それは何故かと言うと、統制経済では自由なイノベーションが起こらず、トップは必ず利権を守ろうとするので、古い技術に固執して敗れ去るとしました。
20世紀の社会主義国はみんなその通りとなり、ソ連と中国も資本主義に切り替わりました。
しかし両国はまだ社会主義国を自任していて、それは実際には「独占資本主義」の国で統制経済が続いております。
国が経済を牛耳るのは、通貨発行権を握っているのでトップがやたらと権力を持ちます。
そのトップ争いは熾烈になり、人が人を支配する社会体質からどうしても抜けられません。
人民は隷従を余儀なくされ、自由な表現は許されず洗脳されて、「戦え!」と言われれば「万歳!」と叫ぶ様になります。
こうした国に未来が無いのはロシアを観れば明らかですが、独裁者もシタタカになっており一筋縄では潰れそうにありません。
ロシアが潰れないのは化石燃料を大量に輸出しているからで、この国は地球温暖化を心配するどころか、早く暖かくなって欲しいと思っている様です。
先進諸国はその方針に反対していますが、貧しい国々は発展したいのでロシアからの輸入に頼っており、ロシアは安売りしてインフラ支援までし恩を売っております。
一方中国は、貧しい国々へのインフラ支援を同じく行っていますが、そこでは「エコビジネス」の売り込みが顕著になって来ています。
これは「亡国のエコ」という本に詳しく書かれていますが、太陽光パネルの世界シェアは中国が1人勝ちで9割近くを握っているそうです。
中国製がなぜそんなに強いのかと言うと、原料費と人件費がバカ安いからです。 それにはウイグル人の奴隷労働も関わっているとされ、彼等はタダ同然で働かされています。
太陽光パネルを作る原料の鉱物と石炭は、工場と連結した鉱山で採掘されており、そこはもちろん24時間稼働で労働基準や安全対策は二の次です。
中華人民共和国は「労働組合」が革命を起こして打ち立てた国ですが、今では労働組合は禁止されており、労働者には何の権利もありません。
「巨大な権力は必ず腐敗する」とハイエクは予言しましたが、この腐敗した「元労働組合」は軍隊から司法までも牛耳り、人民を食い物にして世界経済のトップに立とうとしております。