雪姫鳥の独り語

雪姫鳥の山暮らし、日常に感じる事。
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カナダで出産 予期せぬ事

2009-06-18 09:51:42 | 子育て、教育

生後、ひと月を過ぎた頃だったろうか、息子の首の傾きが同じ方向ばかりと気づき、骨もちょっと出ているようなので、コミュニュティセンターの保健婦さんに相談する。特に成長に問題があるようでもないので、外国人の為の無料医師の施設を紹介してくれた。医師に逆子で出産(頭がひっかかってはいけないので、器具で引いた)した事を伝えると、その時の圧力で斜頚になったようでした。出来るだけ、もう一方の方向に向けさせる習慣を、教わった。だが、一向に良くならない。再度、相談し、チルドレンズホスピタルを紹介して頂いた。保険が無いと中々、アポが難しいようだが、事情を考慮して頂いた。

病院で、リハビリの手順を教わった。頚をかなりの力で捻じ曲げるという、かなりの精神力のいる作業だった。キツラノからそれ程、遠くない住宅街の一軒屋のベースメント(半地下)に越しており、部屋も広く、赤ちゃん用の台(入浴後の着替えや、体操にちょうどいい硬さの小さなベット)をガレージセールで購入してあり、息子をその上に乗せ、夫が頚を傾いているのと、反対に捻じ曲げた(特殊な方法)、一度に5回するのですが、3回したら私が抱きしめる。こちらが泣きたくなる位、息子は鳴き叫び、台の上に載せただけで、恐怖の顔をした。

その後も、一度だけ、医師の訪問を受け、もう大丈夫と言われた。ねじ曲げるのはひと月より長く続けたようにも思うが、そのままだと、何れ手術か、首が傾いてしまうとの事。親にかまってもらえない子が多く、笑わない赤ちゃんが増えたと医師が言っていました。リハビリは辛い事でしたが、息子の笑顔に救われていました。

散歩にも良く出かけ、特に色黒ではなかったが、白人社会の中では、ハワイ帰りの王子様と、見知らぬ人にも、よく声をかけられた。夫はニューヨークに二年いた事があり、そのまま子連れで放浪しようか、何て安易な事を考えていたが、私の滞在期間が切れる、生後4カ月で帰国する事にした。着る物、食べる物も、すべてこだわり、緑の多い、海あり山ありのバンクバーで、四ヶ月間、ただただ育児の為に、時間を費やせた事は、貴重な体験でした。

帰国の機内でも、離着陸の時は乳首をしゃぶらせ、ほとんど用意されたベットですやすや眠り、搭乗の際、赤ちゃんかと嫌な顔をされた周囲の人達も、着陸後にブラボーと拍手をしてくれた。思えば、あっと言う間の、出産でしたが、親になった事で社会と関りが増え、責任ある仕事を引き受けた事で、自分も成長できたと感じます。

帰国後の日本での検診でも、問題はないと言われ、ほっとしました。後遺症はないと、カナダでも言われていましたが、脳の記憶はあるようで、頚すじの辺りに触れると、ビクッとします。耳かきが出来ないので、苦労しました。赤ちゃんの記憶はもちろんありませんが、見た事、聞いた事、感じた事、特に印象の深い事は、脳が記憶しているのだなと思います。だから、親が不安に感じたりすると、それが子供の情緒に繋がり、過保護になると、精神力の弱い傾向になるのではないでしょうか?愛情を感じ無いほど、厳し過ぎてもいけないし、すべては子供を良く見る事から始まり、バランス良くを心がける、これが私が育児から、学んだ事のひとつです。

息子は六月で成人しました。これからは、親子でありながら、社会人どうしの関係になっていきます。偶然にも、中央線沿線に住んでいますが、私が影響を受けた文化に、時代を超えて触れているのだろうと思うと、考え深いものがあります。息子の誕生が懐かしく、ちょっと思い出に浸りました。読んで頂き、ありがとう。

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