和貴の『 以 和 為 貴 』

論語:雍也第六 〔18〕 君子は文質彬彬


論語を現代語訳してみました。



雍也 第六

《原文》
子曰、質勝文、則野。文勝質、則史。文質彬彬、然後君子。

《翻訳》
子 曰
〔のたま〕わく、質〔しつ〕 文〔ぶん〕に勝〔か〕てば、則〔すなわ〕ち野〔や〕。文 質に勝てば、則ち史〔し〕。文質 彬彬〔ひんぴん〕として、然〔しか〕る後〔のち〕に君子〔くんし〕たり。




《現代語訳》


孔先生はまた、〈冉有さんに対し〉 次のように仰られました。


本質ばかりで理想を語ろうとしないのは、すなわち憎悪に過ぎない。 また、理想ばかりで本質を語ろうとしないのは、すなわち寝言に過ぎない。

何事も、本質と理想とが調和することを心掛けながら、言動に及ぶことによって、後世の人からは "君子" と呼ばれる人となっていくのじゃよ、と。


〈つづく〉



《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。

この語句を語訳するにあたっては、二宮尊徳の『道徳なき経済は憎悪であり、経済なき道徳は寝言である』をヒントに考えてみました。

学問に取り組むときの姿勢としては『文質彬彬』にして臨むべし、ということを心掛けねばならないはずですが、日本の学校からは、二宮尊徳の銅像が消え去ったあたりからは、偏った教育によって対立構造が確立されてしまい、互いに調和さえできないでいます。

とにもかくにも、他者はともかくして、まずは己自身の心や感情を調和させることを第一として、これからの語訳に励んでいければな、と思います。


※ 関連ブログ 君子は文質彬彬
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考


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コメント一覧

yusuke1012
takechiyo_1949さん

「二宮金次郎の像は「歩きスマホとおなじだ!」と宣う者が居て、座像に変えた学校もあると聞きました。」

と、仰られますことが本当のことだとすれば、まさに、嘆かわしい世の中だと思いますね。(絶句…)

以前、愛知県において、日本の象徴を卑下するものが芸術品として展示されたわけですが、こちらは、こどもの教育現場で用いられていることを考えれば、愛知県の展示を許した知事さんよりも悪質だといえるのではないでしょうか。

貴重なご意見、有難うございました。
Unknown
こんばんは。
@takechiyoです。
二宮金次郎の像は「歩きスマホとおなじだ!」と宣う者が居て、座像に変えた学校もあると聞きました。
それが本当だとしたら、本質を無視した教育現場は、極めて憂うべき状態だと思います。
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