日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

列車記事続報翻訳とコメント

2005年05月09日 20時51分30秒 | ブラジル事情
 当地紙に兵庫での列車脱線事故の続報記事が掲載されていたので、僕のコメントを書いた上で、以下に翻訳を添付する。

 ブラジル人からすれば、90秒の遅れが何だって言うのっていう話な訳である。ブラジルの電車やバスの時刻表なんてあってないようなもんだから。時間通りに来ると逆に驚いてしまう。珍しいことがあるもんだと。

 バスなんか15分おきだったりするのに、下手すると30分バス停で待たされて、2台ほぼ同時に来たりする。頭にくるけど、そんなことで頭に来ていたらこの国では生きていけない。いつかは来るでしょ、と大きく構えていないと。

 僕自身ブラジル人には何も期待していない。約束は破られるためにあるものだと思っている。また、時間は単なる目安に過ぎないと考えている。自分は約束の時間に行くが、相手には期待しない。そんな小さいことでストレスためて、早死したくないから。相手が遅れることも考慮して約束するのがコツ。

 ブラジル人は世界でも自殺率が1,2を争う低さ。あまり先の事は考えず、目先の利益のみを考えているからであろう。「今日駄目でも明日何とかなるだろう」と。楽観的なのである。そして、「自分が駄目でも誰かが助けてくれるだろう。」と考えている。

 日本人とはまったく逆。どちらがいいとも言えない。中庸がいいんじゃないかな。時間厳守もほどほど、楽観・悲観主義も中間程度で。何でも極端は良くない。日本社会は社会的プレッシャーが強すぎる。

 学歴社会。時間厳守。能力主義。縦社会。出世競争。受験戦争。閉鎖的社会。

 日本社会を形容する言葉はマイナスなものが実に多い。日本の飯は世界一うまいと思うんだけど、惜しいな。

ゼロオーラ紙                       2005年5月6日付け

交通 電車の発車時刻厳守へのプレッシャーが最低101人を死亡させた事故を引き起こしたのかもしれない

大惨事が日本に時間厳守へのこだわりの再考を迫る

ほんの1分の遅れで、電車の運転士が謝る国において、先週の月曜日に日本で起こった過去40年で最悪の鉄道事故の後、時間厳守に対する自尊心と熾烈な競争について議論されている。

 乗客で満員の電車が線路から脱線し、大阪地域にあるマンションに衝突した惨事は、少なくとも101人の死者を出した。そして、すべてが人的ミスであったことを示している。電車の運転士(経験があまりない23歳の男性、事故で死亡)は、前の駅で駅を過ぎてしまってから、90秒の遅れを取り戻すために、カーブにおいてスピードを出していた。
 「遅れが運転士に重くのしかかっていた可能性を想像できる。JR西日本と私鉄の間の熾烈な競争のもと、安全の問題が充分に考慮されていたのかを我々は自問する」と朝日新聞は社説で書いている。

運転士は厳しい訓練を受ける

 27000キロに及ぶ線路を、一年に210億人以上の乗客を輸送する日本の鉄道システムは、他の国々における嫉妬の理由となる安全だけでなく、時間厳守の名声をも兼ね備えている。日本の新幹線の遅れは、地震や台風といった自然災害によって引き起こされた遅れを含めても、平均で60秒である。
 「ここに調査しに来たドイツ人たちは10分かそこらの遅れは普通だと考えていた。彼らは「日本の秘密は何ですか?」と質問した。文化的違いのように思われる。運転士も含めて従業員全員が、時間どおりにその場所にいるという考えを吹き込まれている」と国際鉄道ジャーナルの日本人編集者佐藤義彦さんは言う。
 通常大学卒業レベルである日本人の電車の運転士は、乗客が乗るプラットホームの印にどうやって正確に停車するかについても含めて、厳しい訓練を受ける。
 アナリストに寄れば、1989年の国鉄民営化の後に創立された6つの地方の会社の1つであるJR西日本は、熾烈な競争に苦しみ、他の会社よりスピードと時間厳守に対するプレッシャーをより感じていたかもしれない。会社は、コスト削減という攻撃的戦略の他に、スピードを上げながら、より多くの急行列車、より軽い列車により競争に対応していた。
 日本鉄道労働組合代表の伊藤健二さんは、11ヶ月しか電車を操縦しなかった若い運転士にかかった精神的プレッシャーは恐らく厳しいものだったと言っている。他の鉄道会社同様に、規則を何回も破ったJR西日本の運転士達は、口頭による叱責を受け、「再教育」を受け、その訓練中通常の仕事から離れなければならないだけでなく、給料もカットされる。
 この「再教育」を公の屈辱と同じこととして見る人もいる。日本のマスコミに寄れば、JR西日本の従業員であった服部正樹さんは、操縦していた電車が遅れていたために、再教育のプロセスを済ませた後、2001年に自殺した。


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1 コメント

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Unknown (Fabiana)
2005-05-10 07:02:29
久しぶりにブラジルのバスのことを思い出して、おおらかな気分になりました。

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