ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

アンタッチャブルで、不都合な真実

2023-08-29 10:13:44 | 日記
だれもが触れたがらない真実、アンタッチャブルで、不都合な真実。高齢者の何割かがあの世に行く前にこの真実を引き受けざるを得ない、という衝撃の事実を知った。


きのうのことである。「団塊シニア」さんのブログを読み、この真実を知って、私は衝撃を受け、同時に「ああ、よかった」と胸をなでおろした。


衝撃の真実、それは、高齢になれば介護用おむつが必要になり、それでも夜中に大便を漏らして寝具を汚す人がいる、という信じがたい事実である。
「団塊シニア」さんのブログで紹介されていたのは、鴻上尚史氏(劇作家・演出家)の父親と、「団塊シニア」さんご自身のご尊父の2つの例だけだから、こうした事例がごくまれに見られる特殊なケースなのか、それとも高齢者のほとんどに見られる一般的な出来事なのか、それは私には判らない。


鴻上氏の父親は、40年間小学校の教師を勤め、地域の自治会長もやり、様々な会合でリーダー的存在だっただけに、無念の思いもひとしおで、その思いをこんな俳句に託しているという。


「糞まみれ、これがおのれか歳暮れる」


私の場合も、――私が「あれ」でなかったらーーいずれはこの真実に捕らわれていたに違いなく、とても他人事とは思えない。身につまされる話ではある。


だが私は、幸か不幸か「あれ」なのである。つまり、「オストメイト」なのである。人間万事塞翁が馬、ーー何が災いし、何が幸いするかは判らない。私がオストメイトになったとき、つまりストーマ(人工肛門)の装着者になったとき、ストーマ・パウチの付け替えを3〜4日に1度はしなければいけないことから、「ああ、面倒くせえなあ」と思ったりもしたものだが、腸閉塞で苦しむよりはマシだと思い、この面倒くささに堪えてきた。


ところがである。きのう「団塊シニア」さんのブログを読んだとき、私が思い至ったのは、「オストメイトであることには、もう一つの大きな利点があるのだ」ということだった。ストーマを装着していれば、介護用おむつの必要はなく、夜間に大便で寝具を汚す心配も要らない。私が「ラッキ〜」と胸をなでおろしたことは言うまでもない。


しかしながら、である。人間万事塞翁が馬。オストメイトであることは、幸いだけでなく、ゆくゆくは何かしら災いをもたらすに違いない。用心すべし! 浮かれてばかりはいられない。

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