日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

2016年オリンピックはリオデジャネイロで開催決定!!

2009年10月07日 06時03分00秒 | ブラジル事情
 2016年のオリンピック開催都市がリオデジャネイロに決定した。これで2014年のワールドカップ開催に加え、世界的なスポーツの2大行事を連続して開催することになる。

 ブラジルは昨年アメリカで発生した世界恐慌からもいち早く回復し、昨年までの成長路線に戻りつつあり、しばらくこの経済成長は止まらないだろう。

 株価は昨年の底値から2倍まで回復。失業率も下落。車に対する特別減税措置による過去最高の車販売台数。公定歩合低下にともなうローン利率の低下、その結果としての企業投資・不動産購入の活発化。リオ海岸沖などでの新たな油田の発見。サンパウロ・リオ間の新幹線導入プロジェクト。

 ブラジルは今、日本が1964年に東京オリンピックを開催した当時と同じ勢いがあるのではないだろうか。日本や中国と違って、高い経済成長率を達成し得てはいないが、今後確実に毎年経済成長していくような気がする。

 発展するブラジルと停滞する一方の日本。日本は今年にはGNPが中国に抜かれて3位になると予測されているが、こんな状態だと15年後には日本とブラジルの立場も逆転しているかもしれない。

 ブラジルの問題は、やはり貧富の格差と治安問題である。ブラジルの大都市はどこもその問題を抱えているが、リオデジャネイロほどその問題を如実に表している都市は他にないだろう。

 世界的に有名なコパカバーナ海岸の海は美しく、ビキニの美女たちが海岸で日光浴をしたり、高級アパートや高級ホテルが建ち並ぶ一方、ちょっと海岸沿いから中に入ると、スラム街(ファベーラ)に紛れ込む。そこでは頻繁に麻薬取引が行われており、ギャング同士の銃撃戦が一般市民の住宅地にまで及ぶことも珍しくない。

 リオの海岸は散歩するには快適だが、絶対に貴金属を身に付けて歩いてはいけない。強盗がさっと走ってくるやいなや、腕を持たれて腕時計のベルトを引きちぎり、時計の部分だけ奪っていく。抵抗しては絶対にいけない。下手な抵抗をすると、殺される可能性もあるからだ。

 今回のオリンピック開催都市の選出に当たっては、南米でまだ1度もオリンピックが開催されたことがないという点が評価されたと思う。でも、選出前からリオの治安は常に問題視されており、今回の決定を受けて、ブラジル政府及びリオデジャネイロ市役所は早急に同問題の改善に向けた措置を取る必要がある。

 オリンピック開催に当たって、観光客が激増すると思うが、外国人観光客に対する強盗やひったくりが横行すれば、リオのイメージを一気に悪化させ、ブラジルの国自体のイメージにもマイナスだ。逆に、治安問題を払拭できれば、ブラジルの世界に対するイメージは一気に改善し、さらなる発展が約束されるだろう。

 ブラジル人は陽気で、国自体には天然資源にも恵まれ、気候は温暖であり、地震もない。治安問題と社会格差さえ解消できれば、世界で最も住みやすい国にもなりえよう。これから2016年のリオデジャネイロでのオリンピック開催までがブラジルという国の未来の方向性を示す大きな正念場かもしれない。

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