日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

曲げられない女

2010年01月26日 05時05分15秒 | 日本事情
 菅野美穂主演の「曲げられない女」というドラマを見ている。

 菅野美穂演じる荻原早紀は、法律事務所で弁護士の見習いのアルバイト職員として働きつつ、毎日自宅で司法試験の合格を目指して頑張っている32歳の女性である。

 早紀は9年連続で司法試験に失敗している。同じ事務所で働く3つ年下既に弁護士として働いている恋人からは、司法試験をあきらめて自分と結婚してほしいとプロポーズされた。一方、職場の上司からは女の幸せを考えて、司法試験をあきらめ、事務所の正職員として働いて欲しいと打診される。

 しかし、早紀は弁護士として公平な世の中にしたいという父の遺志を継ぎ、恋人からのプロポーズも上司からの要請も断り、「曲げられない女」として自分の信念を貫く。

 早紀は「自分がやりたいことが思うようにできないような結婚であればしたくない」と主張してプロポーズを断ったが、これはある意味正解だと思う。幸せになることを目的として結婚するのに、結婚したことによって自分の夢を諦めたのでは本末転倒だからだ。

 幸せは人それぞれである。家庭に入って子育てに幸せを感じる人もいれば、キャリアウーマンとして仕事に幸せを感じる人がいてもいいだろう。どちらの道を選んでも自分がその結果に納得できることが一番大事である。

 ただ、結婚において重要なのは、夫婦それぞれが自分が置かれた状況、選択した結果に対して幸せを感じられるかだと思う。もちろん、自分が望んで家庭に入ったとしても、実際には自分が想像していたことと違って幸せを感じられないこともあるし、数年経てば自分の考えが変わってくることもある。

 一方、キャリアを選んだとしても、結婚して家庭を築いている人を羨ましく思うこともあるかもしれない。また、女性の場合、一定年齢を超えると出産は難しくなるから、後戻りができないために事はより重大である。

 どちらにしろ、自分の選択した結果に対して責任が持てれば、どちらを選んでも構わない。「隣の緑は青い」である。どちらが正解と言うことはない。

 ただ、僕は家族もキャリアも両方手に入れることもある程度のレベルでは可能であると思う。もちろん、並々ならぬ努力が必要だし、配偶者の協力・理解力などすべての条件がより高いレベルで整う必要があるのは言うまでもない。でも、可能な事は確かだと思う。

 ドラマの中には、高校時代の同級生で、今は結婚して二人の子供がいる璃子と偶然再会する。璃子は自分の家庭を引き合いに、結婚したら幸せになれると早紀の結婚を後押しするが、実は家庭では姑から邪険にされ、夫には浮気をされており、肩身の狭い思いをしている。

 「結婚=幸せ」は、残念ながら幻想だと思う。

 僕の座右の書である「ユダヤ人大富豪の教え」において、人が最も幸せを感じる時が定義されている。それは「誰かと心がつながっている」ことだそうだ。

 つまり、書類上は結婚していても、仮面夫婦として心がつながっていなければ人は幸せを感じることができない。どんなに体を重ねても、信頼や心の繋がりがなければ夫婦とは言えない。そして、それは夫婦関係に限らず、親子・友人関係も然りである。

 僕ら人間は人の心を完全に読むことは不可能である。従って、人は「言葉」と「行動」によってのみ、その心の一部を証明することができる。

 「曲げられない女」の初回視聴率は15.4%だったが、第2話は11.0%で一気に下がった。僕は楽しく拝見したが、一般視聴者にはあまり受けなかったようだ。今後のストーリー展開を楽しみにしたい。

 

 
  

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