漫トラ日記

現実生活空間&脳内妄想空間を日々マンガに浸食される主婦の怠惰な日常

木原敏江『杖と翼』新旧比較

2007年07月20日 13時33分24秒 | マンガ
←単行本版 ←文庫版

タレゾーさんの所で、
木原さんが『杖と翼』の文庫版を出すに当たって、160ページもの加筆をされたと言うのを知って
ず~っと、気になっていたのです
私が持っているのは単行本版なものですから。。。(だからBOに安く出回っていたのか!)

この度、文庫版をお借りしたので、読み比べてみました!

ストーリーは先のタレゾーさんやケイさんトミーさんのブログに詳しいので省略

単純に中身を比較してみました

文庫版1巻
P 56~ 57:2ページ分の加筆(フランス革命の流れをより解りやすく説明)
P119~121:1ページ分加筆(フランス革命の説明)
P127~128:1ページ分加筆(フランス革命の説明)
P132~135:2ページ分加筆(フランス革命の説明)
P162~165:2ページ分加筆(フランス革命の説明)
P210~214:2ページ分加筆(フランス革命の説明)
P226~235:4ページ分加筆(フランス革命の説明)
P266~267:1ページ分加筆(アデルの奇跡のシーン)
P269~274:3ページ分加筆(シャルロットが天啓を受ける所)
P288~293:2ページの加筆(マーラーの暗殺)

と、第1巻だけで20ページの加筆
文字だけでわかりにくくてすいません~
(ああ、スキャナーがあったら実際の画像を入れられるのに。。。

内容はほとんど革命の説明でした
文庫版を読んだ時、やたら字が多いな~、と思ったんだけど
その代わり、フランス革命の流れがより分かり易くなっています

この調子で2巻、3巻も見ていこうと思ったけど
面倒くさくて挫折!
それに、読んでいる方だって字だけ見ても意味がないですよね!?

ということで、
大幅加筆があったという、最終巻だけを比べてみました
文庫版第5巻
P 34~ 41: 8ページ加筆(レオンとアンリエットの馴れ初め)
P 56~ 59: 2ページ加筆(クレールと男爵の馴れ初め)
P 76~ 79: 2ページ加筆(ヴァンデーの虐殺シーン)
P 98~105: 2ページ加筆(ダルトンが逮捕されたシーン)
P112~116: 2ページ加筆(ダルトン裁判の様子)
P137~140: 2ページ加筆(ジェルメーヌの死)
P159~161: 2ページ加筆(アデルがレオンに幻滅するシーン)
P168~170: 1ページ加筆(瀕死のリュウとアデルの逃亡)
P172~173: 1ページ加筆(リュウが記憶を取り戻すシーン)
P189~199:10ページ加筆(アンリ・ド・ロシュジャクランの死)
P216~218: 2ページ加筆(衰弱するアデル)
P221~230: 4ページ加筆(衰弱するアデル)

ここまで38ページの加筆
そして、最終章は単行本59ページに対して、文庫版のページ数は何と106ページ!
ほぼ50ページ近くの加筆になります
ざっと見たら、リュウとレオンが殴りあうシーンは加筆でした

最終章以外は,、フランス革命をより分かり易く説明するために、ページを費やしてます
それも、1ページ丸ごと書き加えるのではなく
コマを切り張りして、間に加筆したコマを挿入するといった
かなり手間のかかる方法を取っています!
これをほとんど木原先生一人で行ったと言うのですから。。。!
先生、さぞかし大変だった事でしょう!
この作品に対する思いを感じました

木原先生のインタヴュー記事によると
『杖と翼』の連載が終わった時、引退するおつもりだったとか。。。
まだ、そんなお年でもないのに~!
いつまでも元気で、クオリティの高い作品を生み出して欲しいのに。。。
でも、幸いにして引退は延期のようで
Bethと言う雑誌に『ふるふる』というマンガを連載中とか。。。
ファンとして、嬉しい限りです!


それにしても、これだけの加筆をされたら、文庫版が欲しくなるのは当たり前!

