今でも既に枯渇しそうな滞水層は、2050年代にはもう枯れてしまっているでしょう。
これは「地球白書」のレスター-ブラウンも予言しており、彼は国連顧問を勤める科学者なので、反論できる人はそうそう居りません。
「持続可能な農業」には水の他にもう1つ、「石油の枯渇」も大きなファクターとされますが、これは温暖化対策によって自然エネルギーの活用が高まる近未来では、乗用車に回す電力をカットしてでも農業用車に回すと思われるので、動力不足による農業崩壊は起こらないと思います。
石油は化学肥料や農薬を作るのにも多く用いられますが、これらの農業資材は近未来では時代遅れのモノとなっており、窒素は窒素固定菌が空中から幾らでも取ってくれ、より核心的なリン鉱石(鳥のフンの化石)の枯渇についても、あらゆるフンを肥料化する微生物技術の発展によりクリアーされるとします。
しかしそれでも、100億人に達する人類を養う為には「水」を確保する必要があり、これは近未来において多くの国で最重要の政治課題となるでしょう。
今回はコラムが長いので物語には入りませんが、次回で「桟」章を締めくくるべく「持続可能な農業」の答えを描きたいと思います。