今週末からオーストリア・ゼーフェルトでの合宿が始まるドイツ代表ですが、それを前にして大きな転機が訪れました。
現地時間の火曜、朝から慌ただしさを見せていたのはフランクフルトにあるDFB本部。
ビアビア(オリバー・ビアホフ独代表チームマネージャー)らDFBのトップらが訪れ、そこで発表されたのが……。
われらがドイツのヨアヒム・レーヴ監督(通称ヨギヨギ)に代わる次期代表監督として、ハンジ(ハンス=ディーター・フリック元FCB監督)が正式に2024年までの契約に合意したという一報でした!!
つい先日、バイエルン9連覇と歴代優勝回数31回を達成し、昨年のトレブル達成とともにまた一つクラブのマイルストーンを刻んだハンジ。そのシーズン終了前に自らクラブを去りたいと申し出たのも、まだ記憶に新しいところ。
そして無事シーズンを終え、今後の身の振り方にメディアの注目が集まっていましたが、数日前にDFBとの“詰め"の話し合いが行われたという報道があり、そこから日をおかずしての発表となりました。
こちらは歴代監督の記録。こうしてみるとヨギヨギの記録がどれほどのものかわかります。そしてその記録を、アシスタントコーチとして献身的にサポートしてきたのもハンジでした。
後任候補が話題になったときにはU代表のシュテファン・クンツ監督(写真右)などの名前も挙がっていましたが、結果的にこれまでの経験と選手との近さや求心力を鑑み、ハンジに白羽の矢が当たったのは至極当然というところでしょう。
実際、今回のEURO2020招集メンバー発表前にもヨギヨギとハンジは個人的に電話でやりとりをしていたそうです。
発表会見では「まるで我が家に帰ってきたような気分」と語ったハンジ。さらに今回の契約にあたり、TEAM JOGIの盟友であるビアビアやケプケさん(アンドレアス・ケプケGKコーチ)が、これまでと同じようにA代表で活動することを条件にオファーを受け入れたとのこと。
ちなみに給与はバイエルンの時よりも少し下がる程度なのだそう。これとは別に個人での広告契約なども入ってくると思われるため、大幅減額というレベルではなさそうです。
そういえばハンジはW杯優勝後、約3年間DFBのスポーツディレクターを務め、その後同職に就任したたホッフェンハイムではわずか半年で辞任しています。DFBのときは「家族との時間を大切にしたい」との理由で去り、クラブ関連では首脳陣との方向性の違いで早々に見切りをつけた感がありますが、やっぱり古巣が一番居心地よかったのでしょうか。
また、DFBのベースとなるフランクフルトとハンジの地元・ハイデルベルクが近いのも理由のひとつに考えられます。家族第一のハンジですが、二人の娘さんは成人し、実はハンジはもうおじいちゃん。10代の時からお付き合いして結婚に至った奥さんのジルケさん(写真)や地元の友人らを大切にしているハンジにとっては、融通のききやすい土地ということも後押しになったのかもしれません。
ということで、7月からの契約のためにヨギヨギがEURO決勝まで進むと、7月には“ふたりの監督”が存在することに。ハンジは「決勝でチームを祝福できるように祈っているよ」とコメントし、決勝の地・英ウェンブリースタジアムに足を運べたらと希望を語りました。
後任も決定してヨギヨギもひとつ肩の荷が下りたかな……というところですが、現在DFBにはまだまだ問題が山積み。その最たるものが先日失言問題でその場を追われることとなった会長の後任に関するゴタゴタです。
女性会長を擁立させる動きや、歴代レジェンドを登用する可能性が浮上するなどさまざまな情報が錯綜していますが、依然これといった適任が見つかっていないのが現状。なんとこのお方↑↑↑をトップに!なんていう声もあり、まだまだ今後の首脳陣の転換は先が見えないまま。
可能性はかな~~~り低いですが、下手するとヨギヨギにそのお鉢が暫定的に回ってきてしまう可能性も……? 少なくとも、広告塔としては歴代監督の中でもけた違いに一般への周知力が抜群なため、まさかのヨギヨギ会長&(〓_〓)副会長就任なんていうことになれば、かなり今後のDFBが面白くなってくるかもしれません(いろんな意味で……)(ወ‿ወ)<クスクス
まずは7月までの短い間ですが、ハンジにはしっかりと休息を取り、次なる戦いに向けて英気を養ってもらいたいものです。
では、また☆☆☆☆
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女性カメラマンによる白と黒の静謐な世界で表現された、2012年のEUROの記録。 レジーナ・シュメケン著 |
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2014年W杯のドイツ代表を完全記録。 |
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2010年W杯メンバーによる写真集。 エレン・フォン・アンワース著 |
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