論語を現代語訳してみました。
述而 第七
《原文》
子以四教。文行忠信。
《翻訳》
子〔し〕は四〔し〕を以〔もっ〕て教〔おし〕う。文〔ぶん〕・行〔こう〕・忠〔ちゅう〕・信〔しん〕。
《現代語訳》
〈あるお弟子さんが、次のように仰られました。〉
先師(=孔子)は、次の四つのことを主とし、私たちの問いかけに対し、答えられていました。
ひとつは、古典などの典籍を基にし、ふたつは、仁徳の実践方法を基にし、みっつは、仁礼に関することを基にし、よっつは、仁義に関することを基にし、とされていました。
《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。
当時の教育環境というのは、現代の日本の教育環境とはちがい、先生や講師などから与えられたモノを、ただひたすらに覚える、といった詰め込み教育ではなかったとも思われ、弟子自らが研究し、その中でわからないことがあれば先生に尋ねる、というのが当時の基本的な教育姿勢だったんだろうとも思われ、よって、ここでは『教う』を「弟子の問いかけに答える」と訳してみました。
そのことからも、孔子自身が"基" とする回答方法として、上記四つがあげられたんだということです。
※ 関連ブログ 子、四を以て教う
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考