雲の大地
悲喜交々を乗せて
飛行機は帰途に着いた
着席すると
小さな飛行機は
あっという間に飛び立ち
高度を上げた
そこは雲の大地であった
涙が溢れそうになるのを
ぐっと抑えて
私は窓の外ばかりを見ていた
雲は綺麗な筋を引いて流れ
もこもこと湧き立つのもあって
リズミカルなメロディを奏でる
まるで、メルヘンの世界
青空がきれい
時に機は
濃い雲の直中を進む
がたがたと機体を震わせ
雲は威力をみせつける
その度に
『飛行に影響はありません』と
CAのアナウンスが入る
誰一人いない雲の大地
嘘や嫉妬や辛さや悩みや
悲しみなど一切ない
純粋に癒される白い大地
強気を張ってたものが
一気に壊されて
溶けてゆく瞬間
雲は雲の上に雲をつくり
雲の下にも雲を作り
それらは皆、とどまることはなく
流れ流されてゆくのみ
そうして
雲は大地を作るけれど
やがては
跡形もなく消えてゆく
雲の大地に
魅入ってると
『もう、着陸体制に入りました』と
アナウンスが流れた
あぁ、
私は、また、修羅の人となる
今日も明日も良い日でありますように。
ぼちぼちと、再開しようと思います。。。
宜しくお願いいたします。🌶️