和貴の『 以 和 為 貴 』

聖徳太子が目指された世界・・・儒教編

以 和 為 貴

ゆぅすけです。

早速ではありますが、皆さん方は『教育勅語=教育二関スル勅語』をご存知でしょうか。ご年配の方々や、思想や哲学などのそうした方面に関心のある方などはその中身もよく熟知されていることだとは思いますが、まだまだ多くの方々には広く知られていません。

教育勅語には、「十二の徳目」と言われる教えが記されており、その根源は儒教の精神だとも言われております。まずは「十二の徳目」をご紹介したいと思います。

  ①孝  行・・・親に孝養をつくしましょう。
  ②友  愛・・・兄弟・姉妹は仲良くしましょう。
  ③夫婦之和・・・夫婦はいつも仲睦まじくしましょう。
  ④朋友之信・・・友だちはお互いに信じあって付き合いましょう。
  ⑤謙  遜・・・自分の言動はつつしみましょう。
  ⑥博  愛・・・広く全ての人に愛の手をさしのべましょう。
  ⑦修学習業・・・勉学に励み職業を身につけましょう。
  ⑧知能啓発・・・知識を養い才能を伸ばしましょう。
  ⑨徳器成就・・・人格の向上につとめましょう。
  ⑩公益世務・・・広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう。
  ⑪遵  法・・・法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう。
  ⑫義  勇・・・正しい勇気をもって国のため真心を尽くしましょう。

とにもかくにも、さほど驚くことは記されてはいないと思うのでありまして、それは日本人としてはごくごく当たり前のことであると認識しているからであります。

しかしながら近年では、この十二の徳目を小学校の道徳教科書に採用してみてはどうかという論が沸き起ころうとしており、私の想いとしては、十二の徳目だけを道徳教科書に採用するのは、あまりにも杜撰すぎるのではないか、と感じて仕方がないのです。

わが国國は古来より神道と仏教が深く根付いており、その対立を防ぐ目的手段として、聖徳太子が儒教を元に「冠位十二階」を制定されました。さらには神道と仏教とが互いに融和させようとして制定されたのが「憲法十七条」であります。

この「冠位十二階」と「憲法十七条」はその後のわが国の国家規範として、明治維新までの1200年以上もの永きに渡り受け継がれてきたものでありますが、しかしながら明治維新後は、新たに明治憲法が制定されることになり、結果としては廃仏崇神といわれる神道と仏教とが対立してしまう恐れが生じてしまったのです。

そこで明治天皇は「教育勅語」を発布し、国民同士の対立を防ぐことに成功したのです。それでも時代は欧米列強や近代化の流れの中で、戦争という呪縛から解放されずにいました。

そしてわが国は、悲惨な歴史を刻むことになっていくのであります。

こうしたわが国の悠久の歴史を顧みた時、「冠位十二階」と「憲法十七条」、そして「十二の徳目」をワンセットとして道徳教科書に採用して頂きたいと願うのであり、どれか一方のみを採用してしまうようでは、新たな対立が生み出されるだけだと考えてしまうのです。

さきにも述べましたようにわが国における儒教とは、対立を防ぐ役割を担っているのです。例えていうなれば、神道が父で、仏教が母で、儒教はその子どものような深い関係です。

そうした深い関係は強い絆へと成し、世界でも希にみるような国民性を育んできたのです。


あれこれ長くはなりましたが、そろそろ私たち日本人の奥底に眠る「和の心」を全面に引き出し、儒教による太子の目指された世界を妄想してみましょう。


人は得てして欲深く、しかし平和を望みます。それを矛盾と呼びます。

この矛盾は戦争を生み出し、暴力革命を生み出し、いつまでたっても真の平和を成就することが叶いません。そんな矛盾を断つには、まずは欲を捨てなければなりません。特に仏教用語にあります三毒(貪・瞋・癡)を捨てなければならないと憲法十七条には記されています。

人間の欲(三毒)を捨て去る最善の方法として、太子が冠位十二階を制定し、明治天皇が教育勅語の十二の徳目を発布されました。

真の平和を成就させるためには、ひとりひとりが努力し、矛盾をなくしていかなければ叶うはずもないということを、太子はお示しになられ、後の世の人々はそんな太子の教えを純粋に守り続け、矛盾が錯綜する外交や経済ばかりでは真の平和を成就出来ないことを悟り、その時代その時代に生きる人々の努力によって、次世代へとバトンタッチしていく世を構築したのでありました。


太子が目指された世界とは、
『神道や仏教が理想の念ならば、その理想実現のために努力し実践するのが儒教』だったのです。


と、儒教における太子の目指された世界を大妄想したわけでありますが、次回は神道における世界を大妄想してみたいと思います。

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