ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

頭が痛い!

2005年01月07日 | ゆきちゃんの日記
島に帰ってきました。 

たった1日の帰省でしたが、
由紀子にはかなりつらい時間だったようです。 

船が着いてまず私の実家に寄ったのですが、
部屋に入ったとたんに四つんばいになって
動けなくなってしまいました。 
 

横で見ていた私とゆきパパには
由紀子の気持ちがなんとなく解りました。 

由紀子の頭の中に整理できないくらいの
思い出がよみがえってきて、
情報の整理がつかなくなっているのです。
 
だから、見覚えのあるこの部屋の
何一つ見ることができないのです。 

いつもならば、泣き叫んでパニックを起こすのに、
それをじっと我慢をして
四つんばいのまま必死に耐えているように見えました。 
 

実家の両親にはそっとしてやって欲しいと頼んで、
みんなで由紀子が落ち着くのを待ちました。 

2.3分した時に四つんばいのままの由紀子が
「頭が痛い!」といいました。 

本当につらいのでしょう・・・。 

でも、誰も助けてやることができません。 

見ている私たちの胸も痛くなりました。 
 

そして、5分後やっと顔を上げて
黙ってコタツに入って座ることができました。 

よかった!! 

この前の由紀子の言葉を借りれば
頭が落ち着いたのでしょう・・・。 

でも、様子はいつもの通りとはいきません。 

爪を噛み続け、
時間が過ぎるのをじっと待っているように見えました。 

やはり、過去に戻るのは由紀子にはつらい作業なのだと
改めて感じずにはいられませんでした。 
 

でも、まだやらなければならないことが残っています。 

しばらく休ませてから、
叔母のお通夜が始まる前に挨拶に連れて行きました。 

亡くなった叔母は、
最後まで由紀子のことを心配してくれていました。 
だから、どうしても顔を見せてやりたかったのです。 
 

ここでも、由紀子は騒ぐこともなく座布団の上に座って
じっと爪を噛み続けていました。 

心配していたパニックを起こすこともなく、
1時間以上その場に居る事ができました。 

たぶん、回りが大変なことになっている事を
感じているのだと思います。 
 
 
日ごろから生活し難い事はたくさんありますが、
そんなにつらいとは思いません。
私が由紀子の障害が本当につらいと感じるのはこんな時です。 
 

由紀子の状況を考えて、
お葬式は遠慮させていただいて
ゆきパパよりも一足先に長崎へ帰ってきました。 

家に着いたときの由紀子のうれしそうな顔。 
 

本当にお疲れ様でした。


=END=
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