「懐かしい日本の言葉 ミニ辞典」という本を読んだ。
絶滅のおそれがある妙に懐かしい言葉や表現が360個収録され、その意味や使い方が簡潔に説明されている。
僕は子供時代に読書が大嫌いだったため、本は学校の課題図書くらいしか読んでいなかった。その結果、僕の語彙力は貧弱で、読解力も全くと言っていいほどなかった。
ただ、異国の文化に対する憧れから、外国語の勉強は好きで、教師の仕事にも面白さを感じていたことから、外国語を使って仕事ができる日本語教師と言う仕事を選んだ。
従って、職業柄、一般の日本人より豊かな日本語の語彙力を持っている必要がある。でも、元の語彙が貧弱だから、本をたくさん読むなどして、無理やり語彙を増やすしかないし、今回「懐かしい日本の言葉 ミニ辞典」を読む目的の1つも語彙力の補強にある。
ただ、職業の如何に関わらず、語彙力・表現力はその人の教養レベルを規定しかねない。間違った言葉の使い方、語彙の貧弱さ、漢字の読み書き能力のなさは、その人の品格自体を落としかねないので、必要最低限の知識は身につけておく必要がある。
そのいい例が、麻生元首相の漢字の読み間違いである。あれだけ漢字が読めないと、一日本国民として本当に恥ずかしい事この上ない。ちょっと昔は、政治家はやたら漢文などから引用した表現を使って、会見に臨んだものだが、最近はめっきり聞かなくなった。
もしかしたら、日本人全体の語彙力が貧弱になっているのかもしれない。
僕が子供の頃は、読む本がなかったら「辞書を読め」なんてことも言われたものである。辞書を五十音順に読むこと自体にあまり意味はないが、それだけ語彙力が重要だという証しだと言えよう。
僕がブラジルに来てから身に付いた習慣は、同じ本を何度も読む習慣である。そもそもこちらには日本の本がないので、「活字」が恋しくなったら、日本から持ってきた数少ない本を繰り返し読むしかない。今でこそ、インターネットで興味深い記事を気軽に読めるようになったが、13年前はそんな状況ではなかった。
はっきり言って、1度くらい本を読んだだけでは、内容は頭に入って来ない。何度か読んで初めて脳の中に、その一部が残って行くのである。だから、この「懐かしい日本の言葉 ミニ辞典」も何度も読んで、僕の日本語の語彙力を向上できたらなと思う。
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