真の動物福祉牧場を目指して

精神文明への回帰

 これまで若き日の秀祥を描いて来ましたが、それは2059年に彼女が105歳で入滅した時に、バルドゥ(中有)で人生を追体験するシチュエーションが背景となっています。

 ここで少し御断りをさせて貰うと、私はチベット人ではないのでバルドゥという「死後の旅」が確実に有ると信じてはいません。
 しかし、死後はただ無しかないと考えるのも寂しい気がします。

 私は大学で宗教哲学を専攻しましたが、全ての宗教は死後の世界を有るとしている点で、みんな究極的には同じだと言えます。
 近年では無宗教の人が増えていて、それは特に共産主義の国(中国)で顕著ですが、人生を現世だけに限定する思想は袋小路に迷い込んでいる観があります。

 それは過度に物質主義へと走り、刹那的な快楽を求める余りに環境を壊してしまっています。
 そうした虚栄的な社会は愛国心などと言うモノで心を満たそうとし、その我田引水なファシズム(全体主義)は周辺の民族に多大な災厄を及ぼしています。
 
 更に悪いコトに、殆どの中国人はその罪を認識しておらず、むしろ迷信に囚われていた民族を解放したと誇りにすら思っています。
 しかし近年、そうしたプロパガンダが洗脳であったと認識する中国人は増えており、昔の精神文明に回帰しようとする人々も増えて来ています。

 その回帰運動をリードしているのは、フランスに亡命したノーベル文学賞作家の高行健で、その代表作は「霊山」と「ある男の聖書」です。
 私はまだその書評しか読んでいませんが、彼こそが現代中国を代表する文学者と言えそうです。

 他にも余華(代表作「Brother」)と閻連科(代表作「人民に奉仕する」)が注目すべき文学者と言え、それは「作家たちの愚かしくも愛すべき中国」という本から読み取れます。
 この3人の作家は、共産党の支配などはほんの一時のコトに過ぎないと捉えており、検閲などモノともせずに文学的な芸術を追究しています。
 その為に中国本土では発禁にされていますが、時代と国境を超越した真の芸術が生まれています。
 
 
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