歌手デビュー計画

　昨日生徒から頼んでいたＢｚの最新ＣＤをもらった。さっそく家に帰ってＣＤを聞き、日本へのホームシックを解消した。

　話を元に戻すと、僕がＢｚをこちらの生徒に地道に紹介し始めて、ようやく最近ファンが増えてきて、こちらの人の支持を得るようになってきた。１４年ほどファンを続けている僕としてはファン冥利に尽きる。

　ＣＤをくれた彼は実はキーボードのミュージシャン。一応プロのバンドで時々ショーをしたり、教会のコーラスで演奏したりしている。別にそれだけで食えているわけではなく、このたび晴れて市役所の公務員試験に通り、安定した収入が得られるようである。

　彼は僕が紹介してからＢｚの大ファンになり、今はほぼすべてのＣＤを入手した。僕はいつも僕と彼と他にギター・ベース・ドラムなどのメンバーを集めて、Ｂｚのコピーバンドをしようと誘っている。もちろんボーカリストは僕。

　最初はしがないバーでもいいからボランティアとしてショーをし、次第に大きなクラブとかで少なくてもギャラをもらって演奏するのが当面の野望。もちろん日本語で歌う。何も理解できなくても、音楽は世界共通語だから、メロディーとパフォーマンスさえ受け入れやすいものなら、結構いけるんじゃないかと踏んでいるんだけどどうかな？

　土曜日の夜とかにたくさんの観客を前に歌えたらどんなに気持ちがいいだろう。また、ストレス解消にもなるし。観客はみんな日本語分からないから、僕が上手だろうが下手だろうが、雰囲気さえ「行け行け」であれば、大丈夫なんじゃないかな。

　土曜日の深夜まで“働く”となると、それこそ家族と過ごす時間がほとんどなくなってしまうが、まあそんなことは杞憂だろう。

　実は５年程前日本人ボサノバ歌手がこちらに来て、いくつかのバーで歌っては小銭を稼いでいた。僕はポルトガル語の先生を通じて、彼女に数回顔を合わせたことがあったが、歌が上手だったのかは実際に聞いていないから分からない。ポルトガル語の先生に寄れば、歌は結構いけていたらしいけど、知らないうちに行方知らずになってしまった。

　ブラジル人に向かってポルトガル語で歌うんだったらやはり相当の歌唱力が必要でしょ。それにしても彼女の目的がいまいち分からなかった。本場での修行だったのか、単に自分の実力を知りたかったのか。時々こちらには目的不明の流浪人が流れてくる。

　サッカーのカズもこちらで無名からプロになったわけだし、スポーツや芸術の世界でこちらで成功するのは不可能じゃないけど、相当の努力がいるでしょう。そして、運と実力も。

　とにかく、短い人生楽しく過ごしたい。