『杖と翼』の場合は、
出版社側の陰謀じゃなくて、木原先生の“思い入れ”のせいなので仕方ないんだけど
同じものを買わなきゃいけないと思うと(これがマニア魂なのよ
恨み言の一つも言いたくなります~~
ああ、またBO頼りだわ~~


最後に
フランス革命の狂気を思うとき、60年~70年代の日本の学園紛争を思い出すのです
規模も時代背景も全然違うけど、
大学生が旗振ってシュプレヒコールを繰り返していた、あの熱気!
今思えば、あまりにも独善的で周りが見えていないドン・キホーテでしかなかったんだけど
彼らの目の中には、確かに世の中を変えたいと言う熱意だけはあったと思います
きっと、革命ってそういう人間が引き起こしリードして行くもんなんだろうな~。。。と、思うのです
そして、ロベスピエールやサン・ジュストはそんな熱気、
いえ、もっと熱い熱意と狂気に支配された人間だったと想像するのだけど
問題は当時の日本人はそこまで困ってはいなかったって事なのよね

あのころは大通りを歩いていると、よくデモ隊にぶつかったものです
突然周りの店がシャッターを下ろし始め、
そのうちデモ隊と機動隊が現れ、投石と催涙弾が飛び交い始めるのよ
勿論、即裏通りに非難したけど催涙ガスは避けようがなくて、あれは目にしみたわ~

そのうち、歩道がコンクリートになって都心の投石騒ぎは収まったけど
その代わり成田空港建設に反対する三里塚闘争が盛り上がってて
同級生(中学生だぜ!)には泊りがけで参加するつわものもいた!
私はあくまでもノンポリ、子供のころから無党派層だったのだ

高校、大学になると学園紛争も下火になって
私たちの世代は三無主義って、呼ばれたものよ~
無関心・無責任・無気力の三無
当たらずとも遠からずかも~~

それでも、一部の狂信的な奴はまだ旗振っていた時代だったな~~






*トミーさん、タレゾーさん、トミーさん
と言うことで、トラバ送りましたのでよろしくお願いします~

森 薫『エマ』全8巻、『シャーリー』

2007年07月15日 23時32分35秒 | マンガ
 森薫『エマ』全8巻
この前BOで買ってきたものです。
本当は¥105落ちを狙っていたのだけど、さすがにそこまで待てませんでした。
全巻揃って買えただけでもラッキーじゃないでしょうか。。。
実は、『エマヴィクトリアンガイド』も一緒に売ってたんだけど、これはパス。
マンガではないので、¥105落ちしたら買うつもりです。

さて、評判のマンガなのでストーリーを知っている人も多いと思うけど、一応ご紹介。

ヴィクトリア時代のイギリスが舞台。
引退したガヴァネス(家庭教師)ケリーの所へ、
かつての教え子ウィリアム・ジョーンズが訪ねて来ます。
彼はそこでメイドをしているエマに一目惚れ!
美人で気立ての良いエマはあちこちの男性から言い寄られるものの、
誰にも関心を寄せたことがないのに
ウィリアムにだけは無関心でいられません。
幾度か出会ううちにお互い惹かれあい、クリスタル・パレスで思いを確かめ合う二人。。。

しかし、成り上がりとは言え富裕な貿易商であるジョーンズ家では
ウィリアムと子爵令嬢との縁談が持ち上がっていたのです!
一方、エマは雇い主のケリーを亡くし、ジョーンズ家を訪ねます。
が、運悪くウィリアムは留守。
ジョーンズ家で彼を待つうち、二人の身分の違いを痛感したエマは身を引く決心をします。
エマを失って傷心のウィリアムは、愛してもいないエレノアにプローポーズをするのです!

ロンドンを離れたエマはドイツ系移民のメルダース家でメイドとして働き始めます。
ある時、メルダース婦人のお友達、ミセス・トロロープに出会いますが、
なんと、彼女はウィリアムの母親だったのです!
そして、ロンドンで思いかけず再会するエマとウィリアム!
しかし、ウィリアムには婚約者が。。。。



なんと言うか。。。こうやって粗筋を書くと、ありきたりで古臭~いメロドラマなんだけど、
良いんですよ~~!

身分違いの恋、すれ違いと再会、美しいドレスと華やかなパーティ等等。。。
少女漫画好きの血が騒ぐ設定に加えて
時代考証の確かさ、それを表現できる筆力、嫌味のない絵柄も魅力です。
そして、そして、勿論!ハーッピーエンド!!
思わずあなたもヴィクトリア時代にトリップしてしまうこと請け合いです~~

ただし!、何でも手放しで褒めない夜から一言!
ラストが。。。あっけない~~!
もっと、身分違いの苦悩を追及して欲しかったわ~~!

でも、8巻の番外編で振られたエレノアを救ったのはグー!
あの時代、振られ女はスキャンダルにまみれて
家の恥と見なされていたので、あのままではあまりにも気の毒だったわ~
悪いのは、優柔不断なウィリアムだからね!



 森薫『シャーリー』
『エマ』と同じ、メイド物。
メイドと聞くと萌え系を連想して、引きそうだけど
『エマ』も『シャーリー』も萌えを超越した、マジメな良作です!

