日本ブラジル結婚事情

　今結婚できない日本人が増えているらしい。会社で購読している経済雑誌に特集記事が載っており、興味深く読んだ。

　今までは、女性が社会進出して経済力がついて、男性に生活の糧を頼る必要がなくなったからだとか、結婚にこだわらない人生観の台頭とかがクローズアップされてきたが、その記事における結婚している人が減っている最大の原因は、バブル崩壊後の日本の労働システムの変化による、男性の不安定な社会的地位及び経済力にあるのだそうだ。

　バブル崩壊後、日本の会社はリストラを断行せざるを得なくなった。一番手取り早い方法は、正社員をあまり採用せずに、採算が安く上がる契約社員やアルバイトで間に合わせる方法だった。さらに、終身雇用制は年齢ではない実力主義の年俸制へと移行した。

　昨今９０年代半ばに“夢を求めて”フリーターになった人たちが、結婚適齢期に入ったにもかかわらず、定職に就けずに、付き合っている女性から見限られるという現象が起こっているそうだ。４年も５年も好きで付き合っていても、定職に就けずにいる男性との結婚後の将来を考えると、収入面からどうしても結婚に踏み切れず、結果別れることになり、結婚率が減少していくという悪循環にはまるというわけである。

　男である自分からすると、何だか悲しい現実である。定収がないがために、女性から捨てられるなんて。給料の額で結婚すべきかしないべきか判断されるなんて。男は女性のひとつの道具でしかないのだろうか。男の地位も地に落ちたと言えよう。結局結婚はビジネスなのだろうか？

　ブラジル人は正式に結婚しないで（つまり、籍を入れないで）、同棲し、子供も作ってしまうというケースが多い。少なくとも子供作ったら籍入れろよとか思うけど、入れない。でも、５年一緒に同棲しただけで、法的には結婚したのと同じ効力を持つらしい。籍を入れるのは単なる一行為に過ぎず、大切なのは愛だとか言うけど、実際のところは離婚する際の諍いをなるべく無くそうというのが本音みたい。

　ところで、みんな何で結婚するんだろう？１人じゃ寂しいから？老後一人だと寂しいから？その結婚相手を愛しているから？家族を作って、もう１つの人生を楽しみたいから？幸せになりたいから？

　結婚したら幸せになるだろうというのは、結婚したことのない人の妄想。本当に幸せになりたかったら、結婚していようがしてなかろうが、日々努力しなければならない。だから、結婚している人が結婚したことのない人のことを不幸せな人だと思うのも間違い。幸せの基準は人それぞれで、結婚したくない人が結婚していなければ、それはその人にとって幸せなことなのだから。

　僕の場合外国においてフリーターであるにも関わらす、結婚できたというのは、単に嫁さんと僕自身が世間知らずであった結果に過ぎない気がする。単なる勢いでしたもので、日本だったらとてもできなかったであろう。フリーター状態で結婚したり、子供作ったりというのは。

　まあ人生なるようにしかならない。初めての人生で、１回きりの人生なのだから、やりたいようにやるしかない。その結果に対する責任さえ自分が取れだけばいいだけの話だから。