真の動物福祉牧場を目指して

「優樹国の思い出」

 少し寄り道をして、前回ラクシュミーが推奨していた秀祥(しゅうしゃん)晩年の著作を描いておきます。

 こうした物語の中で登場人物が書いた本を描くのは、近未来の物語「Sun」では常套手段になっており、「十六戦旗物語」「2人のエクソダス」、「中東の二〇世紀」そして新しいバイブル「秀祥(marvelous origin)」に続きます。

 「優樹(ユーシュー)国」については、3年前に「Shu-Shan」の物語でシャングリラ(理想郷)として描きましたが、これは東チベットのユーシュー(中国語では玉樹)地方がモデルです。

 この地方は共産党軍の侵略に勇敢に立ち向かったコトで知られ、そのタメに男性はみんな強制収容所に入れられて帰らぬ人となりました。
 これは「断種政策」と呼ばれ、残った女性はみんな侵略軍のモノにされてしまいました...

 当時15歳だった秀祥は、父親が漢族なのでそうした悲運からは免れましたが、周りの友達はみんな絶望の淵に落とされました。
 彼等を救うにはチベット人の悲惨な状況を世界に訴えるしか道はなく、秀祥はその使命を父-孫文徳から受け継ぎます。

 「優樹国の思い出」はそうした目的で書かれますが、曾て存在した「愛の国」の記憶を未来へ経(つな)ぐ目的でも書かれ、それ故にとりわけ芸術的な子供時代の回想録にします。

 秀祥は周りの友達を善く愛し、それ故に周りからも愛されて育ちます。
 優樹国は山岳地帯に築かれた広大なシェルターで、多くの避難民を受け入れたので異民族との摩擦も生じましたが、優樹国の教育を司るトゥルク(転生活仏)の母-サラの影響で子供達はみんな仲良くなります。

 大人達も一致団結し、それはモンゴルから転戦して来た王者-愛新覚羅傑仁と優樹の女勇者-ケチャが結ばれ、2人が王と王女に祭り上げたコトが大きな要因でした。

 更に漢族でも党と戦った少林寺の、ヒーラー部隊で特別な才能を発揮した行善が法王として迎えられ、優樹国の宗教と福祉を善く導きました。
 
 農業も漢族の農聖サイオンによって発展し、彼と一緒に労働改造所から解放された漢族の知識階級の人々も、蔡恩諧の微生物農法を普及する活動に尽力します。
 彼等は漢族なので優樹国が消滅してからも生き、再び労働改造所に入れられて餓死させられそうになりますが、恩諧が身を挺して塩害農地を甦らせたお陰で生き延びます。

 「優樹国の思い出」はその後海外に亡命した知識階級の人々によっても語られ、彼等は秀祥によってダラムサラーの亡命チベット政府に迎えられ、共にチベットと中国を党の支配から解放しようと闘う同志になりました。
 
 
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