若干13歳のメイド、シャーリーと雇い主ベネットとの交流を描いた、ほのぼのシリーズ。
他にメイドのネリーの話と、同じくメイドのメアリを主人公にした短編が収録された、メイド萌えの一冊。



最近読んだマンガ

2007年07月14日 22時11分47秒 | マンガ
BOで大量のマンガを買い込んだもんで、つい読みふけってブログ更新をサボってました
これでは、出来立てブログが忘れ去られてしまう~!
で、とりあえず最近読んだマンガをupします~

荒木飛呂彦『スティール・ボール・ラン』①~⑫
『ジョジョの奇妙な冒険』の1~6部まで80冊を、この前一気読みしたばかり!
それが面白かったので、最新シリーズを息子が更に借りてきたました。
まだ連載中のため、完結してないのですが。。。

『ジョジョの奇妙な冒険』の第7部になります。
第6部でジョジョの世界は破壊されてしまったので、
今度のシリーズは元の世界のパラレルワールドという設定
主人公はジョジョではなく、ジャイロ・ツェペリ。
ジョースター家の人間は脇役でジョニィ。
時代は1890年のアメリカで、北米大陸横断レースに参加した二人の冒険の物語です。
もちろん、“スタンド”も出てきますよ~
これがなければ『ジョジョ・シリーズ』ではありませんからね~

『ジョジョ』って、相変わらず暑苦しいな~と思いつつ(ジャンプらしく)、
ついつい先が気になって読んでしまいます
面白くて続きが気になるのです~~~!
20年も人気が衰えないのが解るな~~

ところで、夏目房之助さんのブログを見たら、
夏目さんも『ジョジョ』を一気読みの最中とか。。。
思わず親近感が湧いてしまいました~
しかも、第4部がお気に入りってとこも同じ!
なんか嬉しい~



吉住渉『ママレード・ボーイ』全8巻
お借りしたマンガです。
「りぼん」だから、絵柄も中身も可愛いんだよね~
子供たちにも“ババァの読むマンガじゃない!”とか言われて
アップするのが少々恥ずかしいんだけど
キャラの動きや表情が豊かで、しかも手抜きなく描かれてて
中々の名作なのです
当時人気があったのがわかります

話は
ヒロインの高校生光希の両親と同じ年の美少年遊の両親が
お互いの夫と妻を好きになり、交換結婚することになって、
その上一緒に住む。
そして、いつの間にか光希と遊は相思相愛になって。。。云々つ~
普通だったらドロドロのメロドラマ設定で始まるんだけど
両親'ズと光希の明るく軽~いキャラのせいで
楽しいコメディとなって、サクサク読めました

しかも、今時の少女漫画と違って、Hなんか全然出てきません!
その点は安心して読めますね~(萌えないけど
PTA推薦の少女漫画です



桜井 雪(すすぎ)『ラヴァーズα』
2作ともお借りしたマンガです。
京と千秋(男)はいとこ同士
京は小さい時から千秋が好きなのだけど、京の母はチャラチャラした千秋が大嫌い!
思いに任せない恋に、見合い話が持ち上がって京は。。。
可愛いラブストーリーです
絵はちょっと下手だけど。。。

桜井 雪『灰になるまで』
短編集
表題作の「灰になるまで」
お店の主人に恋するマネキン、
地震が起こって壊れてしまったが、“思い”の強さに惹かれた悪魔がやってきて。。。
こう書くとホラーみたいだけど、綺麗なラブストーリーでした
この表題作が一番面白かった



 いがらしゆみこ『和泉式部日記』(マンガ日本の古典)
これはこの前BOで開墾できたマンガの中の1冊。

夫有る身で為尊親王と浮名を流し、
彼の死後更に、弟の敦道親王と恋仲となった和泉式部の日記をマンガにしたもの。
前に、同じいがらしさんの『とはずかたり』を読んだけど
そっちの方がずっと面白かった!
原作もそうなのかなぁ。。。?
きっと、和泉式部日記の良さは和歌にあるんでしょう
でも、そこはチンプンカンプンなので全部スルーでした~



ブックオフ本日開店~~♪

2007年07月11日 13時53分21秒 | マンガ
家からチャリで10分くらいの所に、本日BOが新規開店!
一ヶ月前にBOのサイトでこれを知ってから、指折り数えて待っていたのです~!
この日のために二ヶ月ほどBOを我慢していたもんだから、
禁断症状ピクピク。。。
早速開店10時と同時に行って参りました~

開店セールを期待したんだけど、特にそんなものはなくちょっと残念
でも、¥105でも意外と巻数が揃っているマンガが多く早く行った甲斐があったわ~

で、収穫

あしべゆうほ「悪魔の花嫁」①~⑫(文庫版)(¥105で揃った、ラッキ

浦澤直樹 「パイナップル・アーミー」全6巻(文庫版)(これも¥105

森 薫 「エマ」 全8巻
    「シャーリー」

安野モヨ子 「さくらん」

中山星香 「妖精国の騎士」53巻

高橋留美子 「犬夜叉」48、49巻

松本嵩春 「アガルタ」⑨

他、柳沢教授やガンダムなどの欠けてる巻を¥105でゲット!


〆て、使ったお金が¥8000。。。!
せめて、¥5000くらいに抑えるつもりだったけど、
調子に乗って買い過ぎたかな~
ことに、後でレシートを確認して気付いたけど
「さくらん」が¥500~!?
う~~ん、人気作だからなぁ~。。。ま、いいや~



やっぱり、新規開店だから混んでたけど
学生服を着た高校生らしい子が結構いたんだよね~~~?
この時間なのに、あの子達学校は~!!?
親として、気になるよ~~!
けど、注意できない。。。ちょっと自分が情けなかったわ~

あと、数人で来て¥105コーナーの掘り出し物を漁りまくっているグループもいた
3つも4つもマンガ一杯の籠を抱えてました。
浦澤さんの「マスター・キートン」なんか¥105で全巻揃っていたのに
あっという間になくなっていたわ~
いわゆる、セドリさんたちでしょうか。。。?


本当はもっと物色したかったけど、
籠は重たいし、天気も悪いので断念
晴れたら、また行こうっと!

葉鳥ビスコ『桜蘭高校ホスト部』①~⑩

2007年07月08日 15時32分02秒 | マンガ


漫画友達からお借りしたんですが、次に回さなければいけないので
取り急ぎ、レビューをアップです

作者は葉鳥ビスコさん。
初めて読む作家さんだけど、絵が綺麗で私の好みです~
2002年から『LALA』で連載され、今も連載中。
単行本は現在10巻まで出ています。


≪ストーリー≫
超~セレブ校の桜蘭高校に入学した、一般庶民の特待生藤岡ハルヒは
静かに勉強できる環境を求めて第三音楽室に迷い込む。
ところが、そこはきらびやかな美麗男子の集団が!
“暇をもてあますお嬢様たちをおもてなし潤わす”がモットーのホスト部だった。
ビックリしたハルヒは思わず800万円の壷を割ってしまい
借金の形にホスト部で働く羽目に。。。
ボサボサ頭に、分厚い黒ぶち眼鏡、父親のお下がりのヨレヨレスーツを着たハルヒ。
ところが!彼を磨き上げると、そこにはすばらしく可愛い美少年が出現!
ホストとして100人の指名客を集めれば、借金をチャラにするという約束で
働くことになったハルヒでしたが、実は彼は彼女だった!
そして、ハルヒとホスト部の面々が織り成す学園ドタバタコメディが始まった。。。


ストーリー自体は、面白く楽しいだけで(それだけで充分!)取り立てて目新しくはないんだけど
生き生きしているキャラたちが魅力的!

そこで、
≪キャラ紹介≫
藤岡ハルヒ:主人公。1年A組。可愛い外見でモテモテだけど、本人はいたって天然冷静。
ここまで、ドライだと本当は不感症では?と、思いたくなる
須王 環:ホスト部の部長。自称、キング(あくまでも自称)。2年A組。
日仏ハーフで理事長の息子。歯の浮くようなセリフを平気で吐ける天性のホスト。
しかし、ハルヒにしばしば厳しい突込みを入れられて落ち込むおバカ王子。ハルヒに無自覚ラブ中。
鳳 鏡夜:ホスト部副部長兼店長。しかし、事実上の実権は彼が握っている。2年A組。
沈着冷静、頭脳優秀、冷酷無比。学年主席。鳳家の三男として、野心を押し殺している。
しかし、環と出会ったことで、その性格に変化の兆しが。。。
常陸院ブラザーズ:ホスト部。薫と光の双子。ハルヒと同じクラス。
ハルヒたちに出会うまでお互いだけが世界だったが、だんだんと外の世界に目を開かれて行っている。
双子を一目で区別できるのはハルヒだけ。母親にも出来ない。
ハルヒにラブを自覚し始めている二人。
埴之塚光邦:ホスト部。渾名はハニー。3年A組。一番の年上だが、一番年下に見えるロリショタ系美少年。
ケーキに目が無い。しかし、武道の達人!
銛之塚崇:ホスト部。通称タカ、タカ先輩。3年A組。光邦のいとこで、埴之塚家の守役の家系。無口なワイルド系。
猫澤梅人:黒魔術部部長。ロシア王朝の流れを汲む金髪の美少年だが、いつも黒装束に身を包む。太陽の光が天敵。3巻初出。
九瀬 猛:アメフト部部長。鏡夜とは幼馴染。
一方的に鏡夜をライバル視して挑戦するが、ことごとく敗退。6巻初出。
笠野田 律:1年D組。暴力団笠野田組の跡継ぎ。
しかし、その強面の外見とは違い心優しい人物。同じ強面でも人気のある崇に憧れ、弟子入りするが。。。8巻初出。
園田 美鈴: 夏休みにハルヒがバイトした軽井沢のペンションのオーナー。
ハルヒの父と同じニューハーフ。5巻初出。
安村メイ:美鈴さんの実の娘。離婚した母親と一緒にいる。
自分たちを捨てた父親に反発しているが、心の底では慕っている。
ハルヒと同い年で、都立高校に通うイマドキのケバ系女子高生。10巻初出。


主要キャラ&私のお気に入りキャラを紹介しました。
彼らがコマいっぱいに動き回る感じで、楽しくサクサク読めます。

一人のビンボーな女の子の周りにセレブなハンサムボーイがいっぱい!
「花より男子」と同じ設定ですね~。
でも、こっちの方がもっとギャグテイストで、もっと萌え系キャラ満載
この逆ハーレム状態が、意外と乙女(腐女子)心をくすぐります。

最初の頃こそ、ギャグが少々わざとらしいって感じたけど、
それもだんだん洗練されてきて、9巻の笠野田が出て来た回が一番笑えました。
なので、笠野田キャラは結構私のお気に入りなのです。
しかし、なんと言っても一番のお気に入りキャラは、
環でも双子でもなく、オカマ美鈴ちゃんの娘メイちゃ~ん!
バイタリティ溢れる庶民娘!
環にちょっとホの字の彼女。。。
言っちゃ~何だけど、主人公のハルヒよりずっと面白みがあるんだわ~!
もっともっと、出番の増えることを期待です~


吉野朔実オンパレード

2007年06月28日 23時13分59秒 | マンガ
マンガ友達に色々お借りした物の内、この方の作品だけが遅々として読み進まず
や~~っと、このほど読了!
夜は軽~いロマコメ路線が好みなんで、読むのに時間が掛かった、掛かった。。。!
まぁ、その分読み応えがあったと言うか、色々考えさせられる作品群だっただけに
すんなり返してしまうには惜しいので、ここにアップです~

お借りしたのは
「透明人間の失踪」
   表題作他5編を収めた短編集
   この中の「霜柱の森」の主人公怜(さとい)は「記憶の技法」にも登場

「記憶の技法」
   主人公の華蓮は修学旅行のパスポート取得の為に戸籍抄本を取り寄せて
   自分より年下の姉(長女、死亡)がいたことを発見!
   その疑問を解消すべく、彼女は旅へ出ます
   かすかな手がかりを元に、自分のルーツを求めて。。。   

「恋愛的瞬間」全3巻
   大学で心理学を教える森依四月
   その専門は“恋愛”
   彼のクリニックには恋の悩みを抱えた様々な人が訪れる
   心理学博士森依四月を巡る人々の恋のショートストーリー集
   恋は甘やかなものではありません!   

「ECCENTRICS」全2巻
   家出中の結木千寿(せんじゅ)は30万円を出してEの文字の描かれた絵を買った
   直後、駅の線路に突き落とされて記憶を失ってしまう
   そんな彼女を助けたのは“天”(あまね)
   彼には“劫”(めぐる)という双子がいて、彼らは一つの人格を共有してると言う
   しかし、“天”と“劫”の関係も千寿の登場によって
   微妙にバランスが壊れていく
   そして、千寿は何故家出をしたのか?
   Eの持つ意味は?
   登場人物すべてがエキセントリックです
      
「ジュリエットの卵」全3巻
   主人公蛍は下宿して大学へ通う女の子
   家に残った双子の兄“水”(みなと)が恋しくてしょうがない
   ミナトも蛍の側にいたいのだが
   息子だけを溺愛する母は彼を決して手放そうとはしない
   しかし、蛍は徐々に周囲の人間に心を開き始め
   一方、ミナトは無理やり母親の所を出て蛍の所にやってくる
   他の女と寝ながらも、双子の妹だけしか見てないミナト。。。
   息子を異常に愛する母。。。
   ミナトを愛しながらも、蛍が世界に目を開かれていくことによって
   3人だけだった世界が徐々に壊れていくのでした
  
「ぼくだけが知っている」全3巻
   それまで、僕は何でも知っている大人だと思っていた!
   特別で選ばれた人間だと思っていた夏目礼智(らいち)
   小学4年のクラス替えまでは。。。!
   個性派揃いのクラスに入って戸惑い、もまれる日々
   想像力豊かな少年の日常と成長を描いた作品

「いたいけな瞳」全5巻
   短編集
   “珠玉の”と言う枕詞が似合います



吉野朔実さんは初めて読みました
絵は綺麗です、確かに!
そして上手です
ストーリーも読ませます
決して、悲劇ではないです
かといって、ハッピーエンドでもないけど。。。
そして、面白いか?と聞かれると。。。一瞬考えてしまいます
好きか?嫌いか?と聞かれれば、どちらかと言えば好きと答えるでしょう
ただ、手放しで好きとは言えません

事程左様に一言ですんなりと言える作家さんではないのです

要は。。。難しい~~!のです

非常に哲学的!
ご本人も好きなのでしょう
作品の随所に(いや全面にそれみたいな作品もある)、
小難しい哲学的なセリフがちりばめられています
“混乱を愛して”(ECCENTRICS)
“私は生まれたばかりで、すでに大罪を犯している”(ECCENTRICS)
“すべての幸福は恋愛的瞬間から始まるのだ”(恋愛的瞬間)
“不幸は才能です。なろうとする強い意志が必要”(恋愛的瞬間)
“知っているのが僕一人であるならば、それは「無」に等しい”(ぼくだけが知っている)
“どうして死んじゃいけないんだ?知りたいことは、もう知っている”(ぼくだけが知っている)
ちょっとめくってみただけでも、これだけある!

この言葉の意味を、一々立ち止まって考えていると
とても先へ読み進めないので、ほとんどスルー
しかし、この含蓄に満ちた言葉の数々が作品のテーマと結びついているので
私の鳥頭では読むのが非常~につらかった!!


私事だけど、私の高校時代の哲学の成績は2!(5段階評価で)
社会家系科目はみんな得意だったのに、これだけが。。。
ところが、私の妹のダンナは大学の専攻が哲学科!
哲学ほど面白いものはないとのたまふんだわ~。。。
言っちゃぁ何だけど
あんな当たり前(例えば「我思うゆえに我あり」)のことを
訳のわからない理屈でこねくり回して、
大事な脳みそを使う奴の神経が解らん!!
数学の方がはっきり答えが出てすっきりして良いじゃない~~!


いや。。。話を元に戻します

その吉野さんの作品に共通しているのがラストの終わり方と
良く言えば、考えさせる
悪く言えば、中途半端!

ことに「ジュリエットの卵」と「ECCENTRICS」
最後に主要人物が死を選ぶんだけど
彼らは本当に死んでしまったの?
救いがなくて後味が悪いラストでした

「恋愛的瞬間」はかなり面白かったんですが
やはりラストで何者かに刺される教授
犯人は特定されないまま、THE END!
やっぱり、中途半端です

「ぼくだけが知っている」
これが一番面白かった
屈託ない少年の目を通した日常風景は
他の吉野作品と比べて、とても健全で明るく感じました
が!
やっぱり、来ました~
ラストにの話が!
吉野さんは何でこんなに死ぬ話が好きなんでしょうか?
子供が主人公の時くらい、死神と対話しなくても良いと思うんですが。。。
実際の子供たちが生と死について何も考えてないとは思わないけど
作中の子供にを語らせる手法はあざとくて好きになれません
自分が親になってから余計にそう思うようになったけど
子供は死神が裸足で逃げ出すくらい
生きることに前向きであって欲しいと願っています
ここでも、ラストで後味の悪い思いをしました


反面、短編では
長編の時の投げ出されるような後味の悪さが
余韻となって心に残ります
吉野さんの本領は短編にあると思いますね!



さそうあきら「神童」

2007年06月25日 12時05分33秒 | マンガ
映画化されて評判になったマンガなので
マンガ好きとしては、一回は目を通しておかなければと思い
マンガ仲間にお借りしました



<ストーリー>
ある夜、池でボートに乗っていた菊名和音(カズオ、あだ名は“ワオ”)は
野球のボールを捜しに来た小学生成瀬うたと出会います

ワオは音大を目指す浪人生
耳だけはすばらしく良いのですが、ピアノの腕は今一で
同じ音楽教室の仲間に気おされて、少々焦り気味
一方のうたは、ただの野球好きの小学生かと思いきや
音楽の天才で、今は亡き天才ピアニスト成瀬光一郎の娘

ワオうたのピアノに衝撃を受け、彼女にピアノを習い始めますが
うたは野球に夢中で、ピアノは二の次です
が、、、野球で突き指した指を庇いながらも、
コンクールで難曲を弾きこなした天才を周囲が放っておきませんでした

ワオうたのおかげで無事大学に入れ、
音楽への道に目覚めていきます
一方、うたの天才は世界的ピアニストから代役を任される程に認められ
コンサート活動に忙しくなっていきます

が、しかし!
順調に見えたうたに始めての挫折が訪れます

自分の体中でせみが鳴いていると感じ
突然、コンサート中に急に倒れたうた
心配してパリまでやってきたワオの目の前で
マスコミのフラッシュをあびたうた
吐いてしまい、「頭にさわらないで」と叫びながら気を失ってしまいます

医者の診断はメニエール症候群

音を失った失意のうたに光を投げかけたのは
耳の聞こえない子供たちでした
“音を体で聞く”と言う原点に戻って、初めてうたは理想の音を見つけます
父親の使っていたスタインウェイを取り戻したうた
いろんな人への思いを乗せて復帰コンサートへ臨むのでした

静寂の中に、一筋の音楽が聞こえそうなラストシーンで「完」



感動のラストシーンでした。。。
たった4巻の中にストーリーを詰め込みすぎという感じでしたけど
このラストがすべてを盛り上げてくれました!

ただ、前半部分の野球の話は余計なんじゃないかなぁ。。。
打球の音で球の落ちる場所が判断する、って言うのはともかく
目をつぶって音だけでヒットを打つとか
プレートを蹴る音で球種を判断できるとか
少々、やり過ぎ?
うたが「ドカベン」の殿馬のようで。。。
音楽マンガだよね、これ?

野球の部分は、サラッと終わらせて
最後の神童の苦悩の部分にもっと焦点を当てて欲しかったです
ラストで、あまりにも簡単に理想の音に到達した所
少々物足りないものがありました

もう一つ、それに関連して言えば
ワオに失恋したうた
こう時にこそ、人間は成長するもののはず
もっと深くうたの心理を描けなかったのでしょうか?
それとも、青年マンガにそこまで要求するのは無理なのかなぁ?

失恋にしろ、メニエール症候群にしろ
神童があまりにも神童で
天才ゆえの悩みとか、心の成長とかに全く触れられていない
たった、4巻という制約はあるにしろ
うたの心の内面が描ききれていなくて
“え?これで終わり?”
って、感じさせるあっけなさが勿体無いです

ただ、「のだめ」の時も感じるんだけど
私にクラシックの素養があれば、また違った風に感じるのかもしれません
全編にちりばめられた何とか協奏曲とか
誰々のピアノソナタ第○番×長調とか。。。
??????
各巻末にBGMの曲名が載っているんですが
音楽オンチには全くの暗号です!
これを読んで、音楽が頭の中を流れていく方
マジでソンケーいたしますわ~
音楽のわかる方の感想を是非聞きたいです~

さて、全く判らないのも悔しいので
ラストシーンで取り上げられた一曲、ショパンの「舟歌 嬰ヘ長調 Op.60」を
検索して聞きました
http://www.h2.dion.ne.jp/~hkm_yawa/kansou/sindou.html

高音部の繊細なピアノの音が船に当たる水音
力強い主旋律は風をはらんで動き出す帆船か
オールで漕ぎ出すシーンでしょうか。。。
綺麗な曲ですね~

でも、コンサートでこれを聞いても
きっと途中で寝てしまうようだろうなぁ。。。
(実際に寝たことがある人です~



ところで、このマンガには全く関係ない話だけど
メニエール症候群。。。
タイガースファンなら知ってますよね
広澤コーチがメニエール症候群だって!
ストレスが一番良くない病気なのに。。。
今のタイガースの成績ですからね~
新任コーチは、きっといっぱいストレスを溜め込んでいたんだろうなぁ
お気の毒に。。。

飛鳥幸子『怪盗こうもり男爵』+α

2007年06月14日 13時37分17秒 | マンガ
さてさて、初のマンガのレビューは何にしようか色々考えましたが
やっぱり最初は自分が始めてはまった少女漫画にする事にしました。
『怪盗こうもり男爵』。作者は飛鳥幸子さんです。

左が昭和43年(1968年)8月10日発行(初版)の若木書房版(もう、ボロボロ
右が昭和49年(1974年)7月20日発行(第3冊)の若木書房版(初版は昭和46年)
この他に、続編も一緒に入ってる新書館版(1979年発行)と
そのまた続編の入っている『飛鳥幸子の世界』③がありますが、
これ等はただ今出張中です。

≪ストーリー≫第一話『ロンドンの黒い霧』
1926年のロンドン
“こうもり男爵”と呼ばれる盗賊が世間を騒がせていました。
金持ちから金品を奪っては、貧しい人々に分け与えている義賊です。
スコットランドヤードのハウス警視は彼を追って
アイザック・アシモフ教授が怪しいと睨んでいますが、証拠がありません。
そして、ハウス警視の姪、新聞記者のベティ
アイザックと特別な親友(ここは当時のこととて、はっきり書いてない)で
ことごとく叔父の邪魔をします。
(こう書くと、やたらシリアスに思えるけど完璧コメディ)

アシモフ教授とベティがレストランに行くと、そこでベティの親友私立探偵のハニーと遭遇。
三人一緒に仲良く食事をしていたら、そこへ“こうもり男爵”登場!?
持っている金品を奪われた上、腕に怪我をした教授とベティは
“こうもり男爵”退治をすることに!

奪われた指輪ケースに入っていたのは放射能物質で
ガイガーカウンターで突き止めた先は
汚職大臣のメイスン宅(ここは、かなりご都合主義
でも、相手は現職大臣。尻尾を出しません。
しかし、大臣宅からの帰り道、二人は“こうもり男爵”に襲われます。
ベティを置いて逃げ出す教授。。。
そこへたまたま通りかかったハニーはベティを助けようとしますが
逆に二人は賊に捕まってしまいます。

そこへ、“こうもり男爵”登場”!
今までの“こうもり男爵”は偽者だったのです!
本物の“こうもり男爵”に助け出される二人。
偽こうもり男爵は逮捕され、一見メデタシ、メデタシ・・・
とは行かず、黒幕の大臣は罪を逃れてしまいます。
そこで、ベティと教授の二人はメイスン大臣宅に転がっている
微量の放射能物質をネタに1万ポンドを強請り取るのでした。。。
それは勿論寄付!

最後にハウス警視に追いかけられてライオン像の裏に隠れる“こうもり男爵”
ハウス警視が回りこんでみると、そこには肩を組み合って詩を読む教授とベティの姿が。。。
悔しがるハウス警視でした。チャンチャン♪
THE END!


当時、小学生だった私は
青池保子さんや大和和紀さん、そして飛鳥さんのさっぱりした作風が大好きで
(この辺、好みが分かるでしょ
少女フレンドを愛読してたんだけど
(ほとんどの女の子は水野英子さんや西谷祥子さんが載っているマーガレットの方を読んでいた)
そこへ、「こうもり男爵」の登場!!

ガ~~~・・・!!

衝撃でした!!
世の中にこんな面白いマンガがあるのかと。。。!

「怪盗アルセーヌ・ルパン」「紅はこべ」「怪傑ゾロ」の世界がそこにあったのです!
少年漫画のような舞台設定の大きさとスピード感!
でも、そこにしっかり女の子が生きて動いている世界がありました!
活劇は少年漫画にはありましたけど、当然そこで活躍するのは男の子ばかり!
確かに面白く読んではいたものの、刺身の妻より存在感の無い女の子の姿に
物足りないものを感じていたのです。
一方、少女漫画はラブストーリーオンパレード!
それはそれで良いんだけど、アクションとラブが両方あれば
こんなに楽しいことはありませんからね!
(このマンガの主人公はこうもり男爵=男性ですから
アクションは男爵の役割なんだけど
相方のベティが負けてないところが良いのです!

そして、センスのある会話!
外国のテレビドラマを見ているようでした
キャラの生き生きした表情!
オヤジやオバサンの上手いこと!
スピーディで破綻の無いストーリー展開!
時代背景の雰囲気の捕らえ方!
ラストの落ち!
今までの少女漫画には全く見なかった世界だったのです!

そのすべてが一話30ページちょっとの中に凝縮されてました。
もう夢中です!
(これは第4話の一場面)

アシを使っていない背景は少々稚拙だけど
トラファルガー広場のライオンとかロンドンブリッジとかちゃんと描かれています。
まるで洋画を見ているような雰囲気がありました。

設定は今では陳腐となった設定ですが、今読んでも名作だと思います。

最後に
主人公のアイザック・アシモフ教授の名前!
SF好きなら、すぐ分かりますね~
大SF作家アイザック・アシモフから取ってます。
その似顔絵がこちら
そして本物の映像はこちら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Isaac.Asimov02.jpg
フフフ、上手いなぁ。。。

本当は、他の作品もちょこっと紹介したかったんだけど
またまた長くなってしまったので
それはまた今度にします~

ここまで長々と読んでくださった方、ありがとうございます~