漫トラ日記

現実生活空間&脳内妄想空間を日々マンガに浸食される主婦の怠惰な日常

マンガの感想あれこれ

2007年10月09日 23時15分28秒 | マンガ
くまさんからお借りたマンガをお返しする前に、
備忘録的に感想などをあれこれと書きたいと思います

 宮崎駿『風の谷のナウシカ』全7巻
いわずと知れた名作アニメ「風の谷のナウシカ」のマンガ版
アニメはこのマンガ版の1、2巻部分しか描かれていません
世界設定の深さ、ストーリーの複雑さ、デッサン力の確かさはさすがですが
宮崎さんはやっぱりアニメの方が向いてますね
コマ運びやキャラの心情表現はもうちょっと。。。って感じなんです
そして、ペジテのアスベル王子
アニメ版で少々影が薄かったものの、それでもナウシカの相手役?と思っていたら
マンガ版ではもっと影が薄かった。。。
ナウシカは結局恋に生きる女ではなかったようだ~アハハハ
トルメキアのクシャナ姫、アニメでもカッコ良かったけど
マンガ版ではもっと素敵!!
ますます惚れ直した
一番のお気に入りキャラです~~



岩明均オンパレード
  

『骨の音』
初期短編集なんで、お話し作りはまだまだ未熟。
それほど特筆すべきことはないですが
表題作の「骨の音」は「寄生獣」の通ずるグロさがあります

『雪の峠・剣の舞』
「雪の峠」
 関ヶ原の戦いで西軍に味方し、常陸(茨城県)54万石から
秋田の久保田20万石へ減封された佐竹氏。
家中に不満の渦巻く中、新しい居城を築く地を巡って
平和を見越し経済運営を基にした築城プランを推す近習渋江内膳と
戦乱の世の感性から抜けきれず、軍事戦略優先の山城を押す老臣たちとの確執を描いた佳作です。

実際に、この渋江内膳と彼を重用する佐竹義宣の暗殺計画があったとして
譜代の家老たちが処刑されると言う事件が起こってます。
お話の中ではそろばんだけが得意な腰抜け侍のように描かれている内膳ですが
大阪の冬の陣で主君を守りながら戦死してしまいました。
武ばった所もあったお方のようです。
ところで、ちょっとトリビア
64ページで徹夜明けの内膳に声をかける同僚の主馬と半右衛門と言う侍が
一コマだけ出てきます。
彼らはおそらく梅津憲忠、政景兄弟のことと思われます。
内膳と共に、秋田藩の経営に力をつくした人物です。
弟の梅津政景が書いた日記が残っており、貴重な史料となっています。

ちなみに、タイトルの“雪の峠”とは、
上杉謙信が武田軍に攻められている城を救援に向かったものの
雪の三国峠に苦労している間に落城してしまったという逸話からきてます。
この作品の中では戦国の世の象徴のような存在として描かれています。
短いけど非常に中身が濃くて、歴史好きにはたまらなく面白い作品です!


「剣の舞」
戦のどさくさに侍たちにレイプされ家族を皆殺しにされた“はるな”
彼女は復讐を誓い、天下一と名高い上泉伊勢守の高弟疋田文五郎に無理やり弟子入りします。
嫌がっていた文五郎ですが、師匠の伊勢守考案の撓(しない)で稽古をつけることに。。。
木刀と違い軽くて思い切り良く打ち込むことの出来る撓のおかげで、
徐々に上達していった“はるな”
そんな中、武田軍との戦が近づき、文五郎は彼女を逃がそうとするものの
その戦の中で仇の侍の顔を見つけた彼女は。。。!

疋田文五郎も上泉伊勢守も実在の人物です
疋田文五郎は柳生宗厳(柳生宗矩の父)に3度勝ったと言う。
師匠の伊勢守は13代将軍足利義輝に兵法を教えた人物。
義輝は将軍にしておくのが勿体無いほど、剣術が強かったらしい。

ラストがちょっと物悲しい作品です。


『ヘウレーカ』
紀元前3世紀後半、カルタゴ軍のハンニバル将軍とローマが地中海世界の覇権をかけて戦った第二次ポエニ戦争真っ只中のシチリアが舞台
シチリア島の都市シラクサはカルタゴに付く事に決め、市内のローマ人はどこかへ連行されてしまう。
ローマ人狩りを逃れたローマ人娘のクラウディアとスパルタ人のダミッポスは
共に高名な学者アルキメデス邸にかくまわれる。
同盟を破られたローマ軍に囲まれるシラクサ市。。。
ダミッポスはクラウディアを助けるために、
アルキメデスの発明品を使ってシラクサの篭城戦に協力することとなるが。。。

ダミッポスはプルタルコスの「マルケルス伝」に名前がちょこっと出てくる実在の人物。
アルキメデスは言わずと知れた“アルキメデスの原理”を発見した
あの有名な学者。
タイトルの“ヘウレーカ”はアルキメデスが純金の王冠の真贋鑑定の方法を
風呂から溢れるお湯でひらめいた時に、発した言葉から来てます。
“ヘウレーカ”(英悟で言うと“ユリイカ”)とは“分かったぞ!”って言う意味だそうです。
掲示板で教えてもらいました

これも虚実入り混じり、歴史好きには堪んない物語です!
このマンガに刺激されて、BOで「ヒストリエ」①~④を見つけた時思わず購入。
おかげで、また続きが気になるものが増えてしまったわ~。。。!



このほかに柴田昌弘の『紅い牙』(あかいきば)シリーズもお借りしたけど
評価としてはまぁまぁかな~~
ことに最初のマーガレットコミック4冊は、
マーガレットの編集方針もあったと思うけど
センチメンタル過剰で、読んでてこそばゆい
「はなゆめ」に移ってからの「赤い牙・ブルーソネット」編(全19巻)が本領発揮と言う所でしょう
こっちは結構面白かったです。
しかし、超古代人の呪いとか、今読むと設定が何とも古臭いと感じるのは否めません~~!