論語を現代語訳してみました。
泰伯 第八
《原文》
子曰、不在其位、不謀其政。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、其〔そ)の位〔くらい)に在〔あ)らざれば、其の政〔まつりごと)を謀〔はか)らず。
《現代語訳》
孔先生はまた、次のようにも仰られました。
〈何事においても、〉その地位にいないのであれば、その運営に対する勝手な思惑を口にし、他者〔ひと〕を惑わしてはならぬぞ、と。
〈つづく〉
《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。
この語句の意味するところは、国家レベルでいえば、謀叛を企てていると疑われ、それ以外においては、野心家だと疑われてしまいかねない、とするものでしょう。
たしかに、謀叛人や野心家と疑われれば、その人物に対する信頼は地におちてしまうわけでして、よって、そうならないための "配慮" をすることの大切さ、というものを、伝えたかったのかもしれません。
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考