説としては以上です。ひょっとしたら、他にもあるのかな?
原作絵同人誌のほうはまったくノータッチなのですが、噂によるとレーコとコロナの出逢いを描いたものとか、姫子と千歌音が別の学園にいるとか、猫になってるとか、さらには前世が大正時代の姫千歌ストーリー(たしか原作者先生サイトで読めたはずですが、なぜかいま無期限改装中)まであったとか。一冊にまとめて読みたいですね。
そういえば、気になったんですが、ソウマを主人公にした公式サイドストーリーってないんですよね。
一度でいいので、大神くんストーリー、読んでみたいです。需要はありそうな気はしますが…。でもツバサ兄さんとペアなのか。ツバサ兄さんの過去の放浪生活とかも読んでみたいですね。需要はなさそうな気はしますが…(なら、言うな)
公式のスタッフが製作しているのに、出版社が絡んでいないせいなのかよくわかりませんが、ほとんど非公式扱いにされているこれらの情報はWikipediaやら公式サイトやらには載っていないのがふしぎです。とても残念です。
上の三作、読んだことのない人のためにも復刊してもよいのでは。
とくに「神無月の巫女~はじまりの春~」は個人的には名作です。多くの人に読んでほしい。
神無月の関連作としては、『京四郎と永遠の空』のノベライズ版、さらには現在連載中のウェブノベル「姫神の巫女~千華万華鏡~」がありますが、やはり名前が違って性格も異なるので、別人物の物語として読まざるをえないわけなんですよね。そこを割り切れるかどうかで、楽しみ方が変わってくるでしょう。とはいえ、小説版京四郎はかなり完成度が高いですし、ウェブノベルのほうも無料であれだけ大量の文章を、そしてイラストつきで拝読できるというのはなんとも嬉しいわけです。ふつうのライトノベルのお値段だとまずもって無理ですよね、あれだけ豪華なカラーイラスト+文章で読める小説なんてのは。「姫神」の二人の関係は現段階(2011年10月)でかなりのこと胃が痛いですが…。
個人的には書き下ろしで前世の姫子と千歌音のお話が読みたかったりします。
小説でなくともOVAかドラマCDでもよいのですが。そうそう、かおん、ひみこ含めた京四郎の登場人物の後日談ノベルもいいですよね。
他のお仕事もあるのでいろいろ難しいのかもしれませんが、小説化企画よければ推進してほしいものです。その希望の根が絶えていないであれば。放映中のアニメを別の筋書きでたどったノベライズもありますし、アニメ本編をなぞってもいいので出版してもいいのではないでしょうかね。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
この記事を書くために、ひさしぶりにいろいろ紐といて物語に浸れた時間がとても楽しかったです。神無月語り、機会があれば懲りずにまたやります。